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日本リーダーパワー史(475)<日本最強の参謀は誰だったのかー「明治国家の大参謀」杉山茂丸の研究①>

   

  日本リーダーパワー史(475)

 

<日本最強の参謀は誰だったかー「杉山茂丸」①>

 

今、世界中で展開されている日中韓、米国を巻き込んだ非難合戦、外交力のつばぜり
合いをみて一番感じるのは「日本版NSC」だけではなく、国際交渉力を備えた政治家
はもちろんその<参謀役>がいないということだ。

明治の「坂の上の雲」の奇跡はどのよう実現されたのか。伊藤博文、山県有朋、陸奥宗光、山本権兵衛、川上操六などのトップリーダーの活躍と同時に参謀役として
玄洋社の「杉山茂丸」らがいたためである。

ケタ外れの雄弁とインテリジェンスで元老たちを手玉に取り、日露戦争の
勝利に貢献した「明治国家の参謀」を杉山茂丸をみてみる。

 

前坂俊之(ジャーナリスト)

 

<以下は「東亜先覚志士記伝(下巻)昭和11年の復刻版、原書房 
昭和
41年」の人物列伝より>

 

杉山茂丸

 

http://homepage3.nifty.com/DS_page/sugiya_s/hyakuma.htm

 

 1864年(元治元)、筑前福岡に生る。父・三郎平は藩の儒者で号を灌園と称し、水戸学派の頑固一徹の士。明治二十年頃までチョンマゲを載いていた程の人物である。

茂丸はその長男で、幼名は秀雄、七歳の時、黒田家の先代・黒田長溥(くろだ ながひろ)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%92%E7%94%B0%E9%95%B7%E6%BA%A5

 

の近侍となり、名を茂丸と賜い、家に在っては父灌園から厳格な教育を受けた。

 

長じて父の家塾で漢学教授の業を助けたり、耕作や鍬の柄、下駄の製作等に従い、或は小学校の教師をも勤めたが、早くから自由民権の思想を奉じ.ルーソーの民約論に深き感化を受けて、明治十三年17歳の時、東京に上り初めて政治運動に身を投じ、四方の志士と交わった。

 

当時、彼が如何なる政治運動に従ったかは自著『百魔』の中に『演説をせず、人寄せをせず、名前を売らず、恐喝をせず、国を傷め民を惑わす者にだけ向って、睨みつけて直接に大義名分を説いてその

改悛を迫り、先づ人間でできるだけの親切と忠告の努力をした最終には直に生首を掻っさらってしまう』との主義綱領とした『首浚い組の棟梁』を以て自ら任じていた、とあるによって知られるが、その目指す目標が「薩長藩閥」であったのはいうまでもない。

 

このような行動のために、官憲の弾圧を受けて同志は次々に獄に下り、彼も名を林と改め、東都に身を置けない窮地に陥り、或は各

所の天水桶に身を潜めたり、あるいは義人侠婦に庇護されたりして追究の手を逃れ、ついには新聞売り子にまで身を落とし日を送っていた。

たまたま明治二十年、元福岡県学務課長・八重野範三郎、佐々友房の勧めにより、当時、東京芝口の田中屋旅館に滞在中であった頭山満を訪問した。

頭山が「斯くまでにゆかしく咲きし山櫻惜しや 盛りを散らす春雨」

の一首を引いて『才は沈才たるべし、勇は沈勇たるべし、孝は至孝たるべし、忠は至忠たるべし、何事も気を負うて憤りを発し.出たとこ勝負に無念晴らしをするは、その事が仮に忠孝の善事であっても不善事に勝る悪結果となる。

これ故に平生無私の概念に心気を鍛練し、事に当たっては沈断不退の行をなすを要とする。足下の考へはどうか知らぬが、お互いに血気にはやって事を過まらぬだけは注意したい』

 

と説いたのを聞いて、かつ然頓悟、爾来、頭山と一心同体となって国事に尽くさんとする覚悟を定め、相携えて絶えて久しき郷里福岡に帰り、更始一新の活動へと踏み出したのである。

 

 その当時、彼が活動の綱領とした五項目は、

 

 

  郷国割拠の風を打破すること、

  天下に気脈を通ずること、

  郷国独立の資源を開くこと、

  地方的開発の事業を起すこと

  実社会の事物に接することというにあったが、その手始めとしての活動は元老院議官であった安場保和の人物手腕に着目し、これを福岡県県令に拉し来て,頭山と提携せしめたことで.安場が福岡県令なるに及び道路の開墾.鉄道の敷設、門司の築港、海軍所有の炭鉱の開放等が着々と行なわれて、九州の天地に産業勃興の機運が盛り上がった。

 

次いで来島恒喜が大隈重信外相に爆弾を投じて条約改正案を葬ると、杉山はその共犯として博多で逮捕され一時獄に下ったが、無罪出獄の後は荒尾精と謀って支那(中国)問題、朝鮮問題に力を注ぎ、上海や香港に赴いて対支貿易の発展に志し、一方、結城虎五郎

http://spysee.jp/%E7%B5%90%E5%9F%8E%E8%99%8E%E4%BA%94%E9%83%8E/1164758

 

を助けて朝鮮経営の素地を造るため釜山近海の金策島の漁場開拓を企てさせた。

この間、天稟の才を発揮して伊藤博文らに親近し、玄洋社同人中にあって彼のみは特殊の軌道をたどって政界の巨頭との関係を深め.これによって国策遂行上、偉大なる役割を演ずべき立場を造って行ったのである。

 

 爾来、その行動は寒間に潜む臥龍の如く殆んど端倪を許さないものがあった。彼の長子・夢野久作こと杉山泰道が父について『彼は実際、目的のために手段を選ばなかった。子分らしい子分を一人も近づけないまま、万事、ただ一人の智慧と才覚でもって着々として成功して来た。彼はいつも右のポケットに2,3人の百万長者を忍ばせていた。そうして左のポケットにはその時代時代の政界の大立物を2,3人から、45人を忍ばせつつ、彼一流の活躍を続けて来た。『俺の道楽は政治だ」と口癖のように彼はいい続けて来たが、しかし彼が果してどんな政治を道楽にして来たか知っている者は一人もいない。

 

同時に彼の左右のポケットに入れられている財界、政界の巨頭がどうして彼のポケットにころがり込んできたか、もしくは転がり込まされてきたか、知っているものは一人もいないようである。そうしてただ驚いて、感心して、彼のことを怪物、怪物と評判して彼のためにチンドン屋たるべく利用されていたようである」といっている通り、非常に親密な間柄の者でない限り、彼の行動はほとんど把握し難い一種の謎のような裏面の行動であった。

 

小美田隆義

http://kotobank.jp/word/%E5%B0%8F%E7%BE%8E%E7%94%B0%E9%9A%86%E7%BE%8E

 

が越後の石油鉱区の植利を得て巨富を収めた頃は、これと提携して大に活躍し、日清戦争後は竹内綱.大江卓らが京釜鉄道敷設を計画しながら、収支採算が立たぬため、これを放棄するのを見て、対韓政策上これを座視すべからずとして、小美田の邸宅を担保に資金を調達することとして復活の途を開いたのや、単身、米国に渡航し一片の紹介状も持たずに世界一の大富豪・モルガンに面会してー億三千万ドルの外資借入の仮契約を結んで帰朝し、消極主義の政府当局を鞭撻すると共に、政治家を揃って操縦してついに日本興業銀行の創立の端を作ったことは彼の暗中飛躍の最も著しいものである。

 

その頃の活動は最も痛烈辛辣を極めたもので、いやしくも国家の大局上、これなりと信ずれば.その目的の遂行を妨げる反対派の議員をおびき出して缶詰にしたり、某貴族院議員を夜中に拉し来って監禁したり、或は政府当局者を訪ねて膝詰談判を試み、論難攻撃、自己の主張を貫徹せずんば止まぬの熱誠を披歴し、一国士の身を以て国家の重大政策を動かそうと努めた。

                                          続く

                           

日本リーダーパワー史(472)日本最強の外交力>「明治国家の参謀」杉山茂丸は
スゴイ!黒田官兵衛どころではないよ

http://maesaka-toshiyuki.com/top/detail/2427

 

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