前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

日本リーダーパワー史(851)-『安倍首相の「国難突破解散」は吉と出るか、凶と出るか『政界の一寸先は闇』★『安倍解散は「策士、策に溺れる」ことになる不吉な予感がする。』★『宰相、政治家にとって、一番大切なことは『信なくば立たず』である。』●『外国メディアは安倍解散を酷評、WSJ【社説】安倍氏の総選挙、メイ首相の二の舞いか』

      2017/10/04

 日本リーダーパワー史(851)

 衆議院は9月28日召集の第194臨時国会の冒頭で解散された。これに先立ち、民進党は両院議員総会を開き、前原誠司代表が提案した新党「希望の党」(代表・小池百合子都知事)への合流を決定した。

このため、民進党は事実上の解党となる。自由党の小沢一郎共同代表も28日、希望の党への合流に前向きな考えを示した。これまで停滞を続けていた日本の政治状況は一挙に流動化してきた。

安倍首相の「国難突破解散」は果たして吉と出るか、凶と出るか、

『政界の一寸先は闇」である。

安倍首相のここぞとばかり攻め込んだ解散のタイミングで、慌てふためいて窮地に追い込まれた前原民進党が希望の党へ逃げ込んで、合流し戦陣を立て直してきた。これに国民世論が味方すれば、前原軍+小池軍はその追い風にのって反撃に転じることになるだろう。

果たして、この選挙の戦(いくさ)はどうなるか。

平家物語の一節、「 祗園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。おごれる人も久しからず。ただ春の夜の夢のごとしたけき者も遂にはほろびぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。」が浮かんできた。

この間の、安倍政治をふりかえると、

みなさんご存知の通り。その政治姿勢、言うことががコロコロ変わる。不動の信念がない。計4回の内閣改造。消費税引き上げの2度の延期、政策、公約のスローガンも毎年次々に付け替えて、目先を変える。

「アベノミクス』と言い『戦後レジームからの脱却』『地方創生』『人づくり革命』『女性活躍社会』『働き方改革』『1億総活躍社会』『生涯現役社会』などなど。国の借金は膨れる一方で、黒田日本銀行総裁もこれに同調し、物価2%値上がり目標を実現できなけれなやめると宣言したのを、これまた4年間も先延ばししたままだ。

安倍解散は「策士、策に溺れる」予感が漂う。

策略を好む人は策をめぐらしすぎて、逆に失敗することがあるということ。おごり、自己過信に陥るとこういう結果になる。

宰相にとって、政治家にとっても、一番大切なことは「国民からの信頼、信用」である。『信なくば立たず』である。

これは孔子の言葉で、あるとき、弟子の子貢が、孔子に「政治の要諦(肝心かなめ)は何ですか?」と問うた。

 孔子は、「兵と食と信である」と答えた。

 子貢がさらに「三つのなかで一番大切なものは何か?」と問うと、

 孔子は「兵を捨て、食も捨ててもいい。しかし、『信』だけは捨ててはならない。『民は信なくば立たず(民無信不立)』」と答えた、という。

安倍政治にはこのカナメの「信」が欠けている。

国民愚弄政権の哀れな末路か 安倍自民完全墓穴の自爆解散

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/214442/4

 

外国のメディアは安倍解散を酷評した。

【社説】安倍氏の総選挙、メイ首相の二の舞いか

http://jp.wsj.com/articles/SB11796923856471564839804583415710489408762

 

政治空白に不安の声も=衆院選の行方見守る-米【17衆院選】https://www.jiji.com/jc/article?k=2017092800751&g=pol

 

英メディアが日本の衆院解散を酷評した理由 これは「野党混迷」と「北朝鮮危機」への便乗だ
http://toyokeizai.net/articles/-/190720

 

 - 人物研究, 現代史研究, IT・マスコミ論

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
日本メルトダウン脱出法(692)「悲願の憲法改正の可能性を消した安倍政権3つの誤り」「日本は、中国ガス田開発に対抗できないー残念ながら日本の反論は間違っている」

    日本メルトダウン脱出法(692)   悲願の憲法改正の可能性を …

no image
軍神・東郷平八郎の真実

1軍神・東郷平八郎の真実静岡県立大学教授 前坂 俊之1 『タイム』の表紙に掲載さ …

no image
『リーダーシップの日本近現代史』(182)記事再録/★『高橋是清の国難突破力(インテリジェンス)②』★『「明治のリーダー・高橋是清(蔵相5回、首相)は「小さな 政治の知恵はないが、国家の大局を考え、絶対にものを恐れない人」 ★『政治家はすべて私心を捨てよ』(賀屋興宣の評)

    2019/09/25 &nbsp …

『世界漫遊記⑪/パリ・モンパルナスぶらぶら散歩』★『モンパルナス地区のカラフルでアートな商店街を楽しむ』

    2015/05/11 &nbsp …

★『鶴岡八幡宮の秋の例大祭は10月6日(日)に開催。恒例の「流鏑馬神事」が午後1時から挙行される。』★『鎌倉流鏑馬の動画ハイライト集の一挙公開、アメイジング!?

鶴岡八幡宮の秋の例大祭は10月6日(日)に開催されるが、恒例の「流鏑馬神事」が午 …

『六十、七十,洟たれ小僧の湘南海山ぶらぶら日記』/『つり竿さげて、鎌倉海をカヤックフィシングでさかな君と遊べば楽しいよ』★『「半筆半漁」「晴釣雨読」「鉄オモリをぶら下げて」鎌倉古寺を散歩すれば、悠々自適!』

以下は2011年7月7日に書いた「湘南海山ぶらぶ日記」の再録である。約10年前は …

no image
<日中韓三国志・新聞資料編>『朝鮮王妃・閔妃暗殺事件の新聞報道』(『ノ―ス・チャイナ・ヘラルド紙』1896年1月31日付)

<日中韓三国志・新聞資料編>   『日清戦争の原因となった朝鮮王妃・閔 …

no image
★『 地球の未来/世界の明日はどうなる』 < アメリカ・メルトダウン(1059)>トランプ大統領半年間のお笑い暴走暴言運転の支離滅裂。「ロシアゲート事件」「パリ協定離脱」で世界から見捨てられ空中分解、 墜落過程に入った。

★『 地球の未来/世界の明日はどうなる』 < アメリカ・メルトダウン(1059) …

no image
日本風狂人伝⑨ <泉鏡花・幻想文学の先駆者は異常な潔癖症・・>

  日本風狂人伝⑨             2009,6,25 &nb …

no image
『リーダーシップの日本近現代史』(271)★『日本敗戦(1945/8/15)の日、斬殺された森近衛師団長の遺言<なぜ日本は敗れたのかー日本降伏の原因>★『日本陸軍(日本の国家システム中枢/最大/最強の中央官僚制度の欠陥)の発足から滅亡までを 日露戦争まで遡って考えないと敗戦の原因は見えない』★『この日本軍の宿病ともいうべき近代合理的精神の欠如、秘密隠ぺい主義、敗因の研究をしない体質はその後の日本の官僚制度、政治制度、国民、政治家、官僚も払拭できず、現在の日本沈没に至っている』

  2010/02/10 /日本リーダーパワー史( …