『池田知隆の原発事故ウオッチ⑩』ー『最悪のシナリオから考えるー小出情報と南相馬市、桜井市長の話
『池田知隆の原発事故ウオッチ⑩』
『最悪のシナリオから考えるー小出情報と南相馬市、桜井市長の話
池田知隆(ジャーナリスト)
5/2(月)毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」から
(小出裕章・京都大学原子炉実験所助教の話です。
ラジオを聞き起こしたものが友人から送られてきました)
(小出裕章・京都大学原子炉実験所助教の話です。
ラジオを聞き起こしたものが友人から送られてきました)
原発事故のニュース、復旧作業、1号機の建屋に人が入れるように換気装置が設置されました。水素爆発で1号機内に大量の放射能があり、フィルター付きの装置4台で放射能を1/20に下げることを期待されています。放射能が下がれば、作業員が入れます。しかし、建屋の損傷によっては、放射能を出す配管も想定されています。
国会で緊急対策の第1時補正予算を審議し、原発の安全基準の見直しを菅総理が言っています。大きい災害があったことを想定すべきというのです。事故の検証と安全確保をするのですが、浜岡原発の再開を7月に控えて、大変なのです。運転再開に慎重なのです。
1号機のベントが、敷地内の作業員に知らされずに始まっていたのです。蒸気排出(放射能あり)で、作業員が共同通信に証言しています。ベントのことについて、一部の作業員に何も知らされて折らず、大量被爆の可能性があります。
そして、小出先生のお話、小佐古氏が学校の被爆の基準がゆるすぎると辞めたのですが、小佐古氏は小出先生の「けんか相手」であり、小出先生とは180度立場が異なり、浜岡の静岡の技術アドバイザーで、浜岡は絶対安全といってきた人なのです。浜岡は耐震性が問題になっているのです。ところが、今回の小佐古氏の意見は、小出先生の意見と同じで、小出先生、いつからどう変わったのかと言うことで、そういう人がこういう行動を取ることに、自分の子供にこんな体験をさせたくない、学者としてこういうことは、小佐古氏がこんなことを言うのは意外だが、発言は正しく、評価したいとのことでした。
助言するのに2時間しかしなかったと言うので、委員会は中立であるべきなのに、いつもこうなのです。国の案で妥当だと言っているのです。小出先生、国と裁判をやってきたが、専門家の委員会は審査をせずに結果を出してきたというのです。議事録なしで、誰が何を言ったのかはわからないのです。
1号機の建屋ないで人が入れるようにフィルターを付けるということ、わからないが、やらないといけない作業で、自分が現場にいたらやるが、うまくいくか不安である、汚染された空気は、あふれた汚染物のためであり、それはまた溢れてくるので、期待通りになるかは疑問、フィルターの効果は、そんなに難しいものではなく、今までも使ってきた、設置する作業が大変な被爆をするのでやらなかったのです。
設置するのが難しいのです。設置を容易にする(タービン建屋にも汚染水があふれていて、それを減らして行くのが大変)、このままではロードマップがだめになるのでやったということです。
水棺のこと、水を6トン→10トンにして、また戻したのは、小出先生の予想通りであり、水棺はやめるべきか、水棺が可能ならやるべきだが、格納容器の破損が進み、また格納容器の空気を圧縮して、もし水素があれば水素爆発の可能性があるのです。格納容器を満たす水を入れても、漏れているので満たされないのです。
ここまで、小出先生の指摘の後、事実を東電が認めているのですが、3月12日、地震翌日、ベントをする際に、作業員に知らされていなかったこと、感想は、意外である、ベントは知らせるのが通常であり、ベントは日本で今までやったことはなく、途方もない放射能を空気中に出すので、小出先生なら必ず知らせるのに、やっていなかった、ものすごく意外で、それほどの混乱にあったのです。
4号機の上空写真、損傷はないのでは、ということは、少なくとも、写真では、ラックは残っているものの、写真で見えたのはほんの一部であり、もっと広いところの情報がいる、一箇所でも漏れていたらアウトなのです。写真では、水の中に燃料があったので、少しほっとしたが、他の場所も見せてほしいとの事でした
(写すのが難しい?)。発表は2日に1回なので、これは毎日すべきなのです。
小佐古氏の辞任、野球にたとえたら、ナベツネがこの前のタイガース戦での誤審を認めるようなものであり(笑)、やはり、こういう人がやめるのは大変なことです。この小佐古氏、まるで、阪神の江本が、82年に「フロントがアホやから野球ができない」の原子力版のように思われました(泣)。今回も、貴重なお話でした。
続いて、南相馬市の桜井市長のインタビュー(この番組で3月末以来2度目)があり、お知らせいたします。桜井市長はタイム誌に、世界で最も影響力のある人の一人に選ばれています。
南相馬市は復興委員会の人が来て、被害により4つの地域に分割されている、南相馬の線量は郡山の線量より1/3という話、五百旗頭氏は初めて聞いたといいことです。現状を聞くだけで、質疑、意見交換を委員としたかったのに、話を少ししただけ(五百旗頭議長)、よろしくと言っただけなのです。具体的に、結果として地震、津波、原発で、災害避難民の1/4が南相馬市、1/2は原発避難民なので、それを踏まえて対策を取らないと、原発災害として取り組んでもらわないといけないとのことなのに、やっていないのです。
行方不明者の捜索は、3月末から、521名の遺体が確認され、806名の行方不明者があり、まだ見つからない人が多いのです。原発事故の収束なしに、南相馬の復興はないのですが、政府、東電の対応は変わっていません。今おきていることで原発が収束できるのか、わからないのです。水を入れる、窒素注入をすると言うだけで、収束するのか、判断できる材料が出ていないのです。
一時帰宅、4000世帯あるのに、みんなやきもきしている、連休にはやってくれると言ったものの、一人は入れるのか、二人なのか不明、時間も不明、避難している人が全国にいる(北海道から沖縄まで)ので、知らせるのも大変なのです。
20km範囲外の人も、避難している人の帰宅は進めやすいが、20~30km圏内のある人を、となると大変なのです。現実的にやれるのは、自治体の裁量に任せてほしいとのことなのです。自衛隊も入っている、そういう協力を求めたいのに、国は了解してくれないのです。20km圏内を抱える自治体を同一補償でやりたいというのが国のやり方です。
南相馬市を4つに分割(警戒区域、その他)すると、仮設が認められない、借り上げ住宅が認められない、20km県内の人に避難所を新たに用意している、本来、自主避難の形なら、そういう人に戻っていい、仮設を認めていいのに、国は頭が固いのです。生活インフラが成り立たない、仮設住宅も1戸500万円、借り上げ住宅は認めないと言われ、生活に近いところでの再建が認められていないのです。
生活資金、話し合いは、東電の対応、市内はひとつと言っているのに、東電は30km県外は違うといい、しかし東電の被害はそんなもので区切れない、同じ対応をしてくれと言っています。
物資は、幸いにしてガソリン、灯油は届いたものの、生活物資はスーパーも1軒しか開いていないが、3月末よりはましになっている、役所機能を充実しないといけないのに、連休でも役所を開いていないといけない、職員の疲労が高まっているのです。職員のやりくりをしながら連休を取りたいが、そうも行かない模様です。
国の応援は、経産省も申し入れて、保安院から3人、国から4人のスタッフが来ているのです。
市民の苦情を聞いており、生活資金、一時帰宅、計画避難区域の問題、事業所の移転、雇用の問題があり、様々な問題が寄せられています。
大阪の人に、抱えているのは大きいが、原発収束後、いまだかっていない産業を生み出さないといけない、原発からの復帰、世界の人の知恵を借りたいとの桜井市長のコメントが最後にありました。
現地の声、マスコミではなかなかありません。毎日放送ラジオ、たね蒔きジャーナルは、日本の誇りです!
瓢漫亭通信(池田知隆ブログ)
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