前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

『リーダーシップの日本近現代史』(270)★『佐藤一斎(86歳)いわく『少(しよう)にして学べば、則(すなわ)ち 壮にして為(な)すこと有り。 壮(そう)にして学べば、則ち老いて衰えず。 老(お)いて学べば、則ち死して朽ちず』

   

  『百歳学入門』(222)記事再録

「学びつづけること」が心も身体も健康にする。 「学ぶ人」は老いても衰えない。

仕事と長寿との関係でいえば、芸術家でも僧侶でも学者でも文字どおり、息の長い仕事をする人が多い。

 江戸後期の儒者・佐藤一斎(86)は、

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%90%E8%97%A4%E4%B8%80%E6%96%8E

数え年で八十八歳の長寿を得た高名な学者です。彼は当時としては隠居の年齢である六十歳を過ぎてから、語録『言志四録』に取組んでいる。

彼が、六十七歳から七十八歳までの十二年間に執筆した語録『言志晩録』(『言志四録(げんししろく)』の第三部)で、

 『少(しよう)にして学べば、則(すなわ)ち
壮にして為(な) すこと有り
壮(そう)にして学べば、則ち老いて衰えず
老(お)いて学べば、則ち死して朽ちず
 
と記している。

この最後の「老いて学べば、則ち死して朽ちず」は、紀元前六世紀の中国の思想家・老子の「死して亡びざる者を寿という」や、一斎が私淑(ししゅく)した中国十二世紀の儒学の権威・朱喜の「壮にして学ばざれば、則ち老いて衰う」といった言葉が出典と言われる。(松原泰道「戒語、早起きすべし」三笠書房、1998年 43P)

この『言志晩録』のこの語録を現代訳すれば

「人は少年のときに学んでおくと、壮年になって必ずそれが役に立ち、なにかをなすことができる。

壮年のときに学んでおくと、老年になっても、気力が衰えることはない。

老年になっても学ぶなら、それが人や社会の役に立つから、死んでもその名は朽ちることなく残る」

つまり、「若くして学べば、成人して何事か成し遂げるであろう、壮年にして学べば、年をとっても老いない、老いて学べば死んでも、その志は受け継がれていく」という意味ですが、まさに、このとおりではないでしょうか。

私は50歳になった頃、この語録を読み、心にスイッチが入りこれを座右銘にして壁に掲げました。

思い立ったら吉日、 何か物事を始めようと思ったら、日を選ばずにただちに着手する、それが啐啄(そったく)の機である。求めている自分の気持ちと語録がピッタリ共鳴し心にスイッチオンが入り、「この道を行こう」と未来が明るくなりました。
50歳、60歳、70歳からでも一条の光(強い志)を持ってコツコツ学び、修行を続ければ、老いても衰えることなく、自分の人生をしっかりと歩むことが出来る。自力本願を確信したのです。 

八十八歳まで勉強し続けた佐藤一斎の生涯

佐藤一斎は、江戸幕府が設立した儒学を中心に教える江戸湯島の昌平校(学校)の教授である。『言志四録』の第一部は 『言志録』で、彼が四十二歳から五十二歳までの約十年間の思索を綴っている。

第二部の『言志後録』は、一斎が五十七歳から約十年にわたって記した語録で、第三部は『言志晩録』で六十七歳から七十八歳にかけての十二年間に書きつづけた語録で、その晩年の人生論、養生訓、政治から経済、生活まで幅広くエッセイ風に書いたもので『講談社学術文庫』に全巻収録されています。

四部作の最終は八十歳のときに筆を起こし三年後の八十三歳のときに刊行された、いわば絶筆ともいうべき『言志耋録(てつろく)』 です。「耋」(てつ)とは「このうえない年齢までいった年寄り」といった意味の解説があります。具体的には八十歳の高齢者のことを指している。

102歳「忙しいよ」現役で畑仕事 沖縄・名護の新崎康信さん
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180415-00235813-okinawat-oki

 

夢に年齢制限なし! 79歳の新入生、胸に秘めてきた美容師の夢へ一歩
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/164379?yahoo=y&utm_source=yahoo&utm_medium=http&utm_campaign=link_back&utm_content=related

 - 人物研究, 健康長寿, 現代史研究, 湘南海山ぶらぶら日記

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
『リーダーシップの日本近現代史』(7)記事再録/日本国難史にみる『戦略思考の欠落』⑦明治政府が直面した「日本の安全保障問題」対外的軍備を充実、ロシアの東方政策に対する防衛策、朝鮮、 中国問題が緊急課題になる>

   2015/11/25/日本リーダーパワー史( …

no image
日本リーダーパワー史(290)「日本最強の宰相・原敬のリーダーシップー藩閥政治の元凶・山県有朋をどう倒したか②

日本リーダーパワー史(290)   「日本最強の宰相・原敬のリーダーシ …

no image
速報(88)『日本のメルトダウン』☆『動画座談会『原発体制の臨界』①-被災地の今(7月2日)』『福一事故の原因と現状、放射能』

速報(88)『日本のメルトダウン』   ☆『動画座談会『原発体制の臨界 …

『Z世代のための最強の日本リーダーシップ研究講座㉚」★『明治開国以来、わずか40年で日清、日露戦争で勝利したのは西郷従道の抜擢した山本権兵衛だった②』★『日清戦争前は世界の海軍力ランキング12位だった日本海軍は、勝利後は第4位に躍進した』

   日本海軍の最強コンビー西郷従道大臣、山本権兵衛軍務局長 西郷が再 …

no image
『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(75)』『音楽祭に「オザワ」の冠小澤征爾80歳への決意」『佐世保少女、暴走放置した父の世間体」 

     『F国際ビジネスマンのワールド …

no image
『リーダーシップの日本近現代史』(181)記事再録/★『高橋是清の国難突破力(インテリジェンス)①』『2014年現在の直面する5大国難は?!』ー 「福島原発の処理問題」「迫りくる大地震」「1000兆円突破 の国家債務」「急速に進む超高齢化・人口激減・少子化・ 認知症800万人」など、国難は複雑性を増している。 リーダーと同時に国民全体のインテリジェンス が求められる。』★『 「国、大なりといえども、戦いを好む時は必ず亡ぶ。国、平和といえども戦いを忘れた時は必ず危うし](史記)』

 2014/09/18/日本リーダーパワー史(524)(高橋是清のケー …

『Z世代のための日中外交史講座④』★『日中外交を最初に切り開いた副島種臣外務卿(外相)のインテリジェンス④』★『「日露戦争・戦略情報の開祖」福島安正中佐④副島種臣外務卿が李鴻章を籠絡し前代未聞の清国皇帝の使臣謁見の儀を成功させた秘訣とは!』

  2015/03/16 日本リーダーパワー史(554)記事 …

『リーダーシップの日本近現代史』(312)★『コロナパニック/国難リテラシーの養い方③』★『約百年前の関東大震災で示した<大日立>の創業者・小平浪平のリーダーシップ』★『他人の不幸による漁夫の利をしめるな』★『発明は技術者の命である』

     2011/04/07 &nbs …

『25年1月26日午前7時、逗子なぎさ橋珈琲テラスより4日間姿を表わさなかった<ビューティフル富士山>をうっとり拝顔し撮影した。」
no image
日本メルトダウン脱出法(707)安倍首相は戦後70年談話で謝罪してはならない-古田博司氏に聞く「続・東アジア3カ国との付き合い方」

   日本メルトダウン脱出法(707)   安倍首相は戦後70年談話で …