前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

『世界サッカー戦国史』④『西野サッカーはベスト16位に辛くも食い込み、さらにベルギー戦(7/3)での奮戦が期待される』★『西野監督の「名将」の証ーポーランド戦最後の15分間でコロンビアの勝利にかけた決断力(勝負勘)こそ、2次リーグへの突破を決めた名将の戦略』

      2018/07/16

『世界サッカー戦国史』④

前坂 俊之(ジャーナリスト)

予選敗退確実とみられていた西野サッカーはベスト16位に辛くも食い込み、7月3日のベルギー戦での奮戦が期待される。これまでの戦いは事前の予測を覆す大健闘と言いえるし、西の采配が光り、今後の日本サッカーのレベルを1段と引き上げたことはまちがいない。

これまでの試合をふりかえると

コロンビアとの緒戦では日本はいきなりPKのラッキーに恵まれた。しかもコロンビアのハンドでMFが一発退場という2重のオマケつき。これをベテラン香川が確実に決めて1点先取、一挙に試合の流れを有利に進めた。

それからコロンビアの猛攻が始まったが、サイドの攻防で原口と長友が踏ん張ってコロンビアのスピーディな足を止め、ディフェンス陣、大迫まで全員総がかりの懸命の守りで得点を許さなかった。

後半にコロンビアに一瞬のスキを突かれて同点にされたが、すぐ投入された本田のコーナーキックを大迫がヘッドで見事に決めて強豪コロンビアを2-1で撃破した。

W杯で南米チームをアジア勢が破ったのは大会史上初めてという。

http://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=42407

https://the-ans.jp/news/26913/

W杯出場組のベテランを要所に配して、日本のお得意の守備に徹しながら、丁寧なパス回しで、少ないチャンスをものにしてワントップの大迫の決定力に賭けた西野戦略が成功した。相手の歴史的ミスと勝利の女神が日本の味方をした辛勝といえよう。

2戦のセネガル戦では

勝てば早々に2回戦進出が決まる最重要な試合だった。決戦となるといつも日本は弱い。日本の持病の『決定力不足』とミスが再発し、この試合を分けた。前半11分に川島のパンチングのミスで出た。

http://www.sanspo.com/soccer/news/20180625/jpn18062518030085-n1.html

これを西野が抜擢したドリブル突破力、得点力のある乾の一撃で1-1に戻すと、

これまた後半残り20分で投入したホンダがコーナーキックのボールをゴールに決めて2-2の同点に追いついた。「ビッグボイス」と批判の絶えなかった本田が決戦の土壇場で『結果力』を示した。

勝つことはできなかったが、セネガルとの実力差は歴然で弱体チームを率いた引き分けにも持ち込んだのは西野の戦略、采配の勝利と言えるだろう。

本田圭佑がセネガル戦で日本人初の3大会連続ゴール
https://www.nikkansports.com/soccer/russia2018/news/201806250000048.html

http://www.chunichi.co.jp/article/worldcup/russia2018/news/CK2018062602000157.html

ここでも、ポーランドの攻撃力は弱く、鉄壁の防衛陣ンの守りで令のパス回しで何度かチャンスはあったが、決定力がなく、後半にポーランドに先制点1を許した。前回ミスをした川島守護神を変えなかったが、西野監督のその信頼に答えて、川島はスーパーセーブで失点を最小限度におさえた。

これで負ければ二次リーグの進出に赤ランプが灯った。コロンビア対セネガルの試合が後半の終了15分前にコロンビアが1-0でセネガルに勝っており、このままコロンビアが勝てば、フェアプレイ点でセネガルを上回り日本が2回戦に進出できることが分かった。

http://www.goal.com/jp/%E8%A9%A6%E5%90%88/%E3%82%BB%E3%83%8D%E3%82%AC%E3%83%AB-%E5%AF%BE-%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%93%E3%82%A2/970kuscu5xzn5zx9k2l4508o9

西野監督「名将」の決断力、結果力

西野監督は即座に決断し、内田を急きょ投入し、危険を冒してせめてファールから失点するケースをさけて、パス回しでポーランド側にボールを渡さず時間稼ぎの戦術に転換した。場内からは大ブーイングが鳴りやまない。日本側サポーターからも『なぜ攻めないか』の批判も出た。世界中のメディアからはバッシングを受けた。

長谷部「真実は結果の中にしかない」 負けているのに消極ボール回し、一か八かの戦術の功罪

https://www.sankei.com/sports/news/180629/spo1806290052-n1.html

警告2枚差で日本歓喜 フェアプレーポイントとは https://www.nikkansports.com/soccer/russia2018/news/201806290000029.html
日本-ポーランド戦ラスト10分に海外も様々な反応
https://www.nikkansports.com/soccer/russia2018/news/201806290000675.html

 

この最後の15分間で時間切れでコロンビアの勝利を見抜いた「一か八で」勝負に出た西野監督の決断力(勝負勘)こそ、2次リーグへの突破を決めた戦略勝利であった。西野監督は「凡将」ではなく「名将」のこれが証である。
オリンピック、W杯などは参加するだけではなく、上位入賞、トップを目ざさない国はない。ましてや、ドーピングを組織的にやったロシアなど各国が批判する資格などはない、(中国も韓国も)
なぜなら、これはルール違反の行為ではなく、各国でもやっている試合戦術の1つであり、フアンに申し訳ないなどと謝罪の言葉など不必要である。
勝負の世界では➀勝負に勝って試合に負け②試合に負けて勝負に勝った③負けるが勝(負けるとその後は奮起して勝つ、④勝とおごりが生じて負けに通じる➄負けえ惜しみの遠声などなど、いろいろのことわざがある。

西野監督はベスト16位からもう1歩前に進みたいので、この戦略をきめた」だけであり、このような批判の声は承知の上の決断、正論であろう。

日本は「武器を持ち合わせているのか…」 英紙が“16強格付け”で日本を最下位に

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180701-00028197-theanswer-socc

つづく

 - 人物研究, 現代史研究, IT・マスコミ論

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
 ★『アジア近現代史復習問題』福沢諭吉の「日清戦争開戦論」を読む』(6) 「北朝鮮による金正男暗殺事件をみていると、約120年前の日清戦争の原因がよくわかる」●『『日本人も東学党の乱を他国の内乱と見過ごすことなく、朝鮮が自カで鎮圧でき なければ、我兵力を派兵する覚悟が必要だ』

   ★『アジア近現代史復習問題』・福沢諭吉の「日清戦争開戦論」を読む』(6) …

no image
日本リーダーパワー史(137) 関東大震災での山本権兵衛首相、渋沢栄一の決断と行動力に学ぶ

 日本リーダーパワー史(137) 関東大震災での山本権兵衛首相、渋沢栄一の決断と …

no image
日本リーダーパワー史③・女に殺された初代総理大臣伊藤博文

  女に殺された伊藤博文                             …

no image
★『鎌倉釣りバカ人生30年/回想動画記』⓹★『鎌倉カヤック釣りバカ/筋トレ/海上禅」!』★『鎌倉ロハス・地産地消・釣ったカワハギを絶品「健康カワハギ茶づけ」にする。して、100歳めざせ

  2014/11/18  百歳学入門(102)記 …

no image
日本メルトダウン(1003)―『トランプ「IT会談」全詳細/官邸ホットラインはティール主導で』●『「世界で最も影響力のある人物」ランキング プーチン大統領が4年連続の首位』★『世界のIT長者 日本からZOZO前澤社長が資産2,600億円で初ランクイン』●『東京23区「平均年収ランキング」圧倒的1位は902万円の……』●『東京23区「平均年収ランキング」圧倒的1位は902万円の』★『「英語力ランキング」日本30位で韓国下回る 政府の教育支出が低すぎ?』●『「世界人材調査」日本は61カ国中26位(語学力ワースト2位)、韓国総合31位、中国40位』

     日本メルトダウン(1003) トランプ「IT会談」全詳細 官邸ホットラ …

no image
終戦70年・日本敗戦史(107)英国、ロシアの侵攻で「日中韓」は「風前の灯火」に! 国家危機管理能力が「日本興隆」と「中韓亡国」を分けた②

終戦70年・日本敗戦史(107) <歴史とは現在への過去形である>70年前の太平 …

no image
日本近代史の虚実「山県有朋の外交音痴と明石元二郎伝説➀」ー「安倍/プーチン/ロシア外交と100年前の山県外交との比較インテリジェンス」★『戦争に備える平和国家スウェーデンのインテリジェンス』

  「日本の政治を牛耳った山県有朋の外交音痴と明石元二郎伝説」     …

no image
百歳学入門(158)★『昭和戦後日本経済成長の立役者』松下幸之助(94) 『病弱だったことが私の成功の最大の秘訣!ー『私1人でできんのでみんなに任せてやってもらった。」

百歳学入門<158> 『昭和戦後日本経済成長の立役者』松下幸之助(9 …

no image
『 地球の未来/世界の明日はどうなる』-『2018年、米朝戦争はあるのか』⑤『“認知症疑惑”が晴れてもなお残る、トランプ大統領の精神状態に対する懸念』★『トランプに「職務遂行能力なし」、歴代米大統領で初の発動へ?』★『レーガン元大統領、在任時に認知症の兆候 息子が主張』★『ブッシュ政権酔態、飲酒再開?プレッシャーに負けた 20代から深酒、乱闘で逮捕歴も 』

『2018年、米朝戦争はあるのか』⑤ 大統領1年で「うそ」2140回、1日平均6 …

no image
速報(417)●『安倍外交は粘り腰が必要なところで、オウンゴール。靖国で中韓と紛争を続けるのは愚の骨頂』

 速報(417)『日本のメルトダウン』 ●『安倍外交は柳腰、粘り腰が必 …