前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

『Z世代のための朝鮮問題講座」(上)★「日本開国の父」「民主主義者」「アジア解放の先駆者」福沢諭吉の義侠心からの「韓国独立支援」はなぜ逆恨みされたか「井上角五郎伝」から読み解く①」★最新刊「時事新報社主 福沢諭吉」(平山洋著、法律文化社、466頁 22年11月刊) は福沢研究の決定版、古典である」

   

 

「時事新報社主 福沢諭吉」(平山洋著、法律文化社、466頁 2022年11月刊)

は福沢研究の決定版であり、福沢の論説のすべてをデジタルチェック

して分析した画期的な著作である。福沢の「朝鮮問題」の論考を知るためにも

平山氏のこの先駆的な研究を出発点とする必要がある。

 2014/12/13     2015/01/01記事再録

<以下は「井上角五郎先生伝」(同伝記刊行編纂会、昭和18年刊、570P、非売品)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%95%E4%B8%8A%E8%A7%92%E4%BA%94%E9%83%8E

の『第2章、韓国顧問時代』(31Pより)から、転載する>」

 韓国顧問時代――『大院君の乱』

  明治十五年(二十三歳)、慶應義塾を卒業した年の十二月に、先生(井上角五郎)は重大な使命をおびて朝鮮に向かって出発した。

こゝに先生の巨大なる第一歩が踏み出されたので、これから四年間にわたって朝鮮半島文化啓発の大任をつくすと共に、我が大陸進出の先駆戦に従事したのであった。

  明治維新後、わが国力の発展に伸なって朝鮮との関係が重大問題となってきたことはいうまでもなく、早くも征韓論の激発を見たのであったが、其の後明治九年には日韓修好條約が成立して、我が国は率先して韓国を独立国として待遇したのである。

しかるに韓国の態度は相かわらず動揺、不安定で、朝鮮半島は日本・清国(中国)・ロシアの勢力角逐の場所となり、かつ、英・米・仏の諸国もまた野心の目標として虎視耽々たる状勢であった。

  福沢はつとに日本の国権を拡張するために、欧米の勢力が支那(中国)及び朝鮮に侵入するのを防止する必要を痛感し、なかんずく焦眉の問題として対朝鮮製策について考察し.たびたび「時事新報」にもその卓見を発表していた。

一方に後藤象二郎伯もまた征韓論を主張して下野した位であるから朝鮮問題には深い関心を持っていたので、両氏は互に意見を交換したが、手紙を以てするときは後日に残るところがあるので、総べて口上を以てし、その口上の取次役は先生(井上角五郎)に命ずるのが定例で、時によると先生は一日の中に数回も両邸の間を往復させられる事があった。

 
この使番を一年ばかりもやっているうちに、先生もすっかり朝鮮事情に通じ福沢翁、後藤伯の意見、また日本政府の朝鮮に対する方針をも知り、同時に朝鮮に対する関心も次第に高まるに至った。

アジア開国の父」福沢諭吉の「韓国独立支援」はなぜ 逆恨みされたかー日中韓が協力一致して西欧列強の侵略を防ごう②

https://www.maesaka-toshiyuki.com/person/51.html

 

『アジア開国の父』福沢諭吉の「韓国独立支援」なぜ逆恨みされたか③ー井上角五郎は孤立無援で新聞「漢城旬報」発行にまい進
https://www.maesaka-toshiyuki.com/person/49.html
 
福沢諭吉の「韓国独立支援」はなぜ逆恨みされたのかー<井上角五郎は韓国王から信頼され外衛門 (外務省)顧問に任命された>④
https://www.maesaka-toshiyuki.com/person/47.html

 

福沢諭吉の「韓国独立支援」はなぜ逆恨みされたか⑤ー朝鮮での最初の新聞「漢城旬報」を発行、清国からテロの危険が迫る
https://www.maesaka-toshiyuki.com/history/45.html

つづく

 - 人物研究, 戦争報道, 現代史研究

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

『オープン世界史講座』★『ウクライナ戦争に見る 歴史的ロシアの恫喝・陰謀外交の研究⑨』日露300年戦争(5)『露寇(ろこう)事件とは何か』★『第2次訪日使節・レザノフは「日本は武力をもっての開国する以外に手段はない」と皇帝に上奏、部下に攻撃を命じた』

  2017/11/19 /日露300年戦争(5)記事再録 前坂 俊之 …

『Z世代のための<日本安全保障史>講座⑥」★「ウクライナ戦争は120年前の日露戦争と全く同じ➂」★『日露戦争開戦2週間前の『ノース・チャイナ・ヘラルド』(1904年1月8日付) 』★『ロシアは極東全体の侵略を狙っており、日本はロシアの熊をアムール川の向こうの自分のすみかに送り返して,極東の平和と安全を,中国、朝鮮,日本人のために望んでいるだけだ』』

  2023/06/28  「Z世代のた …

日本リーダーパワー史(539)『ゾンビ日本』への警告➁「FOREIGN AFFAIRS REPORT」(2015年1月号)

 日本リーダーパワー史(539)   「FOREIGN AFFAIRS …

『オンライン/明治維新講義★『明治維新の元勲・大久保利通の性格は典型的な武士気質の「寡黙不言・決断断固実行型」★『ほとんど口をきかない。いつも葉巻タバコをふかし、全く寡黙で、周囲から恐れられた。』

    2016/11/09/ 日本リー …

no image
日本リーダーパワー史(653) 日本国難史の『戦略思考の欠落』(46)日清戦争開戦での中国側の対日観『日本の謀略がすでに久しいことを論ず』(申報)➡『中華思想、事大主義」から最後まで脱皮できない中国、この 日中異文化理解ギャップを知らないと何度でも誤る。

  日本リーダーパワー史(653) 日本国難史にみる『戦略思考の欠落』 …

no image
『忘れ去られた近現代史の復習問題』―『日清戦争の引き金の1つとなった『明治19年の長崎清国水兵事件とは何か』

  『忘れ去られた近現代史の復習問題』― 日清戦争の引き金の1つとなった『明治1 …

no image
世界/日本リーダーパワー史(962)ー『2019年は『地政学的不況』の深刻化で「世界的不況」に突入するのか,米中貿易協議(3/1)の行方はどうなる!?』➀

世界/日本リーダーパワー史(962) 前坂俊之(ジャーナリスト) 2018年12 …

no image
『リーダーシップの日本世界近現代史』(299)★『国家危機管理としての新型コロナウイルス対策、東京オリンピック開催中止問題を考える➂」★『歴史的教訓①ー約100年前の関東大震災直撃の際には「総理大臣」はいなかった』★『昭和史の教訓②国大といえども戦いを好む時は必ず滅び、(令和)天下安しといえども戦を忘るる時は必ず危うし(水野広徳)』』

 2011/04/06 / 日本リーダーパワー史(137)記 …

『Z世代のための昭和100年、戦後80 年の戦争史講座』★『日本の戦略思想不在の歴史⑴」★『日本で最初の対外戦争「元寇の役」はなぜ起きたか①』

  2017年11月13日、『リーダーシップの日本近現代史』(66)記 …

no image
速報(44)『日本のメルトダウンを止める』◎海外の視点、意見に目も心も開けー(米国、フランス、ベトナムなど)

速報(44)『日本のメルトダウンを止める』◎海外の視点、意見に目も心も開けー(米 …