前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

『ガラパゴス国家・日本敗戦史』㉙『来年は太平洋戦争敗戦70年目<アジア・太平洋戦争での全体の犠牲者も 十分調査されていない

      2017/08/15

·          

 『ガラパゴス国家・日本敗戦史』㉙

 


『来年は太平洋戦争敗戦から70年目―

太平洋戦争と米国に命名された<アジア・太平洋

戦争>でどれだけの犠牲者、被害が出たのかも

まだ十分調査されていないー

無視され続けたアジア・太平洋戦争の全被害』

南京虐殺、東京大空襲、広島・長崎原爆、

従軍慰安婦の犠牲者・被害者など以上に

全体的被害の実態を把握する必要がある①

 

 

                前坂 俊之(ジャーナリスト)

 ここではポツダム宣言から敗戦までの約3週間で、日本政府は国体護持だけに時間を空費して、国民の犠牲は顧みず原爆投下、空襲の市民の犠牲、住宅家屋の財産被害などの出し続けた数字を明らかにする。

『ガラパゴス国家・日本敗戦史』の連載でも見たが、天皇国家の保持(護持)のためのみに、延々と決断できない会議を続けて、市民を犠牲にし続けた<非民主主義国家、軍国主義国家(市民の命を大切にしない、人命無視>の数字を見ていく。

 

(4)【太平洋戦争中での日本人の戦争犠牲者数】

 

 延べ1000万人の兵士が戦争に参加し、失われた兵士数は約200万、非戦闘員まで含めると約300万の人命が失われた。焼失住宅戸数は310万戸。太平洋戦争における日本側の死者はー陸軍戦死者数:約144万人・海軍戦死者数:約 42万人・軍属:約  95千人

・一般国民:約 69万人・合計:約250万人

 

 

●驚くべきことに、日本の戦争の実態は日本兵が米軍の弾丸に打ち抜かれて戦死して負けたのではなく、大半の兵士の餓死、病死、玉砕(自殺、特攻隊)で無意味に自滅していった戦争であった。

 

世界の戦史史上、これほど無謀で愚劣で非科学的な戦争を行った国はいないし、戦争指導者、国家のリーダーの徹底した無能ぶり、無責任ぶり、インテリジェンスのなさを示したケースもない。

 

この「失敗国家日本」の制度・システム欠陥は真に改善されてきたのか、をみると、現在日本の政治・行政・統治システムも戦前とさほどかわっていないことがわかる。

 

「民は知らしむべからず、依らしむべし」というほんの数年前まで、封建時代からの愚民政策がまかり通り、「お上」(行政)のやることには民衆もおとなしくタテつかない。戦後60数年間、政権の交代がなく、実質自民党の一党支配が続いたような国は世界中見渡しても社会主義国ではわずかにあるが、先進国では日本以外にない。

 

憲法に明記されている国民主権は確立されておらず、政治は戦前同様に国民への説明責任を全く果たしていない。戦前の軍組織と同じ独善的な中央集権の官僚システムを政治家はシビリアンコントロールできず、1985年以降、政治、経済、金融、防衛、外交の全分野の運営で、政策の全面失敗、連続失政、全面敗北を招いている。

 

公共事業による景気を拡大するという経済失政(オウンンゴール)を続けて、1000兆円という国の借金を膨らませ続けて、今や国家破産に近づきつつある。2008年執筆のまま)

戦前は戦争によって国家破産し、今は経済、政治、外交の
国家政策運営の失敗で2度目の国家破産が間違いなく迫りつつある。
2008年時の執筆)

 

(5)≪日本軍戦死者の実に60%、140万が餓死者であった≫

一橋大学名誉教授・藤原彰氏の調査によると、アジア太平洋戦争における戦死230万人の内、その約六割、約140万人が「餓死」と推定している。

 

 その出典『餓死した英霊たち』(藤原彰著 青木書店)では「餓死」とは、栄養失調による「不完全飢餓」によって病気に対する抵抗力を失った結果としての戦病死をもふくむ広義の規定である。

 

 「ガダルカナル島の場合、方面軍司令官は死者2万、戦死5千、餓死15千と述べている。ブーゲンビル島では、死者約2万はほとんど餓死。ソロモン諸島の死没者の四分の三にあたる 66千名が餓死したと考えられる」。

 「厚生省の調査では、東ニューギニアの戦没者は127千。いずれも死者の九割以上、実に114840名が餓死だったとしている。

 

 インパール作戦をふくむビルマ方面軍でも死者の78%、145千人かそれ以上が餓死者と推定。中部太平洋では、サイパン、グアム、テニアン、ベリリューなどの諸島では日本軍は上陸した米軍と戦って「玉砕」した。全体では12万以上が病死・餓死していたと見られる。

 

 日本軍が最も多くの死者を出したフィリピン戦線で、8割の40万人が餓死と推定。中国戦線での死者は455千だが、栄養失調に起因するマラリア、赤痢、脚気などによる病死者は死因の三~四割を占める。中国戦線での全死者の約半数が栄養失調にもとづく病死であり、22万以上である。合計では 1,276,240名に達し、全体の戦没者2,121,000名の60%強。77年以後の戦没軍人軍属230万という総数に対して換算すると 140万前後が戦病死者、そのほとんどが餓死者ということになる」と結論づけている。

 

 

                                    つづく

 

 

 

 

 - 人物研究, 戦争報道, 現代史研究 , , , , , , , , , , , , ,

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

  関連記事

no image
速報(210)●『中国vs米国:中国が世界一の経済大国になる日』●『SPEEDIデータを公表しなかったのは 小出裕章』

速報(210)『日本のメルトダウン』 ●『中国vs米国:中国が世界一の経済大国に …

no image
『F国際ビジネスマンのワールド・ビジネス・ウオッチ(220)『スマホ、タブレットが高すぎるappleから低廉高品質のHuaweiに切り替わるのはもう時間の問題です』

『F国際ビジネスマンのワールド・ビジネス・ ウオッチ(211) > htt …

no image
日本リーダーパワー史⑥ 最高のリーダーは西郷従道,そのおもしろエピソード②

                            2009、08,14 西 …

no image
『世界が尊敬したスーパー日本人』ー『世界議会史上最長のギネス政治家(議員生活六十三年)の尾崎行雄(咢堂)

『世界が尊敬したスーパー日本人』 世界議会史上最長のギネス政治家〔議員生活六十三 …

no image
日本メルトダウン(921) <世界は再び混迷の時代、動乱の時代へとなるのか>『中国の外交政策:造った者が支配する(英エコノミスト誌)』●『戦争の足音」が欧州の東から迫りつつある ロシアが核の一撃考えているとの観測も』●『コラム:英EU離脱、新自由主義時代の終焉か=河野龍太郎氏』●『EUの盟主ドイツで「イギリス離脱」はどう報じられたか〜これって「イジメ」じゃない? 結論が出て、ますます混迷深まる』

日本メルトダウン(921) 世界は再び混迷の時代、動乱の時代となるのか 中国の外 …

no image
速報「日本のメルトダウン」(494)「日本企業とアベノミクス:本音と建前(英エコノミスト誌」「社会主義と市場経済は両立するか」

  速報「日本のメルトダウン」(494)   ◎「 …

no image
 日本リーダーパワー史(755)『日露首脳会談の結果は予定通りの空振り!?』★『安倍の地球儀外交/領土問題願望/期待先行外交対プーチン独裁/国益最重視/非国際外交の対決は長期の延長戦へ』●『  日ロ首脳会談、領土問題は共同経済活動の交渉開始のみ合意』●『プーチンの戦略に完全に振り回された安倍首相…ロシア側の成果ばかり、すれ違い深刻』

 日本リーダーパワー史(755)   日ロ首脳会談、領土問題は共同経済 …

no image
日本リーダーパワー史(390) 日中韓150年対立・戦争史をしっかり 踏まえて日本外交はどう対処すべきか①

  日本リーダーパワー史(390)    …

no image
知的巨人の百歳学(124)ー『天才老人・禅の達人の鈴木大拙(95歳』-『長寿の口癖は「わしは死神と競走で仕事をする」★『死を恐れるのは仕事を持たないからだ。ライフワークに没頭し続ければ死など考えるヒマがない。死が追ってくるより先へ先へと仕事を続ければよいのじゃ』

知的巨人の百歳学(124)  『天才老人・禅の達人の鈴木大拙(95歳) …

no image
記事再録/日韓歴史認識ギャップの本人「伊藤博文」について、ドイツ人医師・ベルツの証言『伊藤公の個人的な思い出』

  2010/12/05 の 日本リーダーパワー史(107) …