弁護士・正木ひろし(まさき・ひろし)の資料、記録について
膨大な裁判記録、資料、掲載記事の雑誌、新聞、図書、書簡、手紙などは2階建ての各部屋のあちこちに整理、別置されていた。記録し、保存することへの正木の強い意志のあらわれだが、死後、娘の正木美樹子氏がこれらを引き継ぎ、うち旧蔵書一七四〇点は昭和五三年に日本近代文学館に寄贈された。
所蔵資料の保管、分類、整理、展示して学際的な研究を行っている。
正木は弁護士、個人誌「近きより」による言論抵抗、戦後は数々の冤罪事件の弁護のかたわら旺盛な執筆などその活動は多岐にわたっている。
亡後8年目に、「正木ひろし著作集」(家永三郎、佐伯千仭、中野好夫、森永英三郎編)(全6巻)三省堂(1983年)が刊行されたが、これは全活動のほんの一部である。
第一巻は「首なし事件、プラカード事件、チャクレイ事件」(解説家永三郎)、第二巻は「八海事件(解説佐伯千仭)第三巻「三里塚事件、菅生事件、丸正事件、三鷹、白鳥、万能、唐紙、石和、観音堂、臓物衣料切符事件」(解説森永英三郎)」、第四巻は「社会・法律時評」(解説 中野好夫)
第五巻は「弁護士さん、評論・随想」(解説 奥平康弘)、第六巻「夢日記、若き日の断想、スケッチ集」(解説 森長英三郎)で、第六巻の巻末には略年譜と昭和十二年から昭和五二年までに新聞、雑誌などに発表した千百九十四本の記事の全著作目録が掲載されている。
前坂俊之「ジャーナリストとしての正木ひろし」静岡県立大学国際関係学部紀要「国際関係・比較文化研究」第一巻二号[平成15年]「正木ひろしの戦時下の言論抵抗」同「国際関係・比較文化研究」第一巻三号[平成16年]などがある。(2009年4月)
関連記事
-
-
オンライン講座・明治大正時代の政界黒幕・秋山定輔の国難突破力』★『秋山は日露戦争の勝因はロスチャイルド家のおかげだとして政敵の山県有朋・桂太郎首相を説得したインテリジェンスはスゴイよ』
2011年日本リーダーパワー史(121)日露戦争勝利はロスチャイルドの外債(戦費 …
-
-
百歳学入門(243)-『60、70歳から先人に学ぶ百歳実践学入門』講演禄(2018/3/23)-『60、70は洟垂れ小僧、洟たれ娘じゃ、男盛り、女ざかりは百から100から。百歳わしもこれから、これから(平櫛田中107歳)』
百歳学入門(243)― 『60、70歳から先人に学ぶ百歳実践学入門』講演禄(20 …
-
-
日本リーダーパワー史(500)近代日本興亡史は『外交連続失敗の歴史』-今こそ、勝海舟の外交突破力に学ぶ②
日本リーダーパワー史(500)   …
-
-
日本リーダーパワー史(175)『辛亥革命百年の真実』『孫文を助けた大アジア主義者・犬養毅らの熱血支援』
日本リーダーパワー史(175) 『辛亥革命百年の真実』 『孫文を助けた大アジア主 …
-
-
『オンライン動画講座/大阪自由大学読書カフェで三室勇氏が「デジタル化する新興国」(伊藤亜聖著)を読む(2021/09/11)』★『「イノベーション・ジレンマ」の日本は「デジタル後進国に衰退中』
世界競争力ランキング(IMD)で、1990年までは第一位をキープし …
-
-
人気記事再録/日本天才奇人伝②「国会開設、議会主義の理論を紹介した日本最初の民主主義者・中江兆民―②<その眼中には、国家のほかは何ものも影じない。兆民は伊藤博文、大隈重信ら元老連をコテンパンに罵倒す>
前坂 俊之(ジャーナリスト) …
-
-
日本リーダーパワー史(727)★(記事再録)『アジアが世界の中心となる今こそ120年前の 大アジア主義者・犬養毅(木堂)から学ぼう 』一挙、25本の記事全部公開する!
日本リーダーパワー史(727) アジアが世界の中心となる今こそ12 …
-
-
『湘南海山ぶらぶら日記/海外編(2022/6/22)』★『米国で『カブトガニ産卵地の海岸』を発見!』★『砂浜にカブトガニの殻があちこちに散乱していたというから驚く』
逗子なぎさ橋珈琲テラス通信(2025/10/08/am8) 202 …
-
-
『Z世代のための日本恋愛史における阿部定事件』★『男女差別、男尊女卑社会での、阿部定の「私は猟奇的な女」ですか「純愛の女」ですか』★『「あなたは本当の恋をしましたか」と阿部定はわれわれに鋭く突きつけてくる』
前坂俊之編「阿部定手記」(中公文庫,1998年刊)の解説より、 「阿部定、何をや …
