日本リーダーパワー史(508)日中韓150年戦争史②「日清の戦争は文野の戦争なり(文明の衝突なり」(福沢諭吉)
2019/03/18
日本リーダーパワー史(508)
◎<日中韓150年対立・戦争史を踏まえて「脱亜論」でアジア
侵略主義者のレッテルを張られた福沢諭吉の「日清戦争
開戦論」の社説を読み説く>②ー
<海洋進出と領有権を主張して日本・フィリピン・ベトナムとの対立をエスカレート
させている中国の膨張政策≪核心的利益政策)は120年前の日清戦争当時と
全く変わっていない。韓国が中国にすり寄って歴史認識問題で日本との
溝深めているが、その行動パターンも清国の属国だった<小中華・韓国>
と同じものである。
もともと「親中国・韓国派」であった福沢は西欧列強によるアジア併呑に
危機感を募らせて、韓国の独立のため教え子の井上角五郎を送りこみ、
金玉均らの「朝鮮独立党」を全面支援したが、ことごとく妨害にあい、
ついに堪忍袋の緒をきっての「日清戦争開戦論」であった。
昨今の対中・韓・北朝鮮外交のすれ違い、ネジレ、対立のエスカレートの経験と
対比させながら、福沢の主張を読むと、その正当性がよくわかる。>
前坂 俊之(ジャーナリスト)
「日清戦争は文野の戦争、と福沢諭吉」〔1894(明治27)7月29日 時事新報〕
●「日清の戦争は文野の戦争なり(文明の衝突なり」
朝鮮海・豊島の附近に於いて日清両国の間に海戦を開き、我が軍、大勝利を得たるは、昨日の号外を以って読者に報道したる所なり。そもそも今回の葛藤に付き、日本政府が注意の上にも注意を加え、ひたすら平和の終結を望みたるは隠れもなき事実なるに、世の中に自から身の分限を知らず、物の道理を解せざるほど怖しさものはあるべからず、かの支那人は自から力の強弱を量(はか)らず、無法にも非理を推し通さんとして、ちつとも悛(あらた)むる所なきより、やむを得ず今日の場合に立ち至りて、開戦第一に我が軍をして勝利の名誉を得せしめたり。
我輩はこの一報に接して、漫(まん)に驚喜して狂するものにあらず、開戦第一に我が軍の勝利はもとより日本国の大名誉として祝すべしといえども、我が軍人の勇武に加うるに、文明精鋭の兵器を以ってかの腐敗国の腐敗軍に対す、勝敗の数は明々白々、あたかも日本刀を以って草を掃うに異ならず、触るる所として倒れざるものなきは尋常一様の事にして、ちっとも驚くに足らず、ただ予め期する所に違わずして、日本の軍人果して勇武にして、文明の利器果して利なるを喜ぶのみ。もとより僥倖の事にあらずとして、さて日清闇の戦争は世界の表面に開かれたり、文明世界の公衆は果していかに見るべきや。
戦争の事実は日清両国の間に起りたりといえども、その根源を尋ぬれば、文明開化の進歩を謀るものと、その進歩を妨げんとするものとの戦いにして、決して両国間の争いたあらず。本来日本国人は支那人に対して、私怨あるにあらず、敵意あるにあらず、これを世界の一国民として、人間社会に普通の交際を欲するものなれども、いかんせん彼等は頑迷不霊にして、普通の道理を解せず、文明開化の進歩を見てこれを悦ばざるのみか、反対にその進歩を妨げんとして、療法にも我に反抗の意を表したるが故に、やむを得ずして事のここに及びたるのみ。
すなわち日本人の眼中には、支那人なく支那国なし、ただ世界文明の進歩を目的として、その目的に反対してこれを妨ぐるものを打ち倒したるまでのことなれば、人と人、国と国との事にあらずして、一種の宗教争いと見るも可なり。いやしくも文明世界の人々は、事の理非曲直を云わずして、一も二もなく我が目的の所在に同意を表現せんこと、我輩の決して疑わざる所なり。
かくて海上の戦争には我が軍勝ちを得て、一隻の軍艦を捕獲し、千五百の清兵を倒したりと云う。思うに、陸上の牙山にても既に開戦して、かの屯在兵を鏖(みなごろし)にしたることならん。かの政府の挙動は兎も角も、幾千の清兵はいずれも無辜の人民にして、これを鏖(みなごろし)にするは憐れむべきがごとくなれども、世界の文明進歩のためにその妨害物を排除せんとするに、多少の殺風景を演ずるは到底免れざるの数なれば、彼等も不幸にして清国のごとき腐敗政府の下に生れたるその運命の拙なきを、自から諦むるの外なかるべし。
もしも支那人が今度の失敗に懲り、文明の勢力の大いに畏るべきを悟りて、自からその非を悛め、四百余州の腐雲敗霧を一掃して、文明日新の余光を仰ぐにも至らば、多少の損失のごときは物の数にもあらずして、むしろ文明の誘導者たる日本国人に向かい、三拝九拝してその恩を謝することなるべし。我輩は支那人が早く自らから悟りて、その非を悛めんこと希望に堪えざるなり。
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