日本リーダーパワー史(800)ー『明治裏面史』★『 「日清、日露戦争に勝利』した明治人のリーダーパワー、リスク管理 、インテリジェンス⑯『明治裏面史』ー『桂首相の辞表提出と伊藤の枢密院議長就任、日露開戦内閣の登場』★『その裏で「明治の国家参謀」と言われた玄洋社/頭山満の盟友/杉山茂丸の暗躍した』
2017/05/02
日本リーダーパワー史(800)ー
「日清、日露戦争に勝利』した明治人のリーダーパワー、リスク管理 、
インテリジェンス⑯
桂首相の辞表提出と伊藤の枢密院議長就任、日露開戦内閣の登場
この桂太郎首相、伊藤博文、山県有朋の2大元老の三者会談の内幕については一又正雄著『杉山茂丸―明治大陸政策の源流』(原書房、1975年)でも、詳しく触れている。
桂は、元老会議の翌日の六月二十四日、山県を立会人として、首相官邸で、伊藤博文と会談した。徳富蘇峰の「山県伝」によると、桂は御前会議で決定した対露方針を実行するには、自分では力不足であるから、伊藤、山県の二元老のいずれかが内閣の首班になってほしい、と辞意をもらした。
が、その本意は桂自身、内閣を投出すというより、『こう伊藤にゴネられては何もできないという不平をぶちまけたととるべきであろう』というもの。桂首相の後見人である山県有朋元老も、このとき、伊藤に、『片寄った一徒党の首領などは当分止めたらよかろう』とまで言ったが、伊藤は聴き入れなかった。
伊藤と物別れで帰ってきた桂首相に対して、児玉源太郎と杉山茂丸は『すぐ辞表を出して、葉山に引っ込んで、決して出てくるな』と勧めた。
ここで、突然出てくる杉山茂丸とはいったい何者なのか。
「明治の黒幕」「明治の国家参謀」と言われた玄洋社の頭山満の盟友の杉山茂丸である。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%89%E5%B1%B1%E8%8C%82%E4%B8%B8
読者にとってはこの桂、児玉、杉山の関係がよくわからないだろうが、この3人は日露戦争を開戦に導く秘密結社を結んでいたのである。
<★秘密結社を杉山、児玉、桂の3人で結んだー>
児玉と杉山は「秘密結社」をつくり、明治31年以来秘かにロシアとの戦争を誓い、34年、桂内閣の成立に際てはし、児玉がその産婆役を勤め、桂もまた秘密結社に加わり36年4月、ロシアの満洲不撤兵はますます「対ロシア問題解決」の機運を促進した。>
日本リーダーパワー史(522)『「明治の国家参謀・杉山茂丸に学ぶ」⑦「児玉源太郎、桂太郎と 「日露戦争開戦」の秘密結社を作る」
http://www.maesaka-toshiyuki.com/person/306.html
桂は、直ちにこれを実行に移し、二十五日には閣議を開いて閣僚の辞表をとりまとめ、松方の勧告をも斥けて、七月二日には、参内して、辞表を出したが、天皇は聴許せず、辞表を却下され、病気静養せよとの御沙汰があった。
桂は三日、静養のため、家をあげて美山の長雲閣に移った。
徳富は、山県伝で、「桂首相の辞表を提出するや、時局の難に鑑み、国論の帰一を図って、ロシアと折衝する急務を認め、伊藤をして政友会を脱し、枢密院議長に棚上げし、元老一致して満州問題を解決するために桂内閣改造の策を講じた。」としている。
では一体この策を立てたのは誰だろうか。
これも、明治の国家権力の中枢部の地下で「もぐら」として暗躍した杉山茂丸である。
日本リーダーパワー史(517)<日本最強の参謀は誰だったかー「杉山茂丸」①>http://www.maesaka-toshiyuki.com/person/1130.html
日本リーダーパワー史(476 )<日本最強の参謀は誰か-「杉山茂丸」の研究② ><日露戦争開戦前に、
児玉源太郎を参謀次長に引っ張り出し、対ロシア戦を秘密協議した「無隣庵会議」にも参加していた。
『明治国家の大参謀』怪傑・杉山茂丸の証言は・・・」
http://www.maesaka-toshiyuki.com/person/1122.html
関連記事
-
-
<国難日本史ケーススタディー②『「臥薪嘗胆」-三宅雪嶺のインテリジェンス』ー知恵と勇気の古典に学ぶ②
<国難日本史ケーススタディー②> 『「臥薪嘗胆」-三宅雪嶺のインテ …
-
-
日本メルトダウン脱出法(859)「日本をもっと優秀な国にするために最初にすべきこと 卓越性、多様性、流動性をつけたければ「逆」の排除を」)●「若者のフェイスブック離れが進む“SNS疲れ”の深層」●「中国のアジア戦略が失速、日本への態度も軟化? 強硬な戦略がもたらした「不都合な結果」とは(古森義久)」●「日本株式会社:よみがえった国家介入主義M&Aブームの陰に経産省あり(英FT紙)
日本メルトダウン脱出法(859) 日本をもっと優秀な国にするために最初にすべきこ …
-
-
日本リーダーパワー史(677) 『日本国憲法公布70年』『吉田茂と憲法誕生秘話 ③『東西冷戦の産物 として1ヵ月で作成された現憲法』③ 『憲法9条(戦争・戦力放棄)の最初の発案者は一体誰なのか』その謎を解く
日本リーダーパワー史(677) 『日本国憲法公布70年』 『吉田茂と憲法誕 …
-
-
『Z世代のため百歳学入門』★『平櫛田中(107歳)、鈴木大拙(96歳)の教え」★「六十、七十 はなたれ小僧、はなたれ娘、人間盛りは百から、百から」 平櫛田中』★『人間は過去と他人は変えられないが、自分と未来は変えられる。老人は過去から、未来に生きるスイッチに切り換えなさい」(鈴木大拙)』
2024/06/02 記事再編集 <写真は25年5月7日午前7時に、 …
-
-
『日中歴史張本人の 「<日中歴史認識><中国戦狼外交>の研究⑨』★『100年前の中国財政は混乱し債務不履行に』★『1904年(日露戦争後)には月給は馬蹄銀、その後には円銀で、銀貨に代わって紙幣になった』★『毎月の月給が支払われなくなり、ついに2年半後に坂西が帰国するまで払われなかった』★『月給を支那語で「薪(まき・たきぎ)水」といって、現物支給となった』
2015/01/01記事再編集 以下は坂西利八郎が1927年(昭和二 …
-
-
★10・世界一人気の世界文化遺産『マチュピチュ』旅行記(2015 /10/10-18>「神秘に包まれた『マチュピチュ』の全記録、一挙公開!」陸野国男(カメラマン)③
◎< 世界一人気の世界文化遺産『マチュピチュ』旅行記 (2015 /10/10- …
-
-
片野勧の衝撃レポート/太平洋戦争とフクシマ原発事故『悲劇はなぜ繰り返されるのか』<ヒロシマ・ナガサキ・フクシマ>①
片野勧の衝撃レポート 太平洋戦争とフクシマ原発事故 『 …
-
-
速報「日本のメルトダウン」(487)「新しい日中関係を考える研究者の会」日本記者クラブ動画会見」「習主席、多国籍企業トップ称賛
速報「日本のメルトダウン」(487) &nb …
-
-
日本リーダーパワー史(431)「ワシントン軍縮会議をまとめた加藤友三郎(首相)は「冷徹で大局的に判断した人」(賀屋興宣)
日本リーダーパワー史(431) ★「明治のリーダー・ワ …
-
-
日本メルトダウン脱出法(630)●『津波後の日本:遅々として進まない復興(英エコノミスト誌)『原発停止という巨大な「不良債権」
日本メルトダウン脱出法(630) ●『津波後の日本:遅々として進ま …
