日本リーダーパワー史(438)日米中韓150年戦争史ー第1次米朝戦争を勝利と錯覚、誤認した大院君の朝鮮、韓国①
2015/01/01
日本リーダーパワー史(438)
日米中韓150年戦争史をしっかり踏まえて
<日本版NSC>はどう対処すべきか①ー
<尖閣、竹島問題で歴史健忘症の日本、歴史誇大症の中国、
歴史錯覚被害妄想症の韓国、米国の失敗続きの
対朝鮮政策の4重ネジレを読み解く>
自国過大評価の韓国民族性と過少評価の日本の認識
ギャップから対立、戦争へ発展した日中韓現代史①
前坂 俊之(ジャーナリスト)
★<歴史家・木村毅著「続・まわり燈籠」(井上書房、1961年)の中で
第一話「尊族殺傷の法律」(1-8P)で次の内容を紹介している>
李氏朝鮮国妃・閔妃(ミンピ)は舅(舅―国王の実父)大院君と勢力あらそいをして、日清戦争後の微妙な政局に、妃はロシア勢力にたよろうとし、大院君は日本が援護して、つまりこの血で血をあらう勢力あらそいが、遂に彼女の兇刃にたおされる閔妃事件の原因となったといわれる。
それなら大院君は、日本のいう事をよくきくかというと、そこはさすがに朝鮮人だ。そんな一筋縄でゆく人物でなく、大院君こそ実に、排日の巨頭で、西郷隆盛、司法の恩人江藤新平その他維新の功臣を、征韓論の犠牲にしたのは、じつに、この大院君の政策だったといえる。
大院君の前身は、王族ではあるが、あまりいい家柄ではなく、宮中の出入りは自由にできなかったという。
そこで彼の前身は市井の無頼に伍して、うかうかと日を送っている道楽者であったが、話が面白いのと、舞踊の名手なのと、文章を書くこと、伽耶琴(かやきん、韓国の伝統の弦楽器)をひくことが上手なことで、居酒屋の女たちには人気があった。
ところが、思いもかけない大幸運が訪れる。政争のはげしい朝鮮では、天子が四代もつづいて怪しい死に方をしたので、その側近がおたがいに牽制しあい、ついに四家には全く関係のない李熙という十四歳の少年を後釜にすえることにきめた。これが後の高宗である。http://ja.wikipedia.org/wiki/高宗_(朝鮮王)
遠い王家の血筋ではあっても、落魄(らくはく)して貧乏なその少年は、従者もつれずに、野原でタコあげをしていると、意外にも官中から迎えの輿(こし)がさしまわされた。
母は、狂喜と畏怖でおろおろ声になって、子を抱きよせ、「汝の唇より母なる声をきくこと、今日を以て終りとす」といって、着物をきせかえて、輿にのせた。そこで彼の父は天子の後見として、一しょに宮中に入ることになった。その名は、それまで興宜君と呼ばれていたのだが、この時から大院君と尊称されるようになったのである。
戦勝記念碑
虱(しらみ)でも、馬のたてがみにたかると、よく千里を走る。迅速の迅という字は、虱が馬にたかっている格好なのだということだ。
今までの市井無頼の徒も、宮中に入って潮に乗ってくると、思いもかけない仕事をする。
それまで朝鮮の宮中には、フランスのカトリック教が相当に深くくいこんでいたが、大院君は捕盗(憲兵)大将の李景夏という男をつかって、教徒の大虐殺をおこなった。数万人を粛清したといわれる。裁判の結果、フランス人司教ら9名が処刑が命じられ、キリスト教に改宗した住民も虐殺されたといわれる。
宣教師を殺されてフランスがだまっているはずがない。折から英仏連合軍が北京を占領した後だったので、ローゼ提督はただちに七隻の東洋艦隊をひきいて、江華湾に攻めよせ、江華山城をおとし入れ、銀塊四十万と、書庫を戦利品として奪い去った。
大いに恐怖した大院君は、日本に救援をもとめたのである。慶応二年(1866)秋で、徳川慶喜が第十五代将軍職について間のない時である。幕府は滅亡の一年前で、元より救援軍を海外におくる余裕などあるはずがない。
仕方なく、全国から虎狩の猟師八百人を呼び集めて、城中に伏せておいて、ゆだんしているフランス軍を攻撃させて、フランス兵を負傷させた。ローゼ提督は、こんなことで、部下を失うのをいやがり、さっさと軍艦をひきあげたのである。
これが「朝仏戦争」である。「丙寅洋擾(へいいんようじょう)」ともいわれる。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%99%E5%AF%85%E6%B4%8B%E6%93%BE
ところが、あのナポレオンも強国フランス軍が退散したのを大院君は自国の勝利と真に受けて、有頂天となり、天狗となった。フランスといえば大ナポレオンの甥のルイ・ボナパルトが第二帝政をつくって、ヨーロッパナンバーワンをほこり、韓国の宗主国の大清国さえ手も足も出なかった軍事大国である。
「その強大フランスが、見よ!ウリ(我が輩の朝鮮語)の策戦には歯が立たずl尻に帆かけて敗走した」と得意絶頂。
意気あがった大院君は、ソウルのメイン道路(鐘路)に、一大戦勝記念碑をたてた。「洋夷侵犯。非戦即和、主和売国」(「洋夷侵犯す。戦うにあらざれば、すなわち和す。和を主とするは売国なり」)。
これを機に、鎖国を維持し排外に徹する朝鮮の基本外交政策が確立した。その二年後に、明治新政府が修交をもとめたって応ずるわけがなかったのである。
第一次米朝戦争を勝利と錯覚、誤認した朝鮮
そればかりか、もう一度、大院君を図にのらせることがあった。
1866年8月16日の米商船「ジェネラル・シャーマン号」が朝鮮の近海を航行中、朝鮮側の奇襲により沈められ船員全員が虐殺された事件が起きた。
朝鮮との交易を求めて米国国旗を掲げた商船ジェネラル・シャーマン号は、大同江を経て平壌の羊角島に来航。朝鮮側からの奇襲攻撃を受け、船員20名全員が虐殺されたが、米国は、当初この事件を把握出来ていなかった。
1867年、フランス海軍から情報を得た米海軍は激怒し、この事件に対する謝罪と通商を求めアジア艦隊を派遣して
「米朝戦争」「辛未洋擾」が勃発した。
続く
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