日本メルトダウン・カウントダウンへ(901)『安倍首相の退陣すべきを論じる】② 空虚な安倍スピーチをおとなしく拝聴している記者の姿に 『日本沈没メディアコントロール現場』を見た
日本メルトダウン・カウントダウンへ(901)
『安倍首相の退陣すべきを論じる】②
「消費増税再延期」ー「君、国をつぶすことなかれ、
子供たちに借金を残すことなかれ>」②
空虚な安倍スピーチをおとなしく拝聴している記者の姿に
『日本沈没メディアコントロール空間』を見た
前坂俊之(ジャーナリスト)
6月1日午後6時からの安倍首相の消費増税延期の記者会見をNHKの中継で見た。そして、いつものごとくがっかりした。
内容のないマトを外したスピーチ原稿(プロンプターの原稿を見ながら)を朗読し、前もって提出した記者の質問への答弁書を見ながらの、経済財政音痴丸出しの『首相の器』が見えるか化した、いつものような空疎な首相会見であった。
1国のトップリーダー、国難突破力のある宰相というよりも、自民党代表の選挙対策本部長のような発言を連発し「民主主義は選挙であり、参議院選挙によって自公が過半数をとることによって国民の信任を果たしたい」との仰天発言には思わず、目が点となった。
政治家の責任は選挙に勝つことだけなのか、それでは単なる選挙屋、政治屋でとかわりないではないか。一国の総理大臣たるもの、国益を担う重責があり、もちろん国家破綻は絶対阻止しする最高責任者であり、しかも『構造改革』を国際公約を守る責任があり、日本経済の再生、構造改革が果たせなけれれば、その結果責任をとることが、トップリーダーの見識であり、責任感であろう。
つくづく≪宰相の器≫とは何かを考えさせられるいつもの会見であった。
それにしても記者の質問力、問題追及力の力不足というより、無力、非力にも、これも毎度のことながら一介の老記者の失望、落胆の度は大きかった。
明日の多くの新聞はこの空虚な会見録を同じように大きな紙面を割いてのせるのであろう。全く「新聞の死んだ日」だね。
新聞記者は聞いた話、会見での発表を伝えるだけの情報宅急便屋なのか。安倍首相の今回の『消費増税引き延ばし」の問題点を追及、質問をするのが仕事であろう。ただ黙って、大勢の新聞、テレビの記者たちがこのスピーチ作文を≪大本営発表よろしく』拝聴している姿に『日本沈没メディアコントロール空間』を見た思いである。
今、日本の目前に迫る最大の危機は、政府も国民も忘れ去っているのが『国家破産』『国家債務危機』である。今回の「『消費増税再延期』公約無視によって日本財政破たんのリスクは、いよいよ崖っぷちにきたといえよう。
債務危機で日本政府が切れる唯一の「カード」(ジャック・アタリ)http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20110125/258206/?ST=business&P=1
では今回の安倍首相の『消費増税再延期のリスク』とは一体何か。日経『大機小機』(6月1日付)では
① 政府債務残高が国内総生産(GDP)の2倍に達する先進国最悪の財政状況を改善する意志が日本政府にあるのか、日本経済は持続可能なのか、との疑念が国際的に大きく高まる危険性があることだ。日本国債への信認も崩れかねない。
② 内閣府が今年l月に経済財政諮問会議に提出した資料では、実質2%以上、名目3%以上の経済成長が中長期的に確保されるケースでも20年度に6・5兆円程度の赤字(GDP比マイナス1・1%)が残る。成長率が現在の潜在成長率並みの実質1%弱、名目1%台半ばで推移すると12兆円強の赤字となる。
③ 消費増税を財政再建目標年度の直前にまで再延期するとなれば「20年度黒字化」の大看板を下ろさざるをえないのではないか。
④ さらに年金、医療、子育て支援など社会保障制度の充実を目的とした消費税増税の先送りは、国民の将来への不安感を増幅し、家計の消費を一段と冷え込ませかねない。増税延期は景気を下支えするよりは、むしろ悪化させる公算が大きい。
と厳しく指摘している。
日経社説(6月1日付)―『成長と財政再建の両立を捨てるな』でも
「現役世代や高齢者が薄く広く負担を分かち合うのが消費税である。見逃せないのは、増税の再延期で巨額の財政赤字を放置し、子や孫の世代にツケを回すことだ。
当面、日本が財政破綻する確率が低いとしても、それが現実になった場合の日本経済や世界経済への影響は想像を超える。そのリスクが確実に高まったのではないか、と心配だ。
消費税が10%になる時点で政府は、約1・3兆円分の社会保障充実策を実施する予定だった。増税を見送り、財源のメドがないまま充実策を実施するなら無責任だ」とはっきり批判している。まさに正論である。
記者会見でも、この点を記者は突く質問をすべきなのに、一方的な『アベノミクス』の失敗を新興国や中国リスクの他国のせいにして、それを予測できなかった自己責任を転嫁した安倍首相の居直り弁明に終始し、財政再建の不足分をどう手当てするかの具体策は示すことが出来なかった。
このエンジン不足、『ガス欠状態のアベノミクス』が、なぜ2年半後に高い壁を突破できるのか、「無理が通れば、道理が引っ込む」「カニは甲羅に似せて穴を掘る、2度あることは3度ある、失敗を続ける原因は我にあり」という諺が浮かんできた。
自民・小泉進次郎氏「そんなおいしい話に若い人たちはだまされない」
http://www.sankei.com/economy/news/160531/ecn1605310042-n1.html
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