池田龍夫のマスコミ時評⑱米国連銀に、無利子預金1億300万㌦―財務相が「広義の密約」を認める
米国は当時、貿易収支の赤字が増えていた。米側はドル流出を食い止め、日本も25年経てば自由に使えるという利害のバランスの上で処理されたのではないか」と説明していたが、米国への利益供与の側面があったと考えざるを得ない。米連邦準備制度理事会(FRB)の政策金利は、無利子預金があった25年間、5~10%で推移しており、「高リスク運用をしなくても、数億㌦の利益はあったはずだ」と経済アナリストが推測している通りだろう。
意見書、リストは二部作成し、一部は赤ファイルの第1の箱に入れ、後任の条約局長・谷内正太郎氏に引き継ぎ、もう一部は藤崎一郎北米局長(現駐米大使)に送付した。有識者委員会では58点の全リストが明らかになっていないと思う。二重丸をつけた文書のうち8点は今回発表された。残り8点については見ていない」。
有識者委員会は「3密約の存在」を認定する報告書を提出したものの、「当然あるべき文書が見つからず、不自然な欠落も見られた」と、ズサンな文書管理を厳しく指摘していた。2001年4月の情報公開法施行を前に、当時の幹部が文書廃棄を指示していたとすれば、とんでもないこと。意図的に行われたものなら犯罪的行為であり、政府は〝文書消失〟の経緯などの実態解明を急ぎ、責任の所在を明確にすべきである。国民の「知る権利」を阻んできた歴代政府の暴挙が今回の「密約調査」によって明らかになり、「情報公開制度」の活用がいかに重要であるかとの〝教訓〟を残した。
鳩山民主党政権の誕生がければ、自民党政権は「密約」を隠し続けたに違いなく、政権交代によって「政府のウソ」を暴いた意義を評価したい。しかし、今回の密約調査・検証作業は〝出発点〟であって、ここで〝幕引き〟してはならない。「政治権力の監視」を執拗に続けていくことが、国民に開かれた民主政治確立の道を拓く原動力になるからである。
関連記事
-
-
最高に面白い人物史⑧人気記事再録★日本風狂人伝⑩ 尾崎士郎-「人生劇場」を書いた男の中の男
日本風狂人伝⑩ 尾崎士郎-「人生劇場」を書いた男の中の男   …
-
-
<F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(210)>『カタールの天然ガス輸出先は第1位が日本で全体の約21%』★『イランシンパのカタールを、テロリスト支援国家の役割から全面的に手を引かせる事が今回の国交断絶の主目』★『コラム:瀬戸際のカタール、事態収拾に元首交代も選択肢』●『国交断絶、小国カタールがここまで目の敵にされる真の理由』★『カタール、LNG契約交渉で日本側に強硬姿勢 権益排除も』●『イラン、日本への液化石油ガス輸出を停止=通信社』
<F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(210)> 『カタールの天 …
-
-
池田龍夫のマスコミ時評⑩ 「沖縄密約」情報開示訴訟 吉野文六氏らの証人尋問、12月1日に正式決定
池田龍夫のマスコミ時評⑩「沖縄密約」情報開示訴訟 吉野文六氏らの証人尋問、 …
-
-
★白石阿光作『近未来の<ガラパゴスジャパン>不条理ショートストーリー‼』★「戦争準備亡国論~国と国民はどちらが先に亡くなるか~」
近未来!不条理ショートストーリー<特別編> 「戦争準備亡国論~国と国民はどちらが …
-
-
「昭和史決定的瞬間/名シーン』-『1941年(昭和16)12月3日の山本五十六連合艦隊司令長官の家族との最後の夕餉(ゆうげ、晩ご飯)』★『家族六人一緒の夕食で山本も家族も何もしゃべらず無言のまま』(日本ニュース『元帥国葬」動画付)
山本五十六の長男が回想する父との最後の夕餉(ゆうげ) 昭和十六年(1941年)1 …
-
-
百歳学入門(180)★『人類が初めて遭遇する「寝たきり100歳社会」の悪夢〈医学の勝利が国家を亡ぼす』●『富士通 経営者フォーラム 「100歳社会への挑戦~リンダ・グラットン教授を迎えて』★『「平均寿命100歳を超える社会」にどう備えるか』
百歳学入門(180) 富士通 経営者フォーラム 「100歳社会への挑戦~リンダ・ …
-
-
『オンライン講座/ロケットの父・糸川英夫の加齢創造学』★『人間の能力は6,70歳がピーク』★『基礎体力と生産効率は関係がない』★『老人を食いものにする老人産業は日本だけ』 ★『若い内から継続的に自己啓発の習慣を身につける』★『若さの秘訣は自分に適当な負荷をかけること』★『人生の針をゼロに戻して、謙虚になること』
2012/04/11   …
-
-
<明治史研究の隠れた名著案内「人情観的明治史」(伊藤銀月著,明治45年刊)日清戦争の原因は朝鮮なり)フリー図書館
明治史研究の隠れた名著案内 …
-
-
人気リクエスト記事再録 『百歳学入門(186 )』-百歳長寿社会へのお手本『世界ベストの画家・葛飾北斎(90歳)の創造力、晩年学こそ長寿力』★『北斎こそ世界を席巻した「ジャポニズム」「ジャパンアニメ」「ジャパンクール」の元祖である』
2011年1月15日執筆<超高齢社会のモデル> 世界ベストの画家・葛飾北斎―90 …
-
-
『Z世代のための日中韓外交史の研究』★『日中韓サミット、5月下旬で調整 実現すれば19年以来(ブルームバーグ)の幻?」★『日清戦争1ヵ月前の新聞報道を読む④「清国流の詐術にひっかかるな」と国民新聞は主張』
ブルームバーグ(4月5日付)は「(韓国主導で)日韓関係の悪化で2019年12月を …
