日本リーダーパワー史(848)ー『安倍首相の「国難突破解散」は吉と出るか、凶と出るか、いずれにしても「備えあれば憂いなし」である』★『リーダーの心得は「リスク計算して最悪に備える」「悲観的に準備し、楽観的に実施せよ」②』
2017/09/29
日本リーダーパワー史(848)ー
安倍晋三首相は25日、官邸で記者会見し、28日の臨時国会冒頭で衆院を解散すると正式に表明し、「国難突破解散」と命名した。緊迫化する北朝鮮情勢への政府の対応についても国民に判断を仰ぐ考えも示した。
同時に、「生産性革命」と「人づくり革命」を挙げ、2019年10月に予定される消費税率10%への引き上げを前提に「使い道を思い切って変えたい」とも強調、20年度の基礎的財政収支(PB)黒字化目標の達成は困難との見方を示した。
結局、安倍首相の判断では北朝鮮の水爆実験、ICBMの成功による国難迫る情況のピンチと連続オウンゴールの民進党の転倒をチャンスと捉え、選挙のタイミングはこの10月しかないと「兵は拙速を尊ぶ」とばかり、総選挙に打って出たのであろう。
前回では「朝鮮半島有事」の際には国会はいずれも冒頭解散している例を紹介した。
日清戦争の場合、議会は「軍備充実より、民力休養」を唱えて、伊藤内閣を追い詰めた。
樺山資紀海相は軍艦も欲しいが、さらに鉄を作る製鋼所の建設も急がねばならぬと、議会に500万円を要求したが野党の島田三郎らは「軍艦を作る金で民力を養え」と猛反対にあい「海軍大学々生十七人のために、教官十七人、事務官41人を雇い、生徒一人の費用に二千四百円も使っているのはどういうわけだ」と樺山に逆に食いついた。
この点は以下に詳述している。
終戦70年・日本敗戦史(120)日清戦争はなぜ起きたか、清国海軍に対抗して宮廷費を削減し軍艦建造費に回した明治天皇
http://www.maesaka-toshiyuki.com/war/8832.html
日露戦争の場合はどうか。
「万朝報」の幸徳秋水、堺利彦ら社会主義者が『非戦論』を唱え、反対の論陣を張った。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%9E%E6%88%A6%E8%AB%96
日本の新聞ジャーナリズムの発展=
http://www.maesaka-toshiyuki.com/massmedia/3837.html
によると、
電通の前身である日本広告株式会社と電報通信社が設立されたのも1901(明治34)年であった。編集面では国際通信綱が整備され、「大阪朝日」はロイターと契約し,「大阪毎日」も海外通信員を配置するなど海外ニュースに力を入れた。
1904(明治37)年の日露戦争は日本の浮沈を賭けた戦いだったが,新聞界はほぼ一致して主戦論を展開し,開戦を唱えた。
唯一,非戦論を唱えていた「萬朝報」も最後に開戦論に転換して,幸徳秋水,内村鑑三らが退社する。その後、堺利彦や幸徳らは日本で最初の社会主義的新聞「平民新聞」を創刊して,非戦論,平和論を貫いた。
日露戦争後の新聞は商業化、企業化が本格的に進んだ。「新聞は戦争で発展する」といわれるが,「大阪朝日」「大阪毎日」は大きく飛躍して全国紙に発展する土台を作った。
日露戦争開戦1か月前に突然の冒頭解散の「奉答文事件」がおきて、国民の開戦論議を一蹴、主戦論に固まったのである。
日本リーダーパワー史(782)『明治政治史の謎を解く』★『秋山定輔が仕掛けた日露戦争の引き金となった前代未聞の奉答文事件の真相」
http://www.maesaka-toshiyuki.com/longlife/23793.html
日本リーダーパワー史(783)『明治政治史の謎を解く』★『秋山定輔の国難突破の政治力ー秋山が仕掛けた日露戦争の引き金となった前代未聞の奉答文事件の真相を語る」
★『第十九回の帝国議会はわずか半日足らずで解散になり、河野広中議長も職を解かれた』
http://www.maesaka-toshiyuki.com/longlife/23809.html
では、今回の安倍首相の「国難突破解散」の判断は吉と出るか、凶と出るか、いずれにしても「備えあれば憂いなし」である
民進党や一部のメディア(新聞、テレビなど)が「森掛疑惑隠し解散」「大義なき解散」などと主張、解散に反対していた。
しかし、これは「木をみて森をみず」の視野狭窄の態度である。狭い狭い「永田町政治」だけを見て、「第2次大戦以降最大の国際政治激変期」という世界情勢の地殻変動が見えないのである。というよりは、あえて見ない、目をつぶる。
江戸時代は『地震、雷、火事、オヤジ』が怖い順番だった。カミナリが鳴り出すと、いつもは威張っているオヤジどもは、急に震えだして、子供には「おへそ」を取られるよ、としかりつけ、一緒に『布団をかぶって、クワバラ、クワバラ」とブルブル震えていた、という。
(この解説*大宰府に流された菅原道真が、憤死して雷神と化し、復讐をしたと言われています。 この時、道真の故郷にあった「桑原」にだけは、雷を落とさなかったそうです。 後に、雷除けのおまじないとして「くわばら、くわばら」と唱えるようになった、ことからきている。)
つまり、江戸時代の封建的な迷信『ガラパゴス思考』がいまだに日本では横行している、と言いたいのです。カミナリ,天気,気象については、ほぼ同時期の、米国の独立宣言起草委員のベンジャミン・フランクリンhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%B3
はもともと科学者であり、カミナリで電気が発生すること、そのカミナリよけの避雷針を1752年(宝暦2)に発明しているのです。つまり、アメリカでは科学的合理主義思想が発展していたのに、日本では鎖国思想、迷信の世界に埋没し非合理的な封建主義から目覚めていなかったのです。
ちなみに歴史的因果関係にふれますと、この2年後の1754(宝暦4)年には幕府の命令で薩摩藩は木曾川の堤防工事に従事させられます。 この難工事で、完成に10年以上を要して100人以上が死傷して、藩を揺るがす膨大な出費、経費が薩摩藩を揺るがす危機に陥ります。
これに恨み骨髄の薩摩藩は、この時、内心で『討幕の怨念に』に火が付いたのです。
さて、話が脱線しましたが、日本全体にいまも抜きがたい「ガラパゴスジャパン主義」(鎖国的、伝統的、非科学的、非合理的な日本思考)があります。政治しかり、経済しかり、マスコミしかりです。
いうまでもなく、
日本は世界の中の日本で有り、アジアの中の日本である。日本だけの日本ではない。こうした日本しかみない思考が『ガラパゴスジャパン』そのものなのです。
政治家の最低の条件とは国家リスクを常に念頭におくことである。「森戸学園」「加計学園」などの問題は、総理側との金のやり取りや国の不正な関与の疑惑があれば、それは刑事事件であり、検察の捜査に任せばよい国内問題であろう。
北朝鮮問題は国の存亡に関する重大問題で、森戸学園、加計学園問題などとは比べものにならない。この自明な小問題にあくまで固執する民進党の知的狭窄症には、これまでもそうだったが、あきれ返る。
北朝鮮は水爆実験、核搭載ICBMの実験成功を世界中に誇示、豪語して、アメリカ本土を攻撃する、もちろん日本も壊滅させると脅迫してはばからない。
個人がこのような脅迫メール、言葉を吐けば、即逮捕されるネット社会である。国連安保理の反対、国際社会の反対を完全無視して、強行する『テロ国家」「ならず者国家」の暴走、脅迫を、回りは『ハラハラ、ドキドキ」、右往左往しながら見守っている。
日本はさしずめ『布団をかぶって、クワバラ、クワバラ」とブルブル震えて、雷が通過するのを神頼みしている状態にちかい。
「ホントか、ウソか」『本気か、クレイジーか』-北朝鮮のいつもの誇大宣伝、大風呂敷ではないのか、いや既に核搭載ICBMをもったのは事実である、とかメディアでも侃々諤々の論議が続いているが、テレビの芸能ニュースのノリで、お茶の間のゴシップにしていて、いい問題ではない。
1945年以来、戦後の日本人は、「最悪に備える」態度を全く失ってしまった。最悪を想定するのを怖がって、目をつぶり、忘却するのである。忘却したからと言って、事故は必ず起こる。その結果、備えがなければ3・11の福島原発事故のように、最悪のケースに直面して、右往左往の大混乱をきたす。
政治家、リーダーの心得は、平素から万一将来起こるかもしれない不測の事態に備え、危機管理の原則、方法論を作って、最悪に備えることであろう。
そうした態度は今の政治家には全く消えてしまった。
≪危機管理の第一条≫
トップリーダー、首相の国家リスクの心得は「リスク計算して最悪に備える」「悲観的に準備し、楽観的に実施せよ」ということだ。さらに、もし、最悪の被害が生じたときには、それへの対応措置を講じてその被害を局限して,宰出来るだけ小さくとどめる措置を講じることーが必要であろう。
北朝鮮問題は今後どうなっていくのか、全く予断を許さない、核搭載のICBMの備えがなければ、対処を誤れば日本の被害は甚大なものになる。今回の選挙は『国家リスク』を考える選挙にしたい。
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