世界/日本リーダーパワー史(897)『米朝会談は5月に迫る、トランプの仕掛ける貿易戦争では日本もターゲットにされた。 トランプ大統領と蜜月の安倍首相は、寝耳に水の窮地に立たされている。
2018/03/31
世界/日本リーダーパワー史(897)-
安倍首相が森友学園をめぐる財務省の公文書改ざん問題でピンチに立たされている、世論調査の支持率は40%を割り込み、野党は辞任せよとの大合唱である。今後の行方は見通せない。
国家のトップリーダー、総理大臣に一番必要な要件とは何か,まず、①高い政治的理念、リーダーシップと決断力②長期の国家ビジョン戦略の作成と実行力③ マネージメント能力(組織改革、人事刷新、新技術の導入)④ 情報公開と卓越したスピーチ、説明能力⑤ グローバル・リテラシーとタフネゴシェーター(外交・交渉術のプロであり、海外のリーダーとも渡り合える見識と迫力)⑥以上の総合的・戦略的な判断力と同時に出口戦略力も欠かせない、
出口戦略とは政策の結果であり、成果を上げて、勝負に勝って点を取ったということだ。終わりよければすべてよしというではないか。プロセスよりも結果がすべてである。
そのためにはスピードが勝負を分ける。先手必勝、100パーセントでなくても勝っているうちに早期に決着を図る、スピード出口戦略、必勝法が、武田信玄の「風林火山」の軍略である。
「勝ちすぎはおごりを生じ、負けに通じる、6分の勝利、5分5分の痛み分けで、相手にも勝ちを分けるのが最上の戦法という「武田軍略」の教えは戦争でも外交交渉でも、政治の駆け引きでも肝に銘ずべき要諦であろう。
日本人の行動形式の基本である「和」を尊ぶ、集団合議制で、全員一致方式、多数決方式、小田原評定で延々と会議を繰り返し、スピードなし、スローモー以上のだらだら会議は踊る、されど決せずが、日本興亡史の敗北の最大の要因なのである。
これが「死に至る日本病」(習慣病)なのである。
(憲法改正問題「安保論議」「日中韓、北朝鮮、ロシアとの外交交渉」(消費税値上げ問題)「すでに死語と化したアベノミクスの結果失敗」「日銀の出口戦略なし」「ゼロ金利の先延ばしの先延ばし」はすべてこの日本病による。
さて、世の中のスピード変化、グローバリズムの急拡大、第4次産業革命、AI(人工頭脳)、IoT革命の大波に日本は転覆寸前である。
そこに、北朝鮮問題は急展開し米朝会談は5月に迫ってきた、トランプの仕掛ける日本もターゲットに含まれる貿易戦争の勃発した。
トランプ大統領と最も相性の良いといわれてきた安倍首相にとっても、寝耳に水の事態で、窮地に立たされている。
「1発食らわして、脅して、そのあとにとり引きする強硬外交、恫喝外交のタフネゴシエーター・トランプ大統領に対して「ノーといえない日本」「ケンカできない、心優しき戦争を知らない軍国少年の安倍首相」の矛盾・愛憎関係がそこに透けて見える。
真のトップリーダーには「卓越したスピーチ、説明能力」とともに「断固ノーといえる柔軟腰」が欠かせない。次の日米会談では安倍首相の柔道技、柔軟技に期待したい。
関連記事
-
-
日本リーダーパワー史(302)今、ジャーナリストは戦時下の認識を持ち>原発報道と日中韓歴史認識を『国際連盟脱退』と比較する⑨
日本リーダーパワー史(302) –3.11福島原発事故 …
-
-
★『 地球の未来/世界の明日はどうなる』 < アメリカ、メルトダウン(1047)>『トランプ大統領は弾劾訴追されるのか』◎『FBI長官解任劇:トランプ大統領の「真意」と「波紋」 「ウォーターゲート」を越えるか? ワシントンを巡る混乱』★『はたしてトランプ大統領は弾劾されるのか? 』●『トランプ大統領は、弾劾訴追から逃げ切れるーウォーターゲート事件との決定的違いとは?』★『トランプ問題で麻痺する共和党―危険な袋小路に入り込んだ米国、誰も勇気を出せない悲劇』(英FT紙)』★『 災い招く米国:トランプノミクスが危険な理由 (英エコノミスト誌)』
★『 地球の未来/世界の明日はどうなる』 < アメリカ、メルトダウン(1047 …
-
-
世界史の中の『日露戦争』①英『タイムズ』米「ニューヨークタイムズ」は「日露戦争をどう報道したか」を読む①
『日本世界史』シリーズ 世界史の中の『日露戦争』①- …
-
-
★5日中韓外交の教科書―英国タイムズが報道「日清戦争の真実」➁日本は故意に戦争を選んでいないが,準備は怠らなかった」
日中韓外交の教科書―英国タイムズが報道の …
-
-
終戦70年・日本敗戦史(144)石井四郎ー「悪魔の細菌部隊」731部隊を創設、中国でコレラ戦を展開
終戦70年・日本敗戦史(144) <世田谷市民大学2015> 戦後70年 7月 …
-
-
池田龍夫のマスコミ時評(46)●『普天間飛行場・固定化」を危惧―★急浮上の「グアム先行移転」計画―』
池田龍夫のマスコミ時評(46) ●『普天間飛行場・固定化」を危惧― …
-
-
『Z世代のための日本戦争史講座』★『「ハーグ、ジュネーブ条約」を無視して捕虜を虐待、 死刑を指示した東条首相の『武士道は地に墜たりー目には目、歯には歯を』★『陸軍反逆児・田中隆吉の証言』①
2015/05/27 …
-
-
世界が尊敬した日本人(54)ー『地球環境破壊、公害と戦った父・田中正造②「辛酸入佳境」、孤立無援の中で、キリスト教に入信 『谷中村滅亡史』(1907年)の最後の日まで
世界が尊敬した日本人(54) 月刊「歴史読本」(2009年6月号掲載) 『地球環 …
