前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

世界史の中の『日露戦争』⑲ 『日本軍、日本人は祖国存続のために戦う』『ノース・チャイナ・ヘラルド』(開戦25日目)

      2016/03/03

 

 世界史の中の『日露戦争』⑲ 

英国『タイムズ』米国「ニューヨーク・タイムズ」

は「日露戦争をどう報道したか」⑲

 

『日露戦争日本軍、日本人は祖国存続のために戦う

【開戦25日】<ノース・チャイナ・ヘラルド
1904(明治37)年34 >—

<インテリジェンスの教科書としての日露戦争

 

日本海軍が本当にどんなに小さいかを思い起こすと,28日に交戦が始まってから,これまでに日本海軍が成し遂げてきた仕事は驚嘆に値する。

 

日本がジェノヴァで購入し,われわれの知る限り,まだ横須賀のドックに入っている2隻の巡洋艦を別にすれば,日本海軍は新型戦艦6隻,中国からの戦利品の艦齢20年の装甲艦1隻,大型装甲巡洋艦6隻,小型装甲巡洋艦2隻,その他排水トン615から5416までの各

種の巡洋艦艇31隻,という構成になっている。

このほかに,285トンから400トンまでの躯逐檻20隻,115トンから190トンまでの1級水雷艇7隻,小型水雷艇50隻余りがある。これだけの海軍力で,ウラジオストクにいるロシアの大型巡洋艦4隻,済物浦にいる大型で戦闘能力の高い1隻を含む巡洋艦2隻.上海にいるマンジュール号を監視し,さらに,旅順の強力なロシア艦隊が港外に出るのを阻止しなければならなかったのだ。

 もし、旅順艦隊が本当に戦闘可能な状態にあるとすれば,東郷提督がこれに対して投入できる全艦に匹敵するだけの力を持っている。しかし,アレクセーエフ総督には,軍艦が損傷を受けた場合,修繕する施設がないというハンディキャップがあった。

したがってロシア軍は各艦を旅順要塞の大砲が防護できる範囲から外へは,あえて出撃させることはなかった。一方,東郷提督にも,磨下の各艦を要塞砲の射程内に深入りさせるような余裕はなかった。したがって東郷提督の目的は,巨砲と水雷艇と躯逐艦でできる限りの損害を与えることであった。

東郷提督の旅順港攻撃は,ロシアの公式発表の表現では常に「撃退された」ことになっているが,事実は,所期の成果を上げてから引き揚げた,ということだ。ロシアの各艦はセヴァストーポリのロシア艦隊の運命と同様,外洋に出てきて戦うよりも.湾内で沈没あるいは捕獲される方を選んでいる。

先月20日のイースターン・ワールド紙の中で,自分自身も海軍軍人であるシュレーダー氏は,簡潔な文章で東郷提督が収めた成功がいかに立派なものかを次のように述べている。

「風や波の特別な神助によってではなく,すぐれた戦略,不屈の勇気,艦隊の各部隊の迅速で直観的な行動,全艦隊を使っての激しく巧妙な戦闘によって,日本は1週間もたたないうちに極東におけるロシアの海軍力をほとんど壊滅し,これにより制海権を握った。(中略)旅順艦隊は事実上封鎖されている」。

このことはロシア軍司令官の,死すとも降伏はしないという決意を告げる一般命令の中でも認められている。

「そして北にいる戦隊は切り離されて,おびえており,ウラジオストクの諸砲台の庇護下にあるようだ。(中略)この状況下で日本はほぼ絶対的制海権を掌握したので,釜山から鴨緑江に至る朝鮮の南部や西部の海岸のどこにでも,安全に部隊を上陸させることができる。そして陸軍省は一刻もむだにしないと思っていいだろう。

朝鮮との防衛同盟も締結されたので,日本軍は朝鮮中を自由に動けるし,また,どれほどの価値があるかは別として,朝鮮政府の協力も得られる。一方,海上で敵に打撃を与える機会があれば,それを逃がすことはないだろうが,現時点ではこれ以上の海上作戦は必要がないような甲で,次の戦闘はおそらく鴨緑江沿岸における陸戦か,あるいは,旅順に対する陸海双方からの攻撃になるだろう。その場合,旅順はそう長くは持ちこたえられないだろう」

 この戦争の最初の1週間ができごとと興奮に満ちていたため,現在の小康状態は退屈な感じがする。日本軍はその行動を隠すことに驚くべき成功を収めているが,すでに3個軍が朝鮮に上陸したと考えられる。

前にも述べた通り,陸上兵力の移動は海上兵力に比べてはるかに時間がかかるものだ。艦隊が1時間で行ける距離でも,1軍がまる1日かかって移動できることはまれにしかないので,今月末ごろまでは,陸上での本格的な戦闘について耳にすることはまず期待できないだろう。

ロシア軍は援軍と補給物資を海上輸送で受けられなくなったので,ひどく不利な立場に立たされている。ロシア軍が,将兵とも粘り強い闘志をもって戦うことは確実だが,日本軍には.すべての日本人が祖国の存続のために戦っており,何のために戦っているかを知っているという計り知れないほどの有利さがある。

それに引換え,ロシアの兵士がいかに勇敢であれ,日本人と同じ強烈な愛国心を持っほどの知識を持っているかは,疑わしいところだ。

 - 戦争報道, 現代史研究 , , , , , , , , ,

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

「世界・日本リーダーパワー史(1700)『米国一のフェイクニュース戦争と韓国の内乱騒動(上)(25/01/15まで)』★『フェイクニュース戦争―英独仏首脳が憤怒』★『ウクライナ戦争について』★『トランプ氏の脅迫外交がエスカレート』

米国一のフェイクニュース戦争と韓国の内乱騒動(上) 世界一の覇権国家アメリカのト …

人気リクエスト記事再録『百歳学入門(196)』-『超高齢社会日本』のシンボル・『クリエイティブ長寿思想家』の徳富蘇峰(94)に学ぶ②』★『蘇峰先生の日常―78歳・壮者を凌ぐ精励ぶり』★『午後3時、いつもきまって紅茶』★『英書購読、記憶魔、博覧強記!、古書マニア、英国流のガーデニアン』

『百歳学入門(196)』 『長寿思想家』の徳富蘇峰(94)に学ぶ② <以下は『日 …

no image
再録『世田谷市民大学2015』(7/24)-『太平洋戦争と新聞報道』<日本はなぜ無謀な戦争を選んだのか、500年の世界戦争史の中で考える>②

『世田谷市民大学2015』(7/24)- 戦後70年夏の今を考える 『太平洋戦争 …

『日本の運命を分けた<三国干渉>にどう対応したか、戦略的外交(外交の要諦 )の研究㉓』★『火事場泥棒的なロシア、ドイツ、フランスの三国干渉後の植民地を獲得』★『ドイツは鉄拳外交で膠洲湾を海軍根拠地として租借。ロシアは旅順、大連、関東州の二十五年間の租借権獲得、フランスは広州湾の租借、イギリスは威海衛を租借』

 ロシア、ドイツ、フランスの三国は三国干渉後に、どのような行動をとったのか。 日 …

no image
日本リーダーパワー史(614)日本国難史にみる『戦略思考の欠落』⑨『日中韓の誤解、対立はなぜ戦争までエスカレートしたか」ー中国・李鴻章の対日強硬戦略が日清戦争の原因に。簡単に勝てると思っていた日清戦争で完敗し、負けると「侵略」されたと歴史を偽造

    日本リーダーパワー史(614) 日本国難史にみる『戦略思考の欠 …

★「本日は発売(2023年6月9日)「文芸春秋7月号」<100年の恋の物語のベストワンラブストーリーは・・>山本五十六提督の悲恋のラブレター』②★『山本五十六の家族との最後の夕餉(ゆうげ、晩御飯)のシーン』★『久しぶりの家族六人一緒の夕食で山本も家族も何もしゃべらず無言のまま』★『日本ニュース『元帥国葬」動画(約5分間)』

★『東郷神社や乃木神社にならって、山本神社を建てようという運動が起きたが「神様な …

no image
『オンライン/天才老人になる方法④』★『天才老人NO1<エジソン(84)の秘密>➁落第生 アインシュタイン、エジソン、福沢諭吉からの警告』★『天才、リーダーは学校教育では作れない』★『秀才、優等生よりは、落ちこぼれ、落第生の方が天才になれるのよ』

『リーダーシップの日本近現代史』(64)記事再録/    & …

no image
『 地球の未来/世界の明日はどうなる』-『2018年、米朝戦争はあるのか』⑤『“認知症疑惑”が晴れてもなお残る、トランプ大統領の精神状態に対する懸念』★『トランプに「職務遂行能力なし」、歴代米大統領で初の発動へ?』★『レーガン元大統領、在任時に認知症の兆候 息子が主張』★『ブッシュ政権酔態、飲酒再開?プレッシャーに負けた 20代から深酒、乱闘で逮捕歴も 』

『2018年、米朝戦争はあるのか』⑤ 大統領1年で「うそ」2140回、1日平均6 …

no image
『オンライン/『日中韓500年/オンライン世界史講義①』★『世界的権威ベルツの日韓衝突の背景、歴史が一番よくわかる講義①』★『明治天皇のドイツ人主治医・ベルツ(滞日30年)の『クイズ『坂の上の雲』ーベルツの『日本・中国・韓国』五百年の三国志①<日露戦争はなぜ起こったのか>

 <2011/02/27 記事再録>   クイズ『坂の上の雲 …

『オンライン講座・日本戦争外交史➂』★『日露戦争・樺太占領作戦①―戦争で勝って外交で敗れた日本』★『早くから樺太攻略を説いていた陸軍参謀本部・長岡外史次長』★『樺太、カムチャッカまで占領しておれば北方問題など起きなかった?』

★′日露戦争・樺太攻撃占領作戦 ルーズベルト米大統領も勧めた樺太占領作戦は日露の …