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日本リーダーパワー史(850)-『安倍首相の「国難突破解散」は吉と出るか、凶と出るか、いずれにしても「備えあれば憂いなし」である』③★『民進党解党→小池新党へ合流で、安倍首相が落選の危機?』●『危機感ゼロの「遅れた政治」と国難感度ゼロ の『ピンボケメディア』★『マッカーサーは 憲法は自由に変えてくださいといった。それを70年も続けている『大バカの壁」』

      2017/09/29

 日本リーダーパワー史(850)

政治の世界のスピード変化も早い。25日に安倍首相が記者会見して、28日開会の衆議院の冒頭解散を表明し「国難突破解散」と命名した。

 そして、26日、27日と2日間経過した段階で、「希望の党」に小池都知事が就任し、民進党は希望の党との合流を発表し『民進党解党→小池新党へ合流で、安倍首相が落選の危機?』https://news.yahoo.co.jp/pickup/6255515

まで急展開している。

<衆院選>民進党の前原誠司代表が無所属で出馬へ
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170927-00000095-mai-pol
日本リーダーパワー史(848)ー『安倍首相の「国難突破解散」は吉と出るか、凶と出るか、いずれにしても「備えあれば憂いなし」である』★『リーダーの心得は「リスク計算して最悪に備える」「悲観的に準備し、楽観的に実施せよ」②』
http://www.maesaka-toshiyuki.com/person/26915.html
 

安倍首相の「国難突破解散」は果たして吉と出るか、凶と出るか、

いずれにしても「備えあれば憂いなし」だが、『政界の一寸先は闇」である

なぜこのタイミングで安倍首相は解散に踏み切ったのか、その真意!。

 

「読売」(9月26日付4面、解散の舞台裏)によると、トランプ氏は、11月10~11日にベトナムで開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議に向かう途中で日本には4~6日に来日する、という。APEC中には習近平主席とも首脳会談を予定、対北朝鮮へ制裁圧力の効果と反応、その対応について協議する予定だ。もし、この会談が不調に終われば、軍事圧力も検討にはいる。

安倍首相は9月初めロシアに飛び、プーチンに国連安保理での北朝鮮制裁の圧力に賛成を求め、9月11日、の国連安保理ではロシア、中国も含めて追加制裁決議の全会一致の採択を取り付けた。

外務省からは「北朝鮮への制裁の効果が出るまでの今後、数ヵ月間、年末までは米軍も軍事行動に出る可能性は低い」との見方が示された。また、来年になれば北朝鮮では何が起きるかわからない。米国も我慢の限界が来る。この間の一瞬期間に解散に打って出るしかない」とギリギリの10月選挙の選択に踏み切った、という 「国難突破解散」のが、どうやら真相らしい。

 

危機感ゼロの『遅れた政治」とさらに遅れた国難感度ゼロ

の『ピンボケメディア』

この『国難突破解散』について久しぶりに朝日の論説を読んでみた。

社説「大義なき解散「首相の姿勢」こそ争点だ」の見出しで

 ①森友・加計問題とあわせ、首相にとって不都合な状況をリセットする。民主主義の根幹である国会の議論を軽んじ、憲法と立憲主義をないがしろにする。

核・ミサイル開発をやめない北朝鮮にどう向き合うか。北朝鮮外交については衆院議員を不在にする解散より、与野党による国会審議で行うべきものだ。

今回の衆院選の最大の「争点」は何か。少数派の声に耳を傾けず、数におごった5年間の安倍政権の政治を、このまま続けるのかどうかが、問われている。

さらに、根本清樹論説主幹の座標軸「憲法ないがしろの果てに」(9月26日付)もほぼ同じ内容である。

 国の最高法規に背を向け、国権の最高機関を軽んじ、安倍首相が衆院解散を表明した。憲法あれどもなきがごとし、である。2度目の「解散権の乱用」「疑惑隠し」があからさまな今回の判断に、大義は見いだせない。

 安倍政権の5年近くは、憲法に対する横紙破りの連続だった。その最たるものが、集団的自衛権の行使を憲法解釈を変えて認めたことである。9条の条文を改正しない限りできないとしてきた歴代内閣の立場をあっさり捨てた。」と朝日新聞の持論の「憲法を守れ」を繰り返している。

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以上総括すると、いつもの「国内問題』に終始、特に朝日の特ダネの『森戸,加計問題の真相究明」を最優先で主張し、日本の国際的な地政学的危機には無関心なのか、北朝鮮船問題にはほとんど触れていない。

「憲法を守れ」「憲法9条が国を守る」『国会で議論せよ」「総理は説明責任を果たせ」の大合唱である。「話し合い、説明をすればなんでも解決する」と思っているノー天気ぶりである。

1932年(昭和7)の5・15事件で、時の犬養毅首相は首相官邸で暗殺された。これが、日本の議会政治の終焉となり、あとは「軍人首相』(近衛首相以外)が続いた。

クーデターを起こした海軍の若手将校らが首相官邸に乱入し、首相にピストルを突き付けた。犬養は「まあ、落ち着け!座って話を聞こう。話せばわかる」と押しとどめると、勇み立った軍人たちは『問答無用」とさけび、ピストルを3発発射した。77歳の議員生活一筋の犬養首相が暗殺された瞬間である。

なぜ、5・15事件をここで引き合いに出したか。民主主義、議会主義は話し合いがルールである。これに対し「話し合いの拒絶」『問答無用」というのが軍国主義、ファシズム、独裁主義であり、北朝鮮である。

北朝鮮問題はいかに難しいか。このギャップがあるからだ。

北朝鮮問題では過去20年以上「話し合い、制裁、話し合い」の繰り返しで、問題は一向に変わらず、北朝鮮は核ミサイルの開発をその間もひそかに続けてきたので、今回の最悪の事態に至たってしまった。

国連安保理の度重なる協議、話し合い、制裁を『問答無用』と拒否して、ついに核ミサイルの開発成功にこぎつけたのだ。

今後のチキンレースの行方は一層、不透明、やばい状態になってきた。

一方の「憲法改正70年」の小田原評定のバカさ加減

「憲法改正の論議にしても」『安保問題にしても」話し合っても、話し合っても、問題は一向に結論がです、与党、自民党の勇み足、野党側の徹底抗戦という政治対立、混乱の生んで、先送りに、先送りにされた結果、国際政治の変化のスピードについていけず、憲法の残って、国危うしという事態に陥った。つまり、話し合っても、はなしあっても、わからない、結論、妥協できないのジレンマである。

マッカーサーは 憲法は自由に変えてくださいといっている。 それを70年たった現在まで延々と続けている『バカの壁」
日本リーダーパワー史(685)『吉田首相と新憲法』ーマッカーサーは 憲法は自由に変えてくださいといっている。 それを70年たった現在まで延々と「米国が新憲法を 押しっけた」「いや日本が押しっけられた」と非難、 論争するほど無意味なことはない。
 http://www.maesaka-toshiyuki.com/person/15257.html

ーーーーー

  • 日本の安全保障の最大の問題は「朝鮮半島有事」である。日清、日露戦争も朝鮮半島有事がきっかけで戦争勃発した、そのとき、国会はいずれも冒頭解散して、万一の場合、有事に備えた。

日本リーダーパワー史(847)ー『安倍首相は25日午後に衆院解散の記者会見して、理由を表明する』★『明治150年で朝鮮半島有事と日清、日露戦争、今回の米朝開戦か?と衆議院冒頭解散の歴史的な因果関係を考える』①

http://www.maesaka-toshiyuki.com/person/26896.html

 

この場合の、明治の賢明なトップリーダーの国家リスク管理、『万一にそなえて、準備する』「悲観的に準備し、楽観的に実施せよ」とのインテリジェンスは成功し、その後の明治大発展の契機になったのである。

日本リーダーパワー史(843)★『新刊「世界史を変えた『明治の奇跡』(インテリジェンスの父・川上操六のスパイ大作戦、海竜社 2200円+税)を出版』★『川上のインテリジェンス(知性、智慧、智謀、スパイ、諜報、謀略なども含む概念)を知ることこそ、明治の奇跡を解くキーワード』
http://www.maesaka-toshiyuki.com/person/26384.html

今回のトランプ対金正恩の非難合戦の行方は、まだ予想が出来ないし、世界はかたずを飲んで見守っている。日本にとって、過去70年間で最大の朝鮮半島有事の危機が迫ってきたことは間違いない。いわば「国家非常時」の到来である。

安倍首相の認識で、明治の先例にならって、この時期での解散を打って出て、「万一に備えて準備することは」適切な判断と思う。解散の名目は本音を隠して後づけしたものである。

北朝鮮問題の行方の深刻さを政府も政治家もマスコミも国民も全く理解できていない。対岸の火事視しているが、核戦争が勃発するかどうかの、日本の生存危機なのである。マスコミはそれは危機を煽っていると反論するだろうが、≪危機に対して備えなくていいのか≫という問題である。

戦争になって、日本が大惨事になる可能性も決して低くはない。話し合いのテーブルに北朝鮮を引っ張り出して、どのような解決への道をつけるのか、その交渉過程は難路で、険しい。キッシンジャーの予測するように、日本は核武装に向かうのか、その論議だって憲法改正論議と同じく、国民を2分する延々と続く『永久不毛論議』に落ち入り、日本は「超少子高齢化衰退国」として、その間に沈没してしまっているだろう。

 - 健康長寿

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