『リーダーシップの日本近現代史』(269)★日本が真の民主国家(自由平等、男女平等)になれない理由は—日本の前近代的な政治閥、官僚閥のルーツはー「日本の秘密結社としての 陸軍は山県有朋の長州閥(山口閥)が作った」,
2012/05/03日本リーダーパワー史(256)記事再録
『明治の巨大国家プロジェクトを組み立て、戦略を練り陸・海軍を
全指揮して日清戦争、日露戦争に完全勝利した稀代の名将とは誰か?!-川上操六(35)です.
前坂俊之(ジャーナリスト)
日本リーダーパワー史(50) 名将・川上操六の派閥バッコ退治と人材登用について
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2012/05/03いま必要な、「21世紀の日本の国家戦略の基本」とは・・
① 現在の国家公務員採用試験制度の抜本的な改革、東大偏重の廃止、海外大学卒、留学組の重視
② 派閥、閥族の廃止、優秀な人材を外国人にこだわらず世界中から集めて、能力を発揮させるシステムを再構築すること
政党の派閥弊害だけでなく、官僚閥、省閥、学閥、地域閥、会社閥、組織閥、利益閥・・・の非近代的な人間関係、利益追求、集団形成の弊害が日本では現在も延々と続いている。
人 間2人上集まると、グループ、派閥が生じる。そこで公共の利益、公平・公正を無視した派閥優先や、行政改革を絶対阻止しようとする省閥が頭をもたげてくる。日本の軍人官僚の陸軍軍人が昭和戦前の日本をつぶしてしまったが、その大きな弊害が藩閥跋扈(ばっこ)であり、派閥優先であった。川上これに対して断 固として戦った。
日本最大の官僚、行政組織の陸軍は明治五年から昭和二〇年まで七三年間が続いた。
日本の藩閥横暴の最大のガンが山県有朋である。山県が日本を潰した陸軍組織を作り、1945年にこの陸軍暴走脱線列車は崩壊した。しかし、山県が作ったもう1つの官僚組織はそのまま現在まで解体されずに、生き残り残り、グローバル、競争時代の中でその旧態依然の無秩序な暴走列車は脱線転覆中である。
明治のこの藩閥、官僚、軍閥が日本を亡ぼすと予言し、その実態に迫って筆誅をくわえて鵜崎鷺城著「薩の海軍・長の陸軍」 (明治44年刊)の中から、次に一部を紹介する。
鵜崎鷺城著「薩の海軍・長の陸軍(明治44年刊)」より
日本の明治の陸軍は軍紀のきびしさ、士気の旺盛さ、戦いのぞんでの勇気とその敢闘精神ではほとんど世界無双といわれ、日清、北清事変、日露の三大戦争において遺憾なく発揮された。
ところが、近年(明治末)陸軍の一部に多少忌むべき風習の浸透して固有の美点を失いつつある事実は見逃せない。その原因を調べてみるといくつかある。
要するに、日露戦争後、国民の軍人を歓待することが極度に達し、軍人もまた、この戦争の勝利は一にわれらの力に外ならずとする余り、自ら意気軒昂になり、おごり高ぶり、加えてに再び自己の身命を賭すべき戦争が容易に起らないことを洞察して知らず知らずのうちに平和の夢をむさぼる一方、ドイツの軍隊で行わる一種のハイカラ風にかぶれた1の結果である。
ドイツは北にはロシアが控へ、南はフランスと国境を接しており、ウイルヘルム大帝以来、軍隊の強力を大陸に誇っていたがたるも、三十年戦争以來、久しく太平が続いて人心が遊惰、傲惰に馴れた結果、年と共に風紀が弛緩し、陸軍将校は『コルセット』を腰にはめ、白粉を顔に塗り、頭髪を美しく櫛でとき、香水コスメチックを用いて、顔形を修飾することに憂身をやつしつつあった。
これをみて、極端なるドイツ心酔家もこのテイタラクをみて眉をひそめ、一朝禍機発して他国と戦争になった場合を危惧する者が少なくなかった。
日本の軍人は未だドイツの如くひどくはないものの、その服装、態度の如きも概して往年の武人らしき点が漸次、減退し、あるいは腰部を細くし、口ひげをチックにてはね上げ、あるいは身辺より『ヴァイオレット』『ローズ』の香を放ち、金の指環をはめ、甚しきは必要もないのに鼻眼鏡をかけるなど、一に辺幅の末に走り、漸次脂粉の気を帯びる者が増えつつある。
老将軍たちは、さすがにこのような年甲斐なき振舞はしないが、青年将校、特に参謀の中に最も多くこれを認める。
こうなっているのはドイツに行きてこのような状態を目撃したる者が軽々にも文明的軍人の時世は化粧することなりと誤解して、続々とこれを輸入したのである。
毎年、特命検閲使の全国の各師団を巡回し必ず軍人の元気を鼓舞し、贅沢を戒めるのを常としていたが、検閲使の行動をチェックすると、往々その言動に反するのみならず、同使いに付き添った参謀官もまた、他をいましめるよりも寧ろ自らもその悪弊に染まっているケースが多く見られる事態になった。
今日の軍隊は下士卒の方はかえって健全なのに、上にいくに従って不健全に陥り、連隊長以上を以て最もひどい状態に陥っている。かって某師団長は芸者を落籍して正室とし、その芸者がの馬丁と情を通じて失踪するや、部下の副官に命令して、兵士を市中のいたる所に放って、これを捜索させたという不祥事があった。
某師団の一将校は長官のために妾(めかけ)の周旋し、その功によって特別の待遇を得ていたという話である。
あるところの大演習において師団長と一参謀とが一婦人を事って、聴くに堪えないような醜態を演じ、今日といえどもその地の一笑話となって引き継がれていとか。
又明治の陸軍に時めく長洲閥の一大将は司令官の重職を帯びながら、一人の芸者との愛に惑溺して、度を超して如何なる席にもこの芸者を引入れ、心ある者をしてひんしゅくをかっていたといわれる。
彼等はこのような振舞を敢えて恥とせず、むしろ英雄の本色として誇示するような言語道断の傲慢値度をとっていた。身を以て範を垂れるべき上の者が既にこのような以上、その悪弊は漸次、下に知れ渡り終には陸軍全体の危機にして深く憂へるべき事態であろう。
独りこの種の弊風を日に助長するのみならず、精神上の堕落もまた歳とともに甚しくなっている。
昔、文官の不見識、無気力を嘲笑した軍人は、今や却って文官のひんしゅくを買い、それ以上にひどく。官海遊永術なる語は彼らにとって極めて重要なるものとなってきている。
これを研究すると共に争って実行するに至れリ。しかし、近年一種の生存競争が等の間に行はれ、往年の如く朴訥木強を以て群人の一枚看板とすると自己の生存に不利となりたる結果、勢い巧慧とならざるを得ず。
いたずららに気を負い節を持して自ら高く標置くするも、買ってくれなければそれまでの話なり。名を立て世に出んと欲すれば、権力ある者に付随して昇天、最初の龍鬚とするにしかざるなり。これをしようと思えば、馬前に走り好んで草履をつかむ位では当たり前、外見も外聞にも頓着しないだけの屈辱に甘んじる。早く云えば、如才なく立ち回って長閥綱に飛込むが早道なりということだ。
軍人が国家を念頭にするのを第2として、個人の安心立命を本位とするのは嘆かわしいけれど、かく付炎随熱の弊風を助長し、腰抜け軍人の続出の原因となる罪は被等にではなく、長洲閥にあり。
長防二州より出でたる軍人の結成せる団体は一を一品会といい、他を同裳会という。一品会は藩公毛利の紋所の漠字の晶に似たるより斯く命名したもので、山県有朋、桂太郎、佐久間左馬太、大鳥義昌、長谷川好道、寺内正毅の宿将を始め、少将以上の者をことごとく。
これに属し陸軍部内の進級、配置は多くこの会幹部の秘密協議によって決するのが常であった。あたかも軍部の奥の院の観を呈していた。表面の手続はひっきょう世間を欺瞞する形式の手段に過ぎなかった。
同裳会は中央部、各師団より満洲、台湾、朝鮮、樺太に至るまで連隊長以上を網羅する長閥網であり、彼等は一品会の諸将を見ること師父の如く、如何なる命も投げ出さんと期し、諸将もまた陰に陽にこれを庇護して二者の関係はすこぶる緊密なるものがあった。
一品金といい、同裳会といい、その根本の主義は長閥の権勢を擁護するにありで、幾何かの基本金を蔵しし、わが藩の子弟中軍人志望者のために資金を給して一人でも多く後継者を養成しようとしていた。
<藤田組ニセ札事件、山県有朋ら長洲閥の汚職スキャンダル>
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