新刊「日本史有名人の晩年」新人物往来社編 新人物文庫(667円)を出版しました。
新刊「日本史有名人の晩年」新人物往来社編 新人物文庫(667円)を出版しました。
前坂 俊之(ジャーナリスト)
いま日本の男女の平均年齢は80歳を超えており、65歳以上の人口も22%で、5人に1人がいわゆる高齢者となる、“超高齢化社会”を迎えています。40歳以上で計算すると、全人口の半分以上が中高齢者であり、その面で晩年をどう生きるかが最大のテーマとなっている社会と言っても過言でないでしょう。

「人生の極意は、晩年の生き方にあり」
「1日が暮れてはじめて、その1日がどうだったかわかるように、人生も老年となってはじめてわかる」-ともいわれます。
「代表的日本人はどんな晩年をすごしたのか」ーその人生の後半戦―晩年―ゴールインーエンディングスト―リー、臨終こそ、読者は自分自身のそれと重ね合わせながら最も関心を持つものではないでしょうか。
本書「日本史有名人の晩年」は江戸時代から現代までの著名人74人の知られざる晩年の喜怒哀楽に焦点をあてており、無類の面白さです。オーソドックスな伝記と違って、日本人の生き方、老い方を知るには格好の一書でもある。
このうちで私が担当執筆したのは
① 西園寺公望(92歳)▼「坐漁荘」で明治・大正・昭和の政治を動かした。
② 尾崎行雄(97歳)▼六十三年間の議員生活を送った憲政の神様。
③ 宇垣一成(89歳)▼陸軍大臣を務め、参院選挙トップ当選した。
④ 鈴木貫太郎(82歳)▼暴徒を避けて、三カ月に七回転居した。
⑤ 木戸幸一(89歳)▼A級戦犯で服役、出所後も沈黙を守ったー
の5本です。
以下、74人の人物は次の通り。
■目 次
<江 戸>
伊達政宗(70歳)▼病に苦しみながら伊達者の最期を全うした
支倉常長(52歳)▼妻子・家来・下僕を入信させ、病身を信仰に捧げた
新井白石(69歳)▼自分史に賭けた失意の晩年
田沼意次(70歳)▼老中罷免後の水面下の政争に敗北
水野忠邦(58歳)▼幕政改革に挫折し、失意の隠居生活
上杉鷹山(72歳)▼「なせば成る」で取り組む財政再建
島津重菱(89歳)▼気ままに生き、曽孫を愛した
宮本武蔵(62歳)▼癌に苦しみながら『五輪書』を書き上げる
絵 島(61歳)▼大奥粛正の人身御供となった配所暮らし
歌川広重(62歳)▼生涯、金の心配をしつづけた
暮飾北斎(90歳)▼百十歳まで生きて、絵筆をとろうとした
松尾芭蕉(51歳)▼望郷の思いに駆られた帰省の旅
小林一茶(65歳)▼信濃に帰り待望の家庭をもった
平賀源内(52歳)▼殺人を犯し、自害しきれずに獄中で病死した
伊能忠敬(74歳)▼せきや咳の持病を押して測量に没頭した
華岡清洲(76歳)▼麻酔実験で失明した妻を慰めつづけた
杉田玄白(85歳)▼晩年に、九つの幸福を得たと振り返った
貝原益軒(85歳)▼八十歳を超えて『養生訓』を執筆
本居宣長(72歳)▼紀州藩への仕官の陰に長男の完全失明
上田秋成(76歳)▼孤高自尊の姿勢で生き抜く晩年
塙保己一(76歳)▼借金にまみれた盲人学者の執念
宝井馬琴(82歳)▼天保の改革で断筆を決意するが
大田南畝(75歳)▼文人官吏として三度の公務出張
頼 山陽(53歳)▼死の当日に『日本政記』を完成させた
間宮林蔵(70歳)▼隠密は自分の心身に適った生き方
良寛(74歳) ▼若き女弟子との交流で華やぐ晩年
司馬江漢(72歳)▼交遊を断ち、独り悠々と生きる
<幕 末>
川路聖謨((68歳)▼江戸開城当日にピストル自殺
松平容保(59歳)▼孝明天皇内密の簾輪を肌身離さず保持した
徳川慶喜(77歳)▼子宝に恵まれ、晩年になるほど盛り上がった
山内容堂(46歳)▼波瀾の前半生の後、のどかな日々を送った
山岡鉄舟(53歳)▼十年契約で侍従になった朝敵の臣
飯沼貞吉(78歳)▼生き残った少年隊士の長い晩年
島津久光(71歳)▼菅を切らず漢方医を用いた儒教道徳の人
清水次郎長(74歳)▼心機一転、社会事業に尽力した侠客の晩年
ペリー(64歳)▼日本開国に成功し、『日本遠征記』を編纂した
ハリス(74歳)▼帰国後、絶えず日本に関心をいだいていた
<明治・大正>
井上 馨(81歳)▼熱血志士が権力を掴んでからの奇行かずかず
陸奥宗光(54歳)▼日清戦争を仕掛け、『蹇々録』で記録した
板垣退助(83歳)▼「板垣死すとも…」の名句で晩年を貫いた
後藤象二郎(60歳)▼愚直さに欠けるが、豪放に政界を遊泳した
伊藤博文(69歳)▼日韓併合を急ぐ政府に対してとった行動の謎
山県有朋(85歳)▼国民に不人気な権力者がしくんだ事件
山本権兵衛(82歳)▼不運に見舞われつづけた内閣
東郷平八郎(88歳)▼晴耕雨読から一転して政治介入
大山 巌(75歳)▼西洋式を貫くハイカラ夫婦
児玉源太郎(55歳)▼ひそかに宰相の座を待ち過労死
秋山真之(51歳)▼日露戦争後も秀才の本領を発揮
北里柴三輿80歳)▼伝染病研究所を去るも、所員全員に慕われた
野口英世(53歳)▼「どうも僕にはわからない…」が最後の言葉
正岡子規(36歳)▼生命ある限り、生き、食い、そして書いた
夏目漱石(50歳)▼晩年の生き様を自ら「則天去私」と示した
樋口一葉(25歳)▼「病人でも夏は暑い」と書き遺した
森 鴎外(61歳)▼退官を機に史伝に転じた文豪の気骨
石川啄木(27歳)▼借金まみれの一家を襲ったトラブル
岩崎弥太郎(52歳)▼嫡流を重んじた三菱財閥の総帥
渋沢栄二(92歳)▼ビジネスステーツマンの生涯を全うした
福沢諭吉(68歳)▼無位無冠、平民を通した
中江兆民(55歳)▼余命を知りベストセラーを書いた
白瀬 矗(85歳)▼南極探検の後始末に晩年を費した
田中正造(73歳)▼聖書と手帳、拾った小石三個が全財産だった
<昭 和>
西園寺公望(92歳)▼「坐漁荘」で明治・大正・昭和の政治を動かした
尾崎行雄(97歳)▼六十三年間の議員生活を送った憲政の神様
字垣一成(89歳)▼陸軍大臣を務め、参院選挙トップ当選した
鈴木貫太郎(82歳)▼暴徒を避けて、三カ月に七回転居した
木戸幸一(89歳)▼A級戦犯で服役、出所後も沈黙を守った
薄儀(62歳)▼ソ連軍に逮捕され、「人間改造」を受けた
種田山頭火(58歳)▼死場所を探しつづけた托鉢の旅
柳原白蓮(81歳)▼恋の逃避行でつかんだ第二の人生
甘粕正彦(54歳)▼満洲国の第一線に躍り出た影の男
湯川秀樹(74歳)▼ヒューマニズムを主張したノーベル賞受賞者
小林二二(84歳)▼梅田・新宿コマ劇場の完成を見届けた
石原裕次郎(53歳)▼病名は知らされずに、病魔と闘った
美空ひばり(52歳)▼大病の後、最後の東京ドームコンサート
前坂俊之▼静岡県立大学名誉教授
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