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日本リーダーパワー史(978)ー「米中貿易5G戦争勃発」★『五四運動から100年目、文化大革命(1989年4月)から30年目の節目の年。その五四運動百周年記念日の数日後に米中関税交渉が決裂したことは、「歴史の偶然なのか、必然なのか」気になる!?』

      2019/06/09

「米中貿易5G戦争勃発」

米中関税交渉はついに決裂し5月13日、米国は第4弾の追加関税を発動し、約3000億ドル(約33兆円)分の中国製品に最大25%の関税を課すと発表した。この結果、過去3回分を含めると、ほぼ全ての中国製品の関税が上乗せになり世界経済に暗雲が立ちこめてきた。中国も、即日600億ドル分の米国製品に最大25%の関税を引き上げて、チキンレースとなった。

今回、米国は中国の主力輸出製品のスマホ、ノートパソコン. ゲーム機などのハイテク高価な消費材にマトを絞り「世界の工場」中国のサプライチェーン(供給網)をストップさせる揺さぶりをかけている。

ほぼまとまっていた合意案を習近平国家主席はなぜ土壇場で大幅に修正したのか?

中国の基本原則は中国共産党体制の維持。その「国家の核心的利益政策」で建国百周年の2049年までに世界一の製造強国を目ざし、IoT、AI(人工知能)などハイテク分野に約50兆円の巨額の補助金を投入する「中国製造2025 計画」(中国の夢)を進めている。

これに待ったをかけた米国は同計画の補助金の全廃を要求、中国側は『内政干渉』ときびしく反発したが、一応国の補助金は撤廃する、知的財産権で外資の参入と保護を認める外商投資法を改正して歩みより妥協。ところが、米国側は、さらに地方政府の補助金も全廃せよとせまったため決裂した、という。

産業補助金は、共産党体制の経済政策の根幹で、各国とも大なり小なり行っている政策で、中国側は国家のメンツ(中国の夢)を潰された。19世紀のアヘン戦争以来、列強の植民地の犠牲となった屈辱の歴史を晴らすのが「中国の夢」。しかも今年は中国共産党が誕生するきっかけとなった五四運動(反帝国主義運動)から百周年、文化大革命(1989年4月―6月に民主化を求める学生たちと軍が天安門広場で衝突し多数の死傷者を出した事件)から30年目の節目の年。五四運動百周年記念日の数日後に米中関税交渉が決裂したことは、「歴史の偶然なのか、必然なのか」気になるところだが、米中覇権争いの転換点を迎えたということだろう。

トランプ大統領の強圧、威嚇に対して中国では愛国運動、自力更生(社会主義革命と建設を主として自己の力によって遂行)運動が盛り上がってきており、メンツをかけたこのガチンコ勝負は簡単に納まりそうにない。習近平主席は「1年半後の米大統領選の結果まで持久戦とするのではない」、習近平氏は「行くも地獄 戻るも地獄」のジレンマに落ち込んでいるとも、いわれる。

「一帯一路」経済構想(中国貿易共栄圏)は5G(5世代通信)のファーウェイ(華為技術)が基盤通信網なので、そこを狙って同15日、トランプ氏は米大統領は「情報通信技術の保護に係る大統領令」に署名した。米商務省はファーウェイに対する米国製ハイテク部品などの禁輸措置を発表した。

商務省によるは使用禁止の対象となる企業は米国、日本、アジアを含めて約70社にのぼるとみられ、米中関税戦争は5G覇権戦争にエスカレートし、い、さらに「米中新冷戦」の発展したわけだ。

ハーウェイは「アメリカの消費者への影響が大きい。当社への影響は軽微で、今後は半導体などの基幹部品は自社開発取り組む」と表明している。

日経新聞(5月16日)によると、同社は世界92社(アジアが6割)から670億ドル(約7兆円)の部品を調達しており、特に基幹部品の半導体では米企業から100億ドル規模を輸入、日本からの輸入も6700億に上る、という。

米半導体大手のクアルコムやインテル、ブロードコム、マイクロソフトなどはファーウェイへの出荷をやめるといい、日本側の11社は富士通、ソニー、パナニック、村田製作所などが、対応に追われている。

また、ロイター(5月19日)によると、「グーグルもファーウエイとの取引を停止。ファーウエイのハードウエアではグーグルのアンドロドOS最新版や、今後販売されるファーウェイ端末は、Google PlayストアやGメールアプリにアクセスできなくなる」とも伝えている。

中国国内ではグーグルの主要なアプリは使用できない仕組みになっているが、中国以外の国々でハーウエイを使うとグーグルのアプリ、サービスが受けられなくなるために、ファーウエイへの影響は大きいと思われる。

米政府はファーウェイ製品の採用を控えるよう各国に圧力をかけている。イギリスやフランス、ドイツ、ギリシャ、イタリアなどのEU各国をはじめアジアや中南米、アフリカなどの多くの国がファーウェイ支持側に回り、米国側につくのはカナダ、オーストラリアとニュージーランド、日本くなどと真っ二つになっている。

国際通貨基金(IMF)やスイス金融大手のUBSの調査ではこの関税戦争で、中国経済の成長率を1,2-2.0ポイント、米国経済も0,2ポイント押し下げる、さらに長期化すれば米中貿易は30~70%も落ち込むとの予測もあり、世界経済の先行き、自由貿易の先行きに巨大な暗雲が立ち込めてきた。

1930年時代に米国発の世界恐慌から、西欧列強が植民地をブロックして関税障壁をめぐらせる「ブロック経済化」が進み、第2次世界大戦の引き金になった悪夢がよみがえってくる。6月末に大阪で日本が議長国となるG20が、世界経済のターニングポイントになりそうだ。

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