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日本リーダーパワー史(620) 日本国難史にみる『戦略思考の欠落』 ⑭『福島安正のインテリジェンス『日本は清国と共に手を取り合ってやって行ける国ではない』

      2015/12/08

 日本リーダーパワー史(620

 日本国難史にみる『戦略思考の欠落』 ⑭

『福島安正のインテリジェンスが日清,日露戦争の

勝利の主因③

福島のウルトラ大作戦とその結論は『日本として、清国は共に手を

取り合ってやって行ける国ではない』

                                                       前坂 俊之(ジャーナリスト)

<以下は島貫重節「福島安正と単騎シベリア横断」(原書房、昭和54年刊)、

豊田穣『情報将校の先駆・福島安正』(講談社、1993年刊)などを参考にした>

福島安正は副島外務卿と榎本公使を上回る「清国情報調査」の名案はないものかと知恵をしぼった。広大な清国を自分1人で、または数人の日本側で調査するよりも清国陸軍の情報収集の責任者を取り込んで、調査班を作らせ両国で当たる奇策を編み出し、単騎シベリア横断にみるごとく大胆不敵な実行力で取り組んだ。そのため、福島大尉が清国の兵部衛門(陸軍省に当る)の呉上尉(大尉)と仲良くなり、彼を工作したのである。

以下は島貫重節「前掲書」から引用する。

福島は呉上尉に「私は日本の参謀本部という役所で日本陸軍の組織制度、部隊編成、兵力装備、部隊配置、食糧補給、経費支出等の一切について誰にでも一見すれば判る方法を研究して、その仕事をやっていた」と打ち明け、

「例えば君は上官から清国軍の現状を聴かれたときに、即座に正しい資料を持参して、これに答えることができるのか」と聞いた。

彼は正直に、「清国は広いので清国軍の情報を集めるだけで一年以上の日数が要る。これをまとめている間に既に変ってしまう。そんな器用なことはできない」と答えた。

福島大尉は「いや、今や世界は進歩して、やり方によってはこれが可能なのだ。君が清国軍でこの新式調査方法を作り出すことに成功したならば、君は直ちに昇進、給与も増える。現に日本ではこの私がそうだったのでいつでも教えてやる」と誘った。

数日後、呉上尉がひそかに福島大尉を訪ねてきて、教えてほしいと懇願した。

福島は「私が教えよう。日清両国親善のためにも役立つし、君の出世にもなる。ただし新しい時代の新方式は、君一人だけに教えてもできるものではない。多人数でシステマチックにやる必要がある」と彼の部下たちも一緒に教育指導して、調査方式も約1ヵ月以上にわたって講習した。

そして、福島は11名の清国官吏を部下に持ち、兵部衛門の一室を提供され清国軍調査書の編集作業に従事したのである。

福島は報告書を提出する各地方の出先機関の定期報告が正確かどうかを確認することが最も重要だとし、関係者を同行して各地(各省)の総督、巡撫、将軍、都督といった地方長官府を歴訪してその実態調査と報告書の作成方法などを手取足取りで教えて回った。

この結果、短時間で「清国兵制類集」(全65巻)に及ぶ一大調査書を完成するという離れ業を演じたのでる。さらに「四声連珠」(支那人の民族性、風俗、習慣などの文化人類的な考察と支那語の実用会話集(10巻)の労作まで作ってしまった。

「福島大尉の報告書の全紙数(ページ数)を支那駐在間の日数で割り算すると、平均一日に数十ページとなる」という超人的な業績を作り、この「清国実力調査に関する一大報告」を受けた山県参謀本部長は「福島のインテリジェンス」に驚嘆した。これが「隣邦兵備略【年次版)」と並んで、参謀本部の「清国戦略本』になったのである。

福島大尉の情報収集による清国軍の兵力は次のとおりである。

八旗兵……約30万人

蒙古兵……約10万人

緑旗兵……約47万人

合計  約87万人

  1.  「この数字を詳細に点検すると、兵力は過大報告の集計に過ぎず、有名無実なものが概ね半数。また比較的新式の装備をして訓練が整っているものはこの兵力の約三分の一程度で、実質兵力は約30万人と見ていた。

30万人は大兵力と思われるが、日本の約30倍の広大な清国(人ロは約3億6千万)を防衛するには最低ラインの数字である。

また清国には有事の動員拡充の制度もなく、特に国民の有事訓練はおろか、国家としての有事の場合の対策は皆無に近いと断定して、結論は清国陸軍は恐れる相手ではないとの判断を下している。

   清国の一大弱点とは、一体何か。福島はその急所をずばりと指摘する。

国での公然たる賄賂(わいろ)の横行であり、この悪習は清国の持病の百悪の根源をなしているのに、清国人は平気で何等の反省もしていない。

軍備の改編や新装備のため多くの国家予算が必要となるや、政府はその財源を官吏や兵士たちの給料を天引きしてこれに充てるといった拙劣な方法をとっている。

そのため、減俸された彼等はこれまた当然のこととして適宜、自活自給の道を作り出していく。その結果が上は王侯より、下は一卒に至るまで手当り次第、官品の横領と横流しを巧みに行い、贈収賄(わいろ)をやらないものがないといった有様である。このような軍隊に規律と士気を求めても、無理というものである。【現在も続く巨額汚職大国」「中国共産党の汚職体質は2000年変わらないのである。福島はそれを見抜いていた。

福島大尉の北京駐在間の情報活動の結論は

『日本として、清国は共に手を取り合ってやって行ける国ではない』であった。

< 島貫本【上)91P>

 

日中韓150年対立・戦争史をしっかり踏まえて対中韓外交はどう展開すべきか④

ー尾崎行雄の「支那(中国)滅亡論」を読む(終)(1901年(明治34)11月「中央公論」掲載)

『清国に政治的能力なし-なぜ税関の役人はすべて外国人か日本人なのか?

http://www.maesaka-toshiyuki.com/history/1582.html

   日本リーダーパワー史(391)

日中韓150年対立・戦争史をしっかり踏まえて日本外交はどう対処すべきか②  ー

<尖閣、竹島問題で150年前の歴史事実を外国メディアの報道によってチェックする。

歴史健忘症の日本、歴史誇大症の中国、歴史恨み被害妄想症の韓国の3重ネジレを読み解く>

 http://www.maesaka-toshiyuki.com/history/1600.html

の太祖・朱元璋は生きたまま汚職官僚の皮をはぐ厳罰を導入して根絶を試みたほどだったが

この習慣は改まることはなく、現代においても腐敗撲滅は依然として

中国の為政者にとっての最大の課題である。

http://wpedia.goo.ne.jp/wiki/%E7%A7%91%E6%8C%99

 - 人物研究, 現代史研究

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