日本リーダーパワー史(533)安倍首相は「土光臨調」で示した田中角栄の最強のリーダーシップを見習えー『言葉よりも結果』
2020/06/10
『アベノミクスの土壇場』―
安倍首相は「土光臨調」で示した田中角栄の
最強のリーダーシップを見習えー
『言葉よりも結果を出すこと』
前坂 俊之(ジャーナリスト)
① 「アベノミクスの失敗」をこの「成長率のマイナス」の数字が証明しているのか。
●『2014年度の「実質成長率」は5年ぶりのマイナス成長に – ESP
http://news.mynavi.jp/news/2014/12/05/396/
●『7-9月期GDP統計2次QEはちょっとびっくりの下方改定
でマイナス成長幅が拡大!
http://blogos.com/article/100787/
➁ 国際競争力の低下、円安などによって日本の経常黒字は赤字に転落し、戦後最悪に落ち起こんでいるが、日中の経常黒字も大きく開くばかりで、直近の数字でみると中国は日本の7倍である。すでに4年前に日本を抜いて世界第2位になった中国のGDPはこの4年間で日本の倍になっているのだ。
◎「経常黒字4カ月連続、10月8334億円 円安進行が影響
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO80632400Y4A201C1EAF000/
◎<中国の貿易収支、11月は前年比4.7%増―予想下回る
http://jp.wsj.com/articles/SB10063842500352674697504580323874262781354
中曾根内閣では、竹下登蔵相、安倍晋太郎外相、後藤田正晴官房長官(のち行政管理庁長官、総務庁長官、官房長官)で、後藤田長官は五年間出ずっぱりで、行政改革に取り組んだ。その「土光臨調」(行革)の参謀役に入ったのが瀬島龍三である。瀬島は与党はもちろんのこと、野党にまで根回し。与党の場合には、各派閥の主だった人たちに完全に根回しをして、やっと物事は動いてきた。特に、最大の田中軍団の田中角栄本人の協力なくして実現は不可能だ。
以下は瀬島氏の証言(「祖国再生-わが日本への提案」瀬島龍三著、 P H P研究所、1997年刊、208-211P)
―「田中さんが金丸さんに、土光さんと瀬島を呼んで第二臨調の応援をしようと言ったらしい。そこで金丸さんから私に電話があった。私は土光さんに伝えたのですが、土光さんは政治家が嫌いなのです。なかなか「うん」と言わない。私は「やはり政権党の最大派閥の田中派を抜きにして、行革の実行はできませんよ」と申し上げた。ようやくのことで、「それじゃしょうがないから、出ようか」ということになった。
昭和五十六年(一九八一) の七月二十三日、田中派が、築地の「吉兆」で一席設けた。
瀬島が「吉兆」の二階の大広間に入ると、田中を囲んで二階堂進、金丸信、竹下ら田中派の番頭、幹部、メンバーが十人ぐらい座っている。まだ若かった橋本龍太郎(当時、自民党の行財政調査会長)も末席の方にいた。
床の間の席が二つ空けてあり、そこへ土光と瀬島が座った。それまで田中角栄を囲んで、喧々諤々やっていたのが急に静かになった。
瀬島の右に土光敏夫が座っていて、その真向かいに田中が座わっていた。
角さんはすっく立ちあがって座布団を裏返し、威儀を正して座って、非常に慇懃な態度で、きっぱりと言い切った。
「田中内閣を含めて、歴代自民党内閣がいろいろの不始末をやってまいりました。それをご高齢の土光さんに改革して
もらうことは本当に申し訳ない。臨調から出される答申は天の声と考え、田中派は全力を挙げてその実現に邁進します」。
そこまで言って、周囲を見まわし「お前たち、いいな」と念押してギョロ目をむいたのである。
この角さんの決断力とリーダーシップに瀬島は感動した。
実は少し前に目白の田中邸で田中角栄と会って、「非常によい答申だ。この実行については全面的に協力する」と約束していたが、まさか1席設けてここまでしてくれるとは思わなかったのである。この田中のリーダーパワーで、国鉄も電電の民営化も一挙に進んだのである。
現在のアベノミクスの進め方、財政再建、行政改革においても、安倍首相の強力なリーダーシップがなければ、最困難な「ナローパス」を突破することはできないだろう。
関連記事
-
-
速報(428)『日本のメルトダウン』●『大暴落後の日経平均はどうなるのか』『黒田緩和の困難な道のり』
速報(428)『日本のメルトダウン』 ●『 …
-
-
<裁判員研修ノート⑨> 『無実を訴えて62年』―加藤新一事件の再審で無罪判決が下る
無実を訴えて62年―加藤新一事件の再審で無罪判決 前坂 俊 …
-
-
産業経理協会月例講演会>2018年「日本の死」を避ける道は あるのか-日本興亡150年史を振り返る⑤
<産業経理協会月例講演会> 2013年6月12日 201 …
-
-
日本リーダーパワー史(304)『日韓外交衝突のルーツ』李氏朝鮮の攘夷思想で日本大使の拒絶、親書拒否で敵意を募らせ、征韓論が噴出
日本リーダーパワー史(304) 『日韓外交衝突の歴史を検証する』 …
-
-
速報「日本のメルトダウン」(488)「福島第一原発作業員座談会「汚染水処理現場はヤクザとど素人だけ」「氷の壁はフクシマを救えるか」
速報「日本のメルトダウン」(488) ◎「 …
-
-
『昭和戦後史の謎』-『東京裁判』で絞首刑にされた戦犯たち」★『 勝者が敗者に執行した「死刑」の手段』
東京裁判で絞首刑にされた戦犯たち ― 勝者が敗者に執行した「死刑」の手段― 前 …
-
-
見切り発車の「出入国管理法改正案」(12/8)ー政府は移民政策ではないと否定し、単純労働を含めた外国人労働者を5年間で34万人受け入れる方針』★『「ドイツは労働力を呼び寄せたが、来たのは人間だった」という教訓から学べ』
見切り発車の「出入国管理法改正案」 明治以来の人口政策の失敗の歴史を再び起こすの …
-
-
速報(399)『日本のメルトダウン』『3・11から丸2年』◎『北澤宏一、黒川清、船橋洋一各氏の記者会見動画』
速報(399)『日本のメルトダウン』 ● <まとめ> …
-
-
『日中韓150年戦争史年表』-『超大国・英国、ロシアの侵攻で「日中韓」の運命は? ―リスク管理の差が「日本の興隆」と「中・韓の亡国」を招いた』
日中韓150年戦争史年表 超大国・英国、ロシアの侵攻で「日中韓」の運命は? ―リ …