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★『 地球の未来/世界の明日はどうなる』 < アメリカ・メルトダウン(1059)>トランプ大統領半年間のお笑い暴走暴言運転の支離滅裂。「ロシアゲート事件」「パリ協定離脱」で世界から見捨てられ空中分解、 墜落過程に入った。

   

★『 地球の未来/世界の明日はどうなる』

< アメリカ・メルトダウン(1059)>

トランプ大統領半年間のお笑い暴走暴言運転の支離滅裂。

「ロシアゲート事件」「パリ協定離脱」で世界から

見捨てられ空中分解、墜落過程に入った。

             前坂 俊之(ジャーナリスト)

           

<以下は515日までのトランプウオッチ。>

 

トランプ米大統領就任100日を経過し半年を迎えようとしている。素人・ビジネスマン大統領の操縦する「米大統領機」(エアフォースワン)は暴走暴言運転で離陸はしたもののダッチロールをくり返し、ロシアゲート事件、パリ協定からの離脱問題などで、いまや急降下墜落寸前の危機を迎えている。

いつものジャーナリスト3人による、この半年間の混乱、迷走、問題点、今後の見通しについて座談会を開いた。

コミーFBI長官はなぜ解任されたのですか

A)「かつて出演したテレビ番組で『おまえはクビだ!!』が決めセリフだったトランプ大統領は5月9日、連邦捜査局(FBI)のジェームズ・コミー長官(56)を突然、解任した。クリントン元国務長官のメール問題で、訴追を一旦、見送りながら、選挙投票直前に捜査を再開すると発表し、このためにクリントンは落選したといわれる行動を問題視しての解任だった。」

この解任劇は『ロシアゲート』と呼ばれ『ウオーターゲート事件』の再来として問題化し、司法妨害の有無を捜査する特別検察官が任命されて大統領弾劾事件に発展した。

トランプ大統領は米国憲政史上唯一、在職中に辞任に追い込まれたニクソン大統領と同じ運命をたどるのかどうか。お騒がせトランプ・スキャンダル劇場の第2幕の幕開けというわけです」。

B「突然、解任されたFBI.・コミー長官にも、寝耳に水だったと、いわれます。本人はロサンゼルスでFBI職員らへの訓示中に、近くにあるテレビのニュース速報で知った。最初は何かのドッキリだと思い、笑っていたが、慌てた部下が事実だと確認すると、訓示を止めて別室へ立ち去ったという。(CNN「米国史に残る権力乱用」511日)」

FBI長官の任期は10年。それが4年目で解任されてしまったコミー氏は、実はトげ―トランプが大統領選で勝利できたのは『彼のおかげ』といわれるほどの大恩人だったので、これはホントのドッキリ劇場ですね(笑)。」

 

C)「その大恩人をなぜくびにしたのか、というと、コミ氏は『ヒラリーのメール問題の捜査を再開する』と発表したのは昨年1028日。大統領選挙(118日)のわずか10日前のことです。この結果、ヒラリーの支持率は下がり、トランプの勝利につながった、といわれた。

当初、勝つとみられていたヒラリーは、『負けたのはコミーのせいだ』と怒りをぶちまけた。一方、トランプは大いに喜び、コミー氏を持ち上げてその勇気を称賛した、のです。

このため、トランプは大統領就任直前の今年16日、コミー氏に「留任」を依頼して、コミー氏もFBI長官の留任を受諾した。ところがこの蜜月関係が、4ゕ月後には一転して、ヒラリーの再捜査問題を理由にクビにするのは矛盾している、とメディアも民主党も大騒ぎ。トランプ自身の『ロシアゲート』隠しとして追及されているわけです」

A)「結局、就任後の4か月間にコミーとトランプの間に何があったのか。

トランプは大統領就任後の127日、コミー氏に会い、自分への忠誠を誓うよう求めたが、コミー氏はそれを拒否した、という。

さらにトランプは、夕食の席と2回の電話の計3回にわたり、自分が捜査対象になっていないかどうかをコミーに確認し、捜査対象ではないと言わせた、という。捜査の独立性を尊重するはずの大統領が、コミーに個人的な忠誠を求めたのです。

続いてコミー氏は320日、下院情報特別委員会では、「トランプの選挙陣営とロシア政府の関係について、昨年7月から捜査している」と語った。さらに解任される直前、「ロシアの選挙介入疑惑」捜査を進めるために、「予算増」を要求したという。

また、コミーは、マイケル・フリン前国家安全保障担当大統領補佐官とロシア側の関係をめぐる捜査を打ち切るよう大統領から求められたことをメモに残している、という」。

 

B)「コミー前長官がロシアゲート事件の上院情報特別委員会公聴会(68日)に提出した証言内容の書面の骨子が前日に同委員会から発表された。この中でコミー氏は、トランプ大統領からフリン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)に対する捜査の中止を要請されたと明言した。また、トランプ氏は合計9回コミー氏と一対一で会話し繰り返し「忠誠」を求めるなどしたという。具体的な2人のやり取りは

16日の会合でトランプ大統領個人を「捜査の対象ではない」といった。

127日、2人のホワイトハウスの夕食会で大統領は「忠誠が必要だ」「忠誠を期待する」といわれた。

214日、大統領が執務室で、フリン前大統領補佐官の捜査を「手放してほしい」といい、捜査中止を要求されたと感じた。

330日、大統領から電話でロシア疑惑捜査の「暗雲を取り払ってほしい」といわれ、さらに大統領個人を捜査していない「事実を公にする必要がある」と要請された。

411日 電話で忠誠を確認されたー

などというものです」。

A)「その68日の公聴会の質疑で注目されたポイントのやりとりを紹介すると、次のようになる。(質問-大統領はフリン氏追及をやめるよう指示はしていないのか)「言葉にはしていない」

 (質問―言葉にしていないということか)「命令ではない」

 (質問―指示と受け止めたが、大統領はそうはいっていないのか。)「その通りだ」

 

(質問―なぜ解任されたと思うか)「確かなことは分からない。大統領の発言によると、ロシア関連の捜査のせいだ。私の(捜査の)進め方が、彼に望ましくない圧力を作り出していると感じたようだ」

 

(質問―大統領が忠誠を誓えと言ったと証言しているが、ホワイトハウスは否定している。一どちらを信じるべきなのか)

 「証言の全体を見るべきだ。なぜ大統領は司法長官ら全員を執務室から追い出して私とだけ話そうとしたのか。捜査官としてこれは非常に大事な事実だ」

(日経610日朝刊)

この公聴会の終了後に、共和党は「トランプは捜査対象ではないこと、捜査を邪魔しなかったことが証明された」との声明。一方、民主党は「トランプは米国民にウソをつき、司法妨害で捜査される可能性がはっきりした」と正反対の声明を出し、対立がより激化した。「ロシアゲート」の追及はより激しさを増し、政治的混乱は長期化する見通しとなった。今後のトランプ政権の経済成長戦略、大型減税、オバマケア―の見直しなどの主要政策はこの事件の解明によって軒並み停滞する情勢となっています。」

 

<以下は半年後の7月からの記事>

 

オバマケア代替、また不発=トランプ政策に狂いも-米上院

http://www.jiji.com/jc/article?k=2017071800701&g=int

 

「ロシアゲート」事件で新事実:「トランプ・ジュニア」と「プーチン側近」の極秘交渉

http://www.huffingtonpost.jp/foresight/russia-gate-trump-jr_b_17532274.html

 

トランプ氏、CNNをプロレスでたたきのめすビデオ投稿

http://www.bbc.com/japanese/40477203

 

トランプ米大統領がメディアを辛辣批判 1時間超の独壇場

http://www.bbc.com/japanese/39000861

 

まるでリアリティー番組 芝居がかったトランプ米政権

http://www.bbc.com/japanese/video-40377409

 

米大統領報道官、半年で辞任=混迷深めるトランプ政権

http://www.jiji.com/jc/article?k=2017072200392&g=int

 

金委員長排除狙う可能性も=北朝鮮問題でCIA長官―米

http://www.jiji.com/jc/article?k=2017072200396&g=int

 

トランプ、ロシア疑惑捜査の矛先弱める手段検討 自身への赦免も?

http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/07/post-8034.php

 

次の覇権国はアメリカか中国か 勝敗を占う「カネの世界史」

http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/07/post-8029.php

 

人工島の軍事拠点化ほぼ完成–南シナ海、米中衝突のシナリオ

http://www.newsweekjapan.jp/ohara/2017/07/–.php

 

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