前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

速報(67)『日本のメルトダウン』●(小出裕章情報2本)『今までと違う世界に生きる覚悟』『ストロンチウムよりセシウムが影響大』

   

速報(67)『日本のメルトダウン』
 
(小出裕章情報2本)『6月8今までと違う世界に生きる覚悟』『ストロンチウムよりセシウムが影響大』

2011年6月9日
番組案内
2011年6月 9日【木】
ドイツは脱原発へ・・・そして、日本は?
ドイツのメルケル政権は脱原発を正式に決めました。2022年までに原子力発電所はすべて閉鎖。決定後、会見に臨んだ大臣は「私たちは先駆的な社会プロジェクトを始める」と胸を張りました。ドイツはなぜ脱原発に踏み込んだのか?原発がある自治体を中心に不安を抱えたまま原発政策が推し進められている日本はどのように考えたらいいのか?ドイツ在住のジャーナリスト、村上敦さんにドイツで起こっていることを聞き、日本の原発政策を考えます。
原発事故に関しては、きょうも京都大学の小出さんに話を聞きます。
録音
いつも放送エリア外の人たちのために録音してくださってありがとうございます。
【福島原発】6/9/木★原発を止めても電力は足りる

要約
・(福島市などでストロンチウムが検出された。セシウム以上に危険な物質か?)ストロンチウムは危険な放射性核種の一つで、セシウムの10倍から数十倍も危険。ただし今回検出された量はセシウムの数百分の1から1000分の1くらい。今どちらからの危険が大きいかと言えば、セシウムの方だ。
・(セシウムの人体への影響は?)セシウムはアルカリ金属で、カリウムという放射性物質と同じような挙動をする。全身に平均的に分布する性質をもつ。ストロンチウムはカルシウムと同じアルカリ土類金属で、骨に蓄積する性質。
・(ストロンチウムは原子炉の炉心がより高温になると気化するもので、早い段階で出ていたはず。なぜ今検出されたのか?)ストロンチウムはベータ線しか出さない。ガンマ線を出すものは測定するのが容易だが、ベータ線しか出さないものを検出するのは大変だ。東電は事故後それどころではなかったのかもしれないが、行政が率先して測定、検出すべきだった。
 
・(ストロンチウムは土壌にあると言うが、水や農産物への影響は?)これからは影響してくる。
 
・(今の段階ではセシウムの方により気をつけるべき?)今も今後もセシウムが重要だ。
・(セシウムやストロンチウム以外にもあるのか?)50〜60年代に大気圏内核実験が沢山行われた。当時ばらまかれたセシウムとストロンチウムの量はほとんど同じ量だった。原発事故の場合と違い、核実験では同じ量となる。人類に最も影響したのはストロンチムで、次にセシウム。福島原発事故では、最初はヨウ素だったが、今後はセシウムとストロンチムの影響が大きくなる。今回はセシウムの放出量が圧倒的に多かったためセシウムが問題になる。
 
・(今回事故を起こしたものと同じ型の原子炉に関して1980年にアメリカの原子力規制委員会が耐震設計の問題を指摘していたと言うが?)GEの3人の技術者が、マークIが構造的に弱いことを告発して退社した。
・(それを踏まえて改善はあったのか?)格納容器の形がマークI改良型、マークII、マークIIIと変わっている。
・(マークIは今でも使用されている?)福島、敦賀などにある。今は動いていないが浜岡原発にもある。
・(それは大丈夫なのか?)どれも大丈夫ではない。マークIIもIIIも壊れるときは壊れる。少しずつ良くなっている程度だ。
・(日本は原発を止めたらどのくらい電力が足りなくなるか?)完璧に足りる。水力発電所と火力発電所が膨大にあり、それを動かせば夏のピーク時でも問題ない。
 
・(原発が止まったら足りなくなると多くの人が考えているが?)マスコミが悪い。
・(火力と水力でまかなえるか?)そうだ。政府の統計データに基づく限り、十分に足りる。
・(そういう発電所は稼働していない?)火力発電所は5割止まっている。発電所はそれほど余っている。老朽化した火力発電所も動かさないといけないかもしれないが、原子力よりはいい。そもそも原発も老朽化したものが沢山動いている。
・(コストはどうか?)電力会社の経営データによれば、原子力発電が一番高い。今回の事故の費用を上乗せしたら、電気代はどのくらいになるか分からないほど高くなる。
・(海江田大臣が、原発を停めた場合の追加経費は今年度で2兆4000億円、来年度は3兆円以上と言うが?)石油などの燃料費がかかるのは確かだが、原発をやめればその分ウランは買わないで済む。それに、事故のことを考えればはるかに楽に済む。
・(原発の電力は不可欠というわけではない?)全く違う。電力会社とマスコミとで騙してきた。

2011年6月8日
番組案内
2011年6月 8日【水】
現代的“反原発”デモとは・・・
 今夜は、東京でリサイクルショップを経営しながら、4月に高円寺で1万人を超える反原発デモを開催した、松本哉さんと電話をつなぎ、当時の様子などについて伺います。

 デモと聞くと、シュプレヒコールを叫びながら、勇ましく行進する姿を思い浮かべますが、松本さんの主催するデモは、歌があったり、踊りがあったりと、なんだかいつもとは違う雰囲気だということです。
いったいどんな、デモだったのか、クリスタルが迫りますので、リスナーのみなさまからの、松本さんへの質問などたくさんお待ちしております。
 京大の小出さんに伺う原発情報のコーナーも本日ありますので、お聞き逃しのないように!

録音
【福島原発】6/8/水★汚泥から相次いで放射性物質を検出

要約
・(よろしくお願いします)こちらこそ。
・(東京を初めとして東日本各地の下水処理施設の汚泥から放射性物質が検出されている。東京都大田区の下水処理施設では空気中から毎時2.7マイクロシーベルトの放射線量が検出されたが?)0.05マイクロが普通だから、その50倍であり、とても高い。

 

・(これは原発から230キロ離れた場所だが?)下水処理場の汚泥には濃縮されて出てくる。これから多くの場所で出ると思う。関西でもそれなりの濃度になるだろう。空気中に広がった汚染が下水に流れこんでくるが、下水処理場は水を処理する過程で汚泥を生み、そこに濃縮されている。
 
・(東京都は、検出された場所は屋内であり、敷地境界で計測したら問題ない数値だったため、誤解を招かないために公開しなかったというが、敷地内に留まるものなのか?)下水処理場の汚泥はコンクリ等の材料として使う。今後はそれをやってはいけなくなり、汚泥の処分がポイントになる。
 
・(配慮して公開しないというのはおかしいと思うが、どうか?)おかしい。下水処理場が毎時2.7マイクロシーベルトという場所になっているのであれば放射線管理区域にして管理するための手続きも必要なはず。
 
・(作業員の方も普通の服装では?)被曝管理もしていないはずで、これまでにどのくらい被曝したかも知りえないまま今に至っている。
・(パニックを恐れて情報をストップするのはまかりならんと思うが?)そう思う。マスコミも留意してほしい。
・(下水処理場で焼却した灰からは1キロあたり1万ベクレルを超えるセシウムが検出された)すごい量だ。そんなレベルの放射能を取り扱ったことは私は一度もない。
 
・(国は汚泥をセメントとして再利用することを進めている。セメントや肥料にするにあたって1キロあたり100ベクレル以下になっていれば問題ないとしているが?)何度も言うが放射線はどんなに微量でも危険。100ベクレルでも10ベクレルでも危険。社会的にどこまで受け入れ可能なのか判断するしかないが、いま出ている汚泥は猛烈な濃度であり、始末の方針を示す必要がある。
 
・(国が汚泥の汚染の基準を定めたのは5月で、それ以前の分は既に出回っている。セメントにして道路を舗装したら放射線が出てくる?)飛び出してくる。
 
・(1キロあたり100ベクレルのセメントで建物を作ったとしたら、汚染物質で覆われた建物になる。キロあたりは小さくても大量に使えば積算されるものか?)もちろんそう。それは勧められないが、いまや地球上すべてが福島の放射能で汚れている。事故を招いた日本という国は、汚染から逃れられないという覚悟を決めるしかない。が、小学校には使わないというような配慮はあってしかるべきだ。
 
・(江東区の保護者の会が、東京都の汚泥処理施設近くのグランドの土から高い濃度の放射性物質が検出されたと発表した。どういう風に考えたらいいか?)汚泥処理施設で焼却して処理しているのであれば、煙にのって放射性物質が大気中に出てきて、それが周辺に汚染を広げていることはあり得る。放射性物質が出ているのであれば焼却は止めるべきで、続けるならば適切なフィルターなどを設置してから行わないといけない。
 
・(汚泥を置いておく場所も、灰を置く場所もない。どうしたらいいか?)分からない。こんな事故が起きてしまったから、これからは今までと違う世界に生きるしかないと思っていただくしかない。
 

 - 現代史研究 , , , , , ,

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
梶原英之の政治一刀両断レポート(2)『原発事故が菅下ろし政局の主役だった!ー原発解散になるとみる理由』

梶原英之の政治一刀両断レポート(2)   『原発事故が菅下ろし政局の主 …

no image
『中国紙『申報』からみた『日中韓150年戦争史』㉜ 日中韓のパーセプションギャップの研究ー近交遠攻説(戦争、外交の鉄則)

  『中国紙『申報』からみた『日中韓150年戦争史』 日中韓のパーセプ …

日本リーダーパワー史(716)ディープ対談(動画/90分)『安倍政権にリスク管理能力はあるのか』<『財政破綻必至の消費増税再延期」「アベノミクス大失敗」『沖縄問題の影響』★『失政は「スピード不足」 「だらだら会議は踊る、されど決せず」「決しても有言不実行、前言訂正、先延ばし」の罪

日本リーダーパワー史(716) <『財政破綻必至の消費増税再延期」「アベノ …

no image
速報(332) 『日本のメルトダウン』◎『自民党時代の官僚内閣制は民主党で変わったのか』菅前首相の記者クラブ講演 

速報(332) 『日本のメルトダウン』 ◎ロムニー氏「日本は1世紀にわたる衰退の …

no image
知的巨人の百歳学(144)/『天才老人・本多静六(85歳)ー「70,80歳になっても元気で創造する秘訣―『人間は老衰するから働けなくなるのではなく、働かないから老衰する』★『② 「忙しさ」が自分を若返らせる、忙しいことほど体の薬はない』

  記事再録/ 2012/05/12/ &nbsp …

世界を変えた大谷翔平「三刀流(投打走)物語➄」★『米誌タイムの「世界で最も影響力のある100人」に大谷選手が選ばれた』★『「大谷がヤンキースに入団すればビートルズがニューヨークに来るようなものだ。スターはブロードウェイで最も輝く。才能にあふれ、ルックスがよく、カリスマ性のある大谷はニューヨークにふさわしい」(ニューズウイーク)』

世界を変えた大谷翔平「三刀流」 前坂 俊之(ジャーナリスト) 2021年は世界も …

no image
「国難日本史の歴史復習問題」ー「日清、日露戦争に勝利」した明治人のリーダーパワー、 リスク管理 、インテリジェンス⑦」◎「ロシアの無法に対し開戦準備を始めた陸軍参謀本部の対応』◎『早期開戦論唱えた外務、陸海軍人のグループ『湖月会』はどうしてできたか。』★『山座円次郎の外交力』

 「国難日本史の歴史復習問題」ー 「日清、日露戦争に勝利」した明治人のリーダーパ …

『オンライン講座・文明は死の行進を加速している』★『米先住民の警告ー最後の木が切り倒され、最後の川が汚染され、最後の魚が捕まえられてはじめて、人はお金は食べられないことを知るだろう』★『新型コロナ発生の原因は地球環境を破壊した現代文明、炭素社会、強欲資本主義の結果である』

2020/10/06 『オンライン/新型コロナパンデミックの研究・再録 …

no image
記事再録/知的巨人たちの百歳学(137)ークイズ<超高齢社会>創造力は老人となると衰えるのか<創造力は年齢に関係なし>『 ダビンチから音楽家、カントまで天才が傑作をモノにした年齢はいずれも晩年』★『 ラッセルは97歳まで活躍したぞ』

クイズ<超高齢社会>・創造力は老人となると衰えるのか <創造力は年齢に関係なし、 …

『オンライン/2022年はどうなるのか講座➅』★『2022年は明治維新から154年目。日本興亡史は77年サイクルで、1回目の亡国が1945年の太平洋戦争敗戦。それから77年後の現在、再びデジタル敗戦、経済敗戦で後進国に転落中だ』 ★『野口悠紀雄は2030年頃日本がOECDから“脱退”する(先進国から後進国)になっても不思議でない、と警告』

2017/01/11の記事再録 日本リーダーパワー史(755)、『日本興亡学入門 …