前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

尖閣問題・(資料)『琉球処分にみる<日中誤解>(パーセプション・ギャップ)<歴史認識>の衝突④『琉球朝貢考』清国新聞『申報』

   

 
 
尖閣問題・日中対立の先駆報道の研究

(資料)『琉球処分にみる<日中誤解>
(パーセプション・ギャップ)<歴史認識>
の衝突
 
 
清国新聞『申報』<明治6年(187356日付>
 
琉球朝貢考香港36日華字日報より>
 
琉球国は東方海上に位置し,その国土はあたかもほくろや鉄砲玉のように狭小である。その建国の起源については.考証する資料もなくはっきりしない。中国王朝が首都を燕京【北京】に定めると,琉球は率先して帰順し.あえて自ら王を称さず,柵封を受けることを懇請した。それ以後,朝貢の義務を忠実に順守し,代々属国として臣従した。
 
中国王朝の恩寵のもとで僻遠の地を統括し,連綿と国家の命運を保ってきた。
その間、終始,東南の藩屏として現在に至るも、以前として柵封を受けているので清国の属国でないというのは誤りである。
 
琉球の由来をかえりみると.その変遷過程はほとんど漠として明らかでない。その間,禅譲や革命による王統の交代が推移している。「隋書」に記載されている歓斯が考証できないばかりでなく,たとえ洪武・永楽帝のころ、初めて冊封を受けたとしても,そのときの琉球王は尚氏ではない。
 
今、子細に考証してみると,天孫氏の時代から現在の王まではおおよそ知ることができる。琉球の始祖については、最初太古の時代に宇宙の混沌の中から一男一女が生まれ,夫婦となって阿摩美久と呼ばれ.三男二女が生まれた。長男がすなわち建国の開祖天孫氏である。次男は最初の諸候,三男は最初の庶民となった。長女は君君、次女は祝祝と呼ばれて、国の守護神となり,1人は天神、1人は海神であった。
 
現在寺院に祭られ,手に日・月を擁して天満大自在天神と呼ばれる三頭六身の女神が.おそらくこれである。だが,これも史書には記述されていない荒唐無稽な伝説の最たるものである。25代までは姓氏がいずれも考証できない。洪荒乙丑の年から宋の淳熙(じゅんき)13年,丙午の年に卑ると,逆臣利勇が王を毒殺して自立するに至った。だが,浦添按司舜天に討たれて利勇は殺された。諸按司たちは舜天を奉じて王位につけたので.天孫真氏ついに滅亡した。
 
舜天は日本の天子の子孫で,3代の子孫を経て英祖に禅譲し,英祖から西威までおよそ5代続いた。その後,察度氏が興り,その賢明・有徳の士であることはかねてから知られ.人々もこれに心服していたので,西威に代わって即位するに至った。だが,2代を経て山南王思に併合され,それ以後は代々尚氏となり現在に至っている。
 
この間、景泰元年には国王思達が百佳尼を派遣して中国に朝貢した。
 
翌年には察祚らを派遣して朝貢し,また亜間美らを派遣して朝貢した。こうして連年にわたって史書に朝貢に関する記述の見られない時代はなく、いまだかつて明朝と国交を断絶したことはなかった。
 
一方,日本の歴史を考察すると,明の万暦27年に義久は琉球を攻略し,これ以後琉球から入貢したのは10回に及ぶことが史書に記載されている。すなわち,清朝の康7年に当たる日本の寛文11年,康53年に当たる天和2年.このとき琉球は新しい銀貨を鋳造して上納した。
 
さらに,享保3年(康57年).寛延2年(乾隆14年)・寛政2年(乾隆55年),寛政8年(嘉慶元年)・文化3年(嘉慶11年).天保3年(道光12年).天保13年(道光22年)である。
 
このように,当時琉球は日本に入貢していたが.またわが中国にも服属していた。その進貢船とともに使節が中国に来朝したことは.当然明確に考証することができる。したがって,日本がどうして琉球を自国の所有とすることができるであろうか。
琉球の民船が台風のためわが国に漂着すれば,救助・保護を加えるのは当然のことであり、どうして日本がそれに異議を唱えることが許されるだろうか。
 
たとえ台湾危害を蕃人から危害を加えられても.彼らは化外の民であり、中国の民には属さない。英米諸国の航海者がこのような災難に遭遇しても,それでわが中国との間に不和を生じたことはいまだかつて聞いたことがない。
 
日本は一方的にわけもなく事を構え.遠路使節を派遣して抗議するに至ったが,彼らがわが中国に有為な人材がないとそしるのは誠に笑止千万である。
 

 - 現代史研究 , , , , , , , , , , , ,

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
日本リーダーパワー史(465)「東京都知事選ー「脱原発」細川・小泉連合軍の圧勝か?、安倍政権終わりの始まりか①」動画座談会(40分)

  日本リーダーパワー史(465) ★「東京都知事選ー「脱原 …

no image
日本リーダーパワー史(439)日米中韓150年戦争史②『征韓論の深淵』大院君は日本の外交関係などへとも思ってなかった②

 日本リーダーパワー史(439)   日米中韓150年戦争史をしっかり踏まえて …

no image
●「 熊本地震から2ヵ月」(下) 『地震予知はできない』ー政府は約3千億円を つぎ込みながら熊本地震まで38年間の『 巨大地震』の予知にことごとく失敗した。(下)<なぜ地震学者は予知できないのか。ゲラー氏は 『地震予知は科学ではない』という>

  「 熊本地震を考える」 『地震予知はできない』ー政府は約3千億円を つぎ込み …

no image
速報「日本のメルトダウン」(517)2014年、「第3次日中戦争」は勃発するのか?東アジアの緊張が高まる年に』

 速報「日本のメルトダウン」(517) 2014年、「第3次日中戦争」 …

no image
『リーダーシップの日本近現代史』(193)記事再録/<クイズ>-今から160年前の1860年(万延元年)2月、日米通商条約を米ホワイトハウスで批准するため咸臨丸とともに米軍艦の蒸気船『ボーハタン号』で太平洋を渡たり、全米の女性から最もモテたイケメン・ファースト・サムライはだれでしょうか?!

    全米女性からラブレターが殺到したファースト・サムライ …

no image
『鎌倉釣りバカ人生30年/回想動画記』⑨『百歳・生涯現役・超人カヌーイストへの修行の道-鎌倉海で「海上禅」の寒中修業中・ブルブル!。ハクション!、おお寒いわの巻』★『鎌倉海で自然・無を楽しむ』★『海上禅の極意は7ヵ条』 

   2011/12/18 <鎌倉釣りバカ、カヤッ …

no image
速報(408)『日本のメルトダウン』『●『中国経済が転倒しかねない理由』●『インドは世界の強国になれるか?』

 速報(408)『日本のメルトダウン』   『中国・習近平体 …

★『Z世代への遺言・日本ベストリーダーパワー史(2)ライオン宰相・浜口雄幸物語②』★『歴代宰相の中で、最も責任感の強い首相で、軍縮・行政改革・公務員給与減俸』など10大改革国難打開に決死の覚悟で臨み、右翼に暗殺された』

  2013/02/15  日本リーダーパワー史( …

no image
速報(477)『放射能汚染水阻止の総合対策本部と特攻隊を結成せよ』「汚染水処理問題、放出準備に着手すべき=米専門家」

  速報「日本のメルトダウン」(477) ●今からでも遅くな …

『Z世代のための米大統領選連続講座⑱』★『米大統領選挙直前、緊急情報!(11月5日)』★『最後の世論調査結果では両者は「横一線」僅差で並ぶ!』

逗子なぎさ橋珈琲テレワークー「北斎流富士山ウオッチ」(11月5日am700) 前 …