前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

世界リーダーパワー史(937)ー『トランプ大統領の弾劾訴追の可能性は?』★『弾劾訴追と上院、下院の関係の手続きはこうなる』

   

 世界リーダーパワー史(937)

★弾劾訴追と上院、下院の関係の手続きについて

弾劾については、最初からたびたび話題となっている。トランプ大統領の就任わずか1週間後に、「トランプを追放する方法」の1つとして週刊誌「ニューズウイーク」にも取り上げられた。

弾劾の規定は合衆国憲法第2条第4節にあり、「大統領並びに副大統領、文官は国家反逆罪をはじめ収賄、重犯罪や軽罪により弾劾訴追され有罪判決が下れば、解任される」と定めている。この弾劾のポイントは、反逆罪や殺人罪の重罪に限定しているのではなく、幅広く軽犯罪であっても弾劾できることです。

トランプ大統領の弾劾訴追理由は数多くある。

利益相反問題(トランプ氏が大統領就任後も自分の企業の所有権を手放さず、個人の利益と公務を分離していないこと)、ロシアゲート事件(ロシアが米大統領選に介入したとされる問題でロシア側とトランプ陣営との連携、情報漏洩、スパイ行為、金銭の授受などが数々の疑惑)、トランプ大学の詐欺訴訟(ニューヨーク州検察は13年、トランプ大学を詐欺罪で刑事訴追し、16年11月、この集団損害賠償訴訟で、総額2500万ドルを支払った事件)、大統領宣誓下での偽証罪、今回の不倫事件の口止め料を選挙資金から支払われたのではないかという選挙資金違反容疑や偽証罪など山ほどあります。

特に重大なのはロシアゲート事件で、もしトランプ氏がロシア側と連携したことを示す証拠が出れば、明らかに「国家反逆罪」で弾劾訴追される。

 前掲の「ニューズウイーク」が指摘するもう1つのトランプ氏をクビにする方法は、今回の「ニューヨークタイムズ」の匿名高官が検討していう合衆国憲法修正第25条のことで「副大統領と各省長官の過半数」が、大統領には「職務上の権限と義務を遂行できない」と判断した場合、「副大統領が直ちに大統領代理として、大統領職の権限と義務を遂行する」との規定です。これまでの日常的な常軌を逸したトランプの言動はこれに該当すると、匿名高官グループは判断し、そのタイミングを見図っているということです。トランプも震え上がったことでしょう。

そういえばお目付け役のペンス副大統領がこの2年間、ほとんど沈黙している点が大いに気になりますね」

連邦議会の弾劾手続きはこうです。

 

現在の下院(定数435)は、共和党236議席、民主党193議席などで、中間選挙では全議席が改選される。上院(定数100)は、共和党51議席、民主党47議席、無所属2議席。中間選挙では35議席が改選対象です。

弾劾訴追権は下院が、弾劾裁判権は上院が持つ。下院では下院議員は誰でも弾劾を発議でき、下院司法委員会が調査した後、下院全体で協議、下院の単純過半数(51%)が支持すれば、上院に送付する。上院の弾劾裁判では最高裁長官が判事となり、下院議員が検察、上院議員が陪審団となり、大統領は弁護人を指名できる。上院3分の2以(67%)の同意すれば、大統領は罷免される、残る任期は副大統領が昇格するというわけです。

これまでに罷免された大統領はいないが、最近ではクリントン元大統領が1999年に不倫疑惑での偽証をめぐってそれぞれ弾劾裁判に持ち込まれた。いずれも無罪となっている。ニクソン元大統領は74年、ウォーターゲート事件をめぐる司法妨害などで下院司法委員会が弾劾の勧告を決めたが、ニクソン氏が辞任したため弾劾裁判は行われなかった。」

  • 中間選挙の情勢は一変したのか

だが、これまでは弾劾裁判を行う上院、下院のいずれも与党・共和党が過半数を握る現状では罷免のハードルは高いとみられていた。ごく最近でも「アメリカ中間選挙、民主党の上院奪還は「絵に描いた餅」か」(「ニューズウイーク」9月1日付)などの記事も出ているほどだ。

とくに、「共和党が絶対多数の下院(下院(定数435)は、共和党236議席、民主党193議席などで、中間選挙では全議席が改選されるが、これをひっくり返すのは不可能」とみられていた。

ところが、情勢が一変してきた。中間選挙とは新任大統領の信任投票なのです。いつの大統領選でも注目州のオハイオ州の補欠選挙が8月7日に行われたが、共和党が大接戦の末にわずか1%未満の僅差で民主党に勝利した。この地区は前回トランプ氏が11%の大差の支持を得ていた共和党の厚い地盤地区です。

吉川圭一氏のブログ「トランプは中間選挙に勝てるか?―対イラン、対中国戦争は、いつ起こるか?」(8月21日)によると、この原因は共和党候補に投票した共和党支持者が82%なのに、民主党候補に投票した民主党支持者は91%とその差11%もあり、無党派層の3分の2も民主党に投票していた、といわれる。つまり共和党支持者も投票にトランプ離れを起こし、勢いで明らかに民主党にある。

この傾向は全米の世論調査でも明らかで、NBCとWSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)が7月に実施した世論調査では、民主党支持49%、共和党支持43%。エコノミスト誌等の調査では26%の無党派層がいて、このうち民主党支持34%対共和党28%、また米政治Weサイトの「The Hill」によれば、トランプ氏の共和党内での支持率は90%だが、全国的支持率は43.1%。不支持52.9%だった、といいます。トランプ氏は共和党をまとめる力はあるが、それ以外の人々の反感が高いということです。

時事通信によると、政治サイト「リアル・クリア・ポリティクス(RCP)」によると、トランプ氏の支持率は13日に40.8%となり、3月以来半年ぶりに41%を下回った。

また、CNNテレビで、支持率は前月比6ポイント減の36%となった。特に無党派層では前月比16ポイント減の31%で、政権発足後最低を記録した。

中間選挙で「共和、民主のどちらの候補に投票するか」を尋ねる世論調査(RCPの平均値)は、9月に入って以降、民主党が共和党を約8ポイント引き離している。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2018091500371&g=use

 

 - IT・マスコミ論, 人物研究, 戦争報道, 現代史研究

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

  関連記事

no image
日本メルダウン脱出法(637)【ウェブ対談:池田信夫×冷泉彰彦】慰安婦問題の本質とは何か」など8本

日本メルダウン脱出法(637)   【ウェブ対談:池田信夫×冷泉彰彦】慰安婦問題 …

no image
日本メルトダウン脱出法(787)[アングル:中国で深刻化する大気汚染、電気自動車の好機に]●[日本は移民政策が必要、労働力確保で中国に負ける可能性=河野担当相]●[(米国事情)自宅の修繕や工事なら“Amazon”で業者を呼ぼう]

  日本メルトダウン脱出法(787)    2015年の出来事を動画60秒間で振 …

no image
速報(58)『日本のメルトダウン』『放射能汚染水(殺人水)の海への流出を防げー梅雨と台風で困難な状況が続く』

速報(58)『日本のメルトダウン』 ●「放射能汚染水(殺人水)の海への流出を防げ …

no image
日本リーダーパワー史(406)『安倍首相は東京オリンピック誘致で最強のスピーチ力を発揮せよ」(2日後に迫る)

  日本リーダーパワー史(406) 『安倍首相はオリンピック …

no image
歴史張本人の<日中歴史認識>講義⑨袁世凱の顧問・坂西利八郎が「100年前の支那(中国)財政の混乱」を語る⑨

     日中両国民の必読の歴史の張本人が語る 「 …

no image
池田龍夫のマスコミ時評(24) 「非核三原則」を堅持し、実践をー核抑止の幻想を断ち切れー

池田龍夫のマスコミ時評(24)   「非核三原則」堅持し実践をー核抑止 …

no image
日本メルトダウン脱出法(759)「英国の中国傾斜に苛立つ米国–台頭著しい中国との外交」(英FT紙)」●「中国に急接近する英国:オズボーン・ドクトリン–議論もなく大きく舵を切る政府」(英FT紙)

 日本メルトダウン脱出法(759)   英国の中国傾斜に苛立つ米国&# …

no image
記事再録/日韓歴史認識ギャップの本人「伊藤博文」について、ドイツ人医師・ベルツの証言『伊藤公の個人的な思い出』

  2010/12/05 の 日本リーダーパワー史(107) …

no image
高杉晋吾レポート⑪「脱原発」「脱ダム」時代の官僚像ーー元、淀川水系流域委員長 宮本博司氏へのインタビュー(上)

高杉晋吾レポート⑪   ダム推進バリバリの元国交省エリート、宮本博司が …

no image
『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(143)』「山手線新型車両トラブル続発、JR東は、顧客に犠牲を払わせて、自社と自工場の育成を図ったのか、との批判の声!⁇

  『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(143)』   JR東日 …