野口 恒のグローバル・ビジネス・ウオッチ③『コンテンツ産業で急がれる海外で稼げるビジネスモデルの構築』
ただ、日本のコンテンツ産業・最大の弱点は、海外でも人気のある数多くのキャラクタ-ブランドを持ちながら、これまで国内市場にのみ目を向ける余り、海外市場の開拓を積極的に取り組んでこなかったことである。
そのため、日本のコンテンツビジネスは海外で稼げるグロ-バルビジネスに成長していない。日本のコンテンツ産業の海外輸出比率は5%程度で、米国の18%の3分の1以下である。
日本のアニメ産業が成長していくには海外市場の開拓が大きな目標になる。幸いなことに日本のアニメキャラクタ-は海外で非常に人気があり、ドラゴンボ-ル、セ-ラ-ム-ン、ポケモン(ポケットモンスタ-)、キティちゃん、マリオ、ピカチュウ、ドラえもん、マジンガ-Z、仮面ライダ-、NARUTO、忍者ハットリくんなど数多くのブランドが海外で受け入れられている。せっかくこれだけ多くの海外で人気のあるキャランタ-ブランドを持ちながら、これまで海外市場開拓に熱心でなかったのが不思議なくらいである。
タカラトミ-は人気キャラクタ-の「ポケモン」の玩具を日本・アジア・欧米など世界市場で企画・販売する権利を取得し、ブランド戦略・商品化戦略・マ-ケティング戦略・ライセンス戦略を有機的に結合し、統一したビジネス戦略を効果的に展開することで海外市場の開拓を進めている。
これまでこれらのビジネス戦略がバラバラに行なわれていたため、海外市場の開拓や海外収入の確保という面で大きな成果が生まれていなかった。統一した世界戦略と現地に適応した現地化戦略を巧みに組み合わせたビジネスモデルをどう構築するかが今後の課題になる。
舞台はインド最大の都市ムンバイで、星飛雄馬ならぬ主人公のインド人「ス-ラジ」が挑むのは野球ではなくインドで人気のクリケットだ。ディズニ-社の場合、自社の作品の変更・修正・リメ-クは一切認めておらず、ブランド・商品化・ライセンス・マ-ケティングまで本社主導で完全にコントロ-ルされている。
この作品は、玩具(タカラトミ-社)、アニメ(多彩なアニメ作品)、ゲ-ム(ニンテンドウ、プレイステ-ション)、映画(マイケル・ベイ監督による日米共同制作)、テレビ番組(日本テレビ、テレビ東京)などの複数のメディアで「ワンソ-ス・マルチユ-ス」で商業展開されて成功を収めている。トランスフォ-マ-の世界的なメガヒットは、マルチメディアのシリ-ズ作品において日本企業だけでなく日米合作で作ったことが大きな成功要因だ。
関連記事
-
-
日本リーダーパワー史(727)★(記事再録)『アジアが世界の中心となる今こそ120年前の 大アジア主義者・犬養毅(木堂)から学ぼう 』一挙、25本の記事全部公開する!
日本リーダーパワー史(727) アジアが世界の中心となる今こそ12 …
-
-
<裁判員研修ノート③>全告白『八海事件の真相(下)』<昭和戦後最大の死刑冤罪事件はこうして生まれた>③
全告白『八海事件の真相』(下) <死刑冤罪事件はこう …
-
-
速報(108)①『放射線、内部被ばくの恐るべき脅威―児玉龍彦東大教授』『②細野豪志・原発事故担当相のステップ1が実現』
速報(108)『日本のメルトダウン』 ☆☆★★(必見の動画対決)①『放射線、内部 …
-
-
★『地球の未来/明日の世界はどうなる』< 東アジア・メルトダウン(1080)>『トランプ対金正恩の「悪口雑言」で米朝開戦 となるのか?』★『ロケットマン×過去最大級の水素爆弾の実験と応酬』●『「第3次大戦の危機もたらす」有力議員がトランプ氏批判 』
トランプ対金正恩の「悪口雑言」で米朝開戦 となるのか? 「『HUF …
-
-
[ Z世代のためのAI(人工知能)を上回る天才脳の作り方①」★『世界天才老人NO1・エジソン(84)<天才長寿脳>の作り方』ー発明発見・健康長寿・研究実験、仕事成功の11ヵ条」(上)『隠居は非健康的である。死ぬまで研究、100歳までは引退しない』
2018/11/23 記事再録 百 …
-
-
『Z世代のための帝王学の研究①』★『天皇皇后両陛下はチャールズ英国王の招待を受けて、6月22日から8日間,イギリスを公式訪問される。」★『歴代天皇で最初に外国訪問をされたのは昭和天皇が皇太子(19歳)時代の1921年(大正10)3月から、約半年間にわたってヨーロッパを視察された』
天皇皇后両陛下はチャールズ英国王の招待を受けて国際親善のため、6月22日から8日 …
-
-
<新刊> 「写真で読む「坂の上の雲」の時代」 (世界文化社)で「日清戦争はなぜおこったか」を執筆
<新刊刊行> 「写真で読む「坂の上の雲」の時代」 …
-
-
『リーダーシップの日本近現代史』(246)/記事再録★『なぜ1940年(昭和15 年)の東京大会は幻のオリンピッ クに終わったのか』★『グローバリズムの中での『大相撲騒動』の行方はー 「アジアの田舎相撲」か「国際競技・SUMOU」への分かれ目、瀬戸際にある』
2017/12/14 日本リーダーパワー史(8 …