前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

W杯ロシア大会が6月14日から開催ー『ガラパゴス・ジャパン・サッカー」は「決定力不足ではなく「実力不足」/セルジオ越後』★『大迫が負傷交代…2試合連続ノーゴールの西野J、スイスに完封負け(6月8日)』★『何をいまさら、日本代表・西野監督「形はできている。あとは決定力」』

      2018/06/10

「ガラパゴス・ジャパン・サッカー」は勝てるのか

決定力不足ではなく「実力不足」/セルジオ越後https://www.nikkansports.com/soccer/column/sergio/news/201806100000089.html

 

大迫が負傷交代…2試合連続ノーゴールの西野J、スイスに完封負け(6月8日)https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180609-01654798-gekisaka-socc

良いところ無く完敗も…日本代表・西野監督「形はできている。あとは決定力」
http://www.goal.com/jp/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9/%E8%89%AF%E3%81%84%E3%81%A8%E3%81%93%E3%82%8D%E7%84%A1%E3%81%8F%E5%AE%8C%E6%95%97%E3%82%82%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BB%A3%E8%A1%A8%E8%A5%BF%E9%87%8E%E7%9B%A3%E7%9D%A3%E5%BD%A2%E3%81%AF%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%81%82%E3%81%A8%E3%81%AF%E6%B1%BA%E5%AE%9A%E5%8A%9B/1qo1ujj1078ds13b37qls13mlr
<以下の原稿は6月4日に書いたもの>

ワールドカップ(W杯)ロシア大会が6月14日から開催する。5月30日の西野新監督の壮行試合となったガーナ戦は期待せずに見ていたが、案の定、2-0で完敗した。

ハリルホジッチ前監督を2ゕ月前に突然解任した後の出場メンバー人選も戦術も決まらないままの「お粗末な状態」なので『負けに不思議なし』(野村克也監督の座右の銘)となった。「偶然に勝つことはあっても、偶然に負けることはない。失敗の裏には、必ず欠陥がある」というわけだ。

「ガラパゴス・ジャパン・サッカー」の「勝てない病」は、第一次的には日本サッカー連盟(JFA)のガバナンスの欠如、無責任体質にある。

JFAは前回(2014)のザッケローニ監督指揮のブラジル大会の惨敗(1分け2敗でグループリーグ敗退)の反省も総括も不十分のまま、八百長疑惑を報じられていたアギーレ氏を身体検査も十分せず監督に選んだ。その後、八百長疑惑に司法の手の伸びため、あわててわずか半年後の2015年2月に契約解除した。

今回の土壇場での2度目の解任劇についてハリルホジッチ前監督は4月27日に記者会見して「(解任の理由となった代表チーム内の監督と選手のコミュニケーション不在)は自分なりに努力して問題があるとは思っていなかった」、「試合、戦術について西野朗氏から何ひとつ指摘は受けていない」と両者のコミュニションの断絶が浮き彫りになったが、JFAのガバナンスとマネージメント、コミュニションの欠陥を見せつけた。

もう1つは誰もが指摘している事だが、日本サッカーの勝てない最大の要因は個々の体力、体格、フィジカル不足と同時にそれを克服する戦略、戦術がないためだ。

シュートを打たない、打っても入らない、外す名手ばかりの決定力不足、フォワードのストライカーがいない、攻撃型のチームではないのである。これも長年の宿題だが、先送りされたままで、本気で育成しようとしていない。

野球で言えば、ホームランバッターはおらず、打率1割以下の三振打者ぞろいで、敵のミスに乗じて空砲と弾丸の真っ直ぐ飛ばない足鉄砲をもって毎回試合に臨み『下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる』の無戦術なのである。

「百発百中の砲一門は百発一中の砲百門に勝る」

—これは日露戦争の天王山の日本海海戦<1905年(明治38)5月>で有名な東郷平八郎元帥の言葉だが、この猛訓練によって日本海海戦ではロシア艦隊27隻の戦艦、巡洋艦、駆逐艦のうち9割を撃沈、捕獲して、日本側損失は水雷艇3隻のみという世界の海戦史上で空前絶後の完全勝利を収めた。

いわば、W杯で最強国ロシアを30対0で勝ったようなものである。この歴史的な故事と比較しなくても、これまでは『賞味期限のとっくに切れた、ビッグボイス」の本田がエース役で前線でボールをキープし配給役になり、香川、岡崎らフォワード陣が攻撃するパターンだが、その次のエースストライカー、決定力のある選手が育っていない。

今回も「オールドプレイヤ―や故障者総出」の『負けに不思議なし」のチームづくりである。

それならば世界中からスカウトして引っ張るしかない。ヨーロッパの各リーグチームはこれをやっているが、日本では移民政策を拒否している国柄だけに、できないのである。

その点で、日本サーカーは全員前がかりで攻めて点を取りにいく、攻撃サッカーではなく全員参加型の守りを固めてパス回しで、相手のスキをついてゆっくりスローモーに攻めていくプロセス重視のサーカーである。

それも横パス、後ろパス、スローパス、ショートパスでつなぐだけ。攻撃精神に欠ける責任回避のパスが多い、後半のロスタイムになってもスローモーな試合運びは見ている方はイライラしっぱなし。

決定的にスピードに欠けており、パスミスを奪われて、一瞬にワンツー、ツー、スリーくらいでスピード失点するケースが多い負けパターンである。

このパス回しサッカー、「決断力なし、みんなでがんばります」サッカーは責任回避のパス回し、結果責任は問われず、負けると「すいません」の謝罪だけですむのがガラパゴス・ジャパンの「和を尊ぶ」基本システムであり、日本の政治、行政、企業、社会全般にわたる共通行動形式であり、「日本病」でもある。「会議漬け、会議だらけ」「全員、鳩首会議」を長時間ガンバってやれば仕事をした気になっている。

個人力で積極的にドリブルでも仕掛けて突破して得点する乾貴士選手のような選手は数少ない。

南アフリカ大会(2010)では日本チームは16位に食い込む健闘を見せたが、この8年間で世界一の超高齢社会となった「ガラパゴス・ジャパン」の国際競争力ランキングはサッカー同様に低下の一途である。

今回の代表選手は実力、得点力よりもW杯経験組の過去に活躍したオールドメンバーが中心で、若手にチェンジできていない。

今大会の選手の平均年齢比較では出場32チーム中で日本は19位(平均27.5歳)、現世界王者で、優勝候補の筆頭のドイツは25.7歳で2位、世代交代に成功したイングランドも25.9歳で3位と非常に若い。

ロシア大会は果たして『負けに不思議なし』となるのか、メジャーリーグで大活躍する大谷選手と共に目が離せない。

最新のFIFAランキングではスイスは6位、日本は順位を下げて61位。

ロシア大会で日本と同組のポーランドは8位、セネガルは27位に順位を上げ、コロンビアは16位をキープしている。

ロシア大会は『負けに不思議なし』となるであろう。

一方、メジャーリーグで大活躍する大谷選手は右手中指のまめの負傷で故障者リストに入った。これもフォークを投げすぎの『ケガに不思議なし」であろう。楽しみが、またなくなってしまったよ。

エンゼルス大谷、右肘の靱帯損傷 初の故障者リスト入り
https://www.nikkei.com/article/DGXLSSXK60008_09062018000000/

 

 - 人物研究, 現代史研究, IT・マスコミ論

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
『リーダーシップの日本近現代史』(69 )記事再録/『中国紙『申報』からみた『日中韓150年戦争史』㉚『日中韓のパーセプションギャップの研究』★「日本の中国異端視を論ず」(申報、1887年6月3日付)」★『中国人の思考形式、中華思想と西欧列強(日本も含む)のパーセプション(認識)ギャップ(思い違い)がどんなに深いかがよくわかる。』

    2014/08/02/『中国紙『申報』から …

no image
百歳学入門(110)世界が尊敬した日本人ー数百億円を投じ仏教を世界に布教した沼田恵範(97歳)

百歳学入門(110) 世界が尊敬した日本人 数百億円を投じ仏教を世界に布教した沼 …

『F国際ビジネスマンの『世界漫遊・ヨーロッパ・カメラ・ウオッチ(17)』★『オーストリア・ウイーンぶらり散歩⑦』(2016/5)★『世界遺産/シェーンブルン宮殿』その広大な庭園に驚く(下)」』

    2016/05/31  『F国際ビジネスマ …

『世界漫遊/ヨーロッパ・パリ美術館ぶらり散歩』★『ピカソ美術館編」(5/3日)⑥『「ピカソはオルガ・コクローヴァーの完璧な無表情と平静さを湛えた美しさを数多く肖像画に描いている』

  ‏  2015/06/01  『F国 …

★10 『F国際ビジネスマンのワールド・カメラ・ウオッチ(169』『オーストリア・ウイーンぶらり散歩③』国立歌劇場見学ツアーに参加した』

★10 『F国際ビジネスマンのワールド・カメラ・ウオッチ (169)』 『 ウイ …

no image
(まとめ)—近代日中関係の創始者・孫文と『支援した熱血の日本人たち』—辛亥革命百年秘話

(まとめ)—近代日中関係の創始者・孫文と 『支援した熱血の日本人たち』—辛亥革命 …

no image
世界/日本リーダーパワー史(917)米朝首脳会談開催(6/12)―「結局、完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)は先延ばしとなりそう』★『米朝会談の勝者は金正恩委員長か』(上)

米朝首脳会談開催―「すべてはこれからはじまる」 前阪俊之(静岡県立大学名誉教授) …

no image
『F国際ビジネスマンのWサッカー・ウオッチ㊲』 【ミラン本田が初アシスト、本田がどう挑むか見物です」

   『F国際ビジネスマンのWサッカー・ウオッチ㊲ …

日本リーダーパワー史(924)-人気記事再録『戦時下の良心のジャーナリスト・桐生悠々の戦い①』★『関東防空大演習を嗤う」を書いて信濃毎日新聞を追われる』★『以後ミニコミ雑誌『他山の石』で言論抵抗を続けた』

年1月26日記事再録  日本リーダーパワー史(33)戦時下の良心のジャ …

no image
『オンライン/真珠湾攻撃(1941)から80年目講座①』★『この失敗から米CIAは生れたが、日本は未だに情報統合本部がな<<3・11日本敗戦>を招いた』★『2021年、新型コロナ/デジタル/経済全面敗戦を喫している』(上)』

    2011/09/09 &nbsp …