前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

『Z世代のための百歳学入門』★『昭和戦後の高度経済成長から世界第2位の経大国へ復活させたプロデューサー「電力の鬼」・松永安左衛門(95歳)の長寿10ヵ条①』★『80歳の青年もおれば、20歳の老人もおる、年齢など気にするな』

   

 晩年長寿の知的巨人たちの百歳学(111)記事転載

前坂 俊之(ジャーナリスト)

第1条 115歳? 日本一の天海大僧正の健康法を見習え

有名な天海大僧正の「養生訓」に、一、日湯。二、少食。三、だらりとある。日湯と少食は分かるが、だらりはなんだろうと疑問にする人もあろう。これは男子の持物のだらりであって、けっして心身のノンベンだらりではない。

しかし、私の解釈によれば天海の述べようとした具体的養生訓は、追って事に加えられた「折々に放屁なさるべく候」にあるように思う。

第2条 天海大僧正の健康法「ガスがたまればオナラを遠慮せずに出しなさい」

人間の生活はつねに緊張を欠くのもいかんが、緊張しすぎるのもいかん。健康上でも、世すぎ身すぎの上でも、腹中にガスがたまったらフープー放出したいときに放出して、体も気分もゆっくり落ちつかせるに越したことはないようだ。

何もこせこせ気にするな、押さえても出るものは押さえるな。放つべきときに放つべきを放って、あとは精いっぱい気持よくやらかすのが、健康にも、処世上にもいちばんよい振る舞いと私は考えている。何事にも「出たとこ勝負」が一番のようだ。

第3条―何事にも「出たとこ勝負」が一番、前もってくよくよ考えるな。

八十八歳での現役活動、それには私は次のような生活の繰り返しをしている。早寝早起がまず根幹、夜は宅に客がなく、外に宴会がなければ七時に夕食をとって、八時にはもう床にもぐってしまう。だから、睡眠時問もたっぶりあって、しかもなかなかの早起き、冬は六時、夏は四時半から五時には必ず起きる。

第4条―[早寝早起]「睡眠をたっぷりとる」

かるい体操、ちょっとした散歩、食事をすませて自動車で家を出るのがきまって七時半だ。

この頃は交通も比較的楽なので毎日七時四十五分には会社につく。社内のだれよりもいちばん早い。営業時間中は別に変わったこともなく、五時にはキチンと退出する。

食事は朝が味噌汁にパン、昼が果物一個、夜に初めてメシをかるく1杯、おかずはうまいと思うものを二、三種、ただし医者のすすめで晩酌一本をかかしたことがない。

第5条―個人生活はむろん、会社事業にも借金をしないことが、いちばんの健康法

この他にはなんにもとくに健康上の注意はしない。それから個人生活はむろん、会社事業にも借金をしないことが、いちばんの健康法といえばいえるだろうか。

第6条―時間と年齢は単なる便宜的な便宜的な呼び方にすぎない。

三百六十五日が一年と決まっているのは層の上の便宜的取り決めである。その一年がすぎると一つずつ年をとるというのも、これまた人間社会での便宜的取り決めである。

だから体質もちがい、生活もちがい、心境もちがう人間が、一様に一年に一つずつ年をとって、五十年たてば五十、六十年たてば六十だということも単なる便宜的な呼び方にすぎない。

第7条―80歳の青年もおれば、20歳の老人もおる、年齢など気にするな

五十歳と称しながら、六十、七十の実質的な老齢者もあれば、六十、七十で結構まだ、五十歳の年しかとっていないものもある。年齢と健康というものは、かならずしも名目どおり一致するものではない。

第8条―「もういくつだ」、「もういくつになった」と年齢ばかり気にする日本人が多すぎる。愚かである。わしは「八十歳の青年」を自負しておる。

人それぞれに、老化をおこすのだから、「もういくつだ」、「もういくつになった」と、暦の上の計算ばかりしてヨワイ(年齢)を談ずるのは愚かである。私は八十歳になって、「八十歳の青年」を自ら意識し、呼号した。人は爺さんの負け惜しみと笑ったかも知れぬが、これ位の強がりがなければ、人間はすぐおいぼれてしまおう。

第9条 無病息災よりは、一病息災が長生きする

どこにも病気がないという人よりも、どこかにわるいところがあったり、何か一つぐらい病気をもっている人の方が、かえって長生きする場合がある。

むかしから、無病息災は少なく、一病息災が多いといわれている。

これは、どこかにすこしでもわるいところがあると、その人は非常に健康に注意するし、ムリやムチャをつつしむ。その結果、持病もあまりひどいものでない限り、むしろ健康的に役立つことを意味している。

だから、無病の人に、何か病気をつくれとまでいわぬが、あまりの健康自慢で、知らず知らず、働きすぎや過労におちいるよりは、少しわるいところがあって、それをいたわることで、体全体をいたわることが、かえって健康長寿の基となるのはだれにもうなづけよう。

第10条 すこしぐらい悪いところがあっても悲観するな。気に病んで、くよくよするのが一番悪い。 

したがって、すこしぐらいどこかわるいところがあっても、人はそうそう悲観するには当たらない。それを気に病んで、絶えずくよくよするのがいちばんいけないのである。

百歳学入門(62)「財界巨人たちの長寿・晩晴学①」渋沢栄一、岩崎久弥、大倉喜八郎、馬越恭平、松永安左衛門―

http://www.maesaka-toshiyuki.com/longlife/1997.html

 

 - 人物研究, 健康長寿, 現代史研究

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

日本リーダーパワー史(386)児玉源太郎伝(8)川上、田村、児玉と歴代参謀総長はそろって日本救国のために殉職した。

 日本リーダーパワー史(386) 児玉源太郎伝(8) ① & …

『F国際 ジネスマンのワールド・カメラ・ウオッチ (106)』「パリ・ぶらぶら散歩/オルセー美術館編」(5/2日)⑤』★『 セザンヌ、ルノワール、モネ、ドガなど続々と溜息の出る豪華な顔触れ②』

2015/05/19  『F国際ビジネスマンのワールド・カメラ・ウオッ …

no image
『超高齢社会日本』のシンボル・『生涯現役・長寿創造脳の達人』の徳富蘇峰翁(94)に学べ①

  『生涯現役・長寿の達人』の徳富蘇峰(94)に学べ① <生涯500冊以上、日本 …

no image
★『コロナ不況を突破するためにロボットをどう活用するかを考える巣ごもり勉強動画一挙公開(100本)』★『日本の最先端技術「見える化」動画に協働ロボット、組み立てロボット、タコ焼きロボットなど各種ロボット動画が100本以上、公開している』

日本最先端技術『見える化』チャンネル ー Youtube公式サイトで「前坂俊之× …

『オンライン講座・習近平中国の研究①』★『強中国夢』(中華思想単独覇権主義)をめざす習近平共産党政権は「近代中国の父・孫文」の『覇道より王道をめざせ」という日本への遺言を読み直さねばならない。<孫文「大アジア主義」の演説全文を再録>②

    2016/07/30  日本リー …

『新型コロナウイルスのパンデミックの影響で2020年慶応大学入学式(当初は4月1日,3日に予定)は9月入学式(学部・大学院)に、4月入学者も参加する形で開催することを検討している』★『2017年度慶應大入学式ー清家篤塾長の式辞(動画)』★『2019年度慶応大入学式-長谷山彰塾長の式辞(動画)』★『福沢諭吉先生』の旧居、福沢記念館(大分県中津市留守居町)(動画)』★『日本近代化の父・福沢諭吉に関する論考、雑文一覧 』

 前坂俊之(ジャーナリスト) 新型コロナウイルスのパンデミックの影響で2020年 …

no image
『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(144)』エマニュエル•トッド著「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告 (文春新書) 新書 を読んで

『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(144)』 エマニュエル•ト …

no image
速報(62)『日本のメルトダウン』★『原発と政治の責任、メディアは意見を表明せよ』ー

速報(62)『日本のメルトダウン』   ★『原発と政治の責任、メディア …

『オンライン講座・大谷翔平歴史研究』★『大谷選手とベーブルースと日米野球とスパイと太平洋戦争秘話』

大谷選手とベーブルースとスパイの太平洋戦争 大谷翔平投手は6月2日(日本時間3日 …

no image
日本メルトダウンの脱出法(547)「YOU は何しに日本へ」はイノベーションの宝庫」「世襲指導者の意固地さが東アジアの緊張を高める」

   日本メルトダウンの脱出法(547)   &n …