前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

速報(347)『日本のメルトダウン』自民両党首選動画の『この国のイカれた惨状!』②「尖閣問題』と「日本経済再生問題』

   

速報(347)『日本のメルトダウン』
民主、自民両党首選の『この国のイカれた惨状!』②
迫りくる『借金倒産』『原発倒産』『人材倒産』の3重苦に加え「尖閣問題で日中紛争激化」の『国難到来』の中で、『世界観』「政治理念」「リーダーシップ」の3拍子に欠けた2世、3世議員が能天気に手を上げ、それを無批判に報道するだけの『脳死メディア』に、
これまた
国民の側も『政治的な意見、行動を表明せず』、
<座して死を待っている状態>の三すくみ状況。
ついに「末世の日本」!

前坂 俊之(ジャーナリスト)
 
●『「追っ払えばいい」領海侵入で石原知事』http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120914/plc12091416580019-n1.htm
石原発言―「石原慎太郎知事は14日の記者会見で、沖縄県・尖閣諸島周辺の領海に中国の海洋監視船が相次いで侵入したことについて「気が狂ってるんじゃないかと思う」と批判した。知事は「俺のものは俺のもの、おまえのものは俺のものとやられたら、世界中たまったものじゃない」と反発。「人の家に土足でずかずか踏み込んできたら、追っ払えばいい」と話した。(共同)
一方、朝日は『自らの言動が日中関係を悪化させているとの指摘には『経済的な利益を失ってもいい。あの国の属国になることのほうが、私はよっぽどいやだね』(13版、社会面,9月15日)と答えてという。
いよいよ、いつもの石原妄言録からエスカレート、石原氏は完全にもうろくしてしまったのか、中国以上にこの狂態発言には我慢ならない。戦前の日本外交、国策の失敗の原因は二重三重外交の結果である。天皇の統帥権を無視して満州事変(1931年9月18日)では関東軍の石原莞爾大佐が謀略によって鉄道を爆破、中国側の仕業とウソの発表で、統帥権を無視して関東軍が暴走、当時の若槻首相の停戦命令も無視した。
これで石原大佐は陸軍参謀本部作戦部長に出世する。これをみて、ますます陸軍の下剋上、内部抗争対立で、統帥権、中央無視で現地が勝手放題に暴走し、外交でも同じように繰り返されて、墓穴を掘り、自滅したのがアジア、太平洋戦争の真相である。
ローカル都知事の石原氏に国の外交権への過剰介入は越権行為であり、戦前の関東軍の暴走と同じレベル。外交をダブルスタンダード、トリプルスタンダードにした「戦前の失敗」の愚を石原氏はおかした。

野田政権は石原氏の過剰介入を阻止するための国が買い取り、管理して、少しでもこれまでに近い形で、穏便に処理したつもりの措置だが、『核心的利益』を掲げている中国が一歩たりともゆずるはない、現状変更とのメセージと受け取り、強行手段にでる。

日本側が国、都レベルで尖閣諸島にでかければ、こんどは上海、中国、台湾の漁民が大挙しておしかけてくることはすでに分かっていたことだし、再び、大規模なデモが起き、日本製品ボイコットに発展することは、これまでの小泉、靖国参拝での反日デモや戦前の日中戦争の新聞をみれば誰でも予想できたこと。

バカの一つ覚えの「冷静な対応」を中国側によびかける前に、この予測された対抗措置を読み切れなかった政府、外交当局の『チャイナリスク管理能力』『歴史認識』の欠如に、「なんでここまで歴史健忘症」なのか、相手の出方を読む能力がないのか暗澹としてくる。
自民党の総裁選挙に立候補した面々の、日本記者クラブでの公開記者会見のビデオ全部をこの欄でも最後に掲げているので、その能力をチェックしてほしいが、「日中対立エスカレート」を解決できる人間はここにいない。自民党にもいないのが問題だ。
中国側の高官の発言として「日本製品のボイコットを1年続ければ日本経済は破綻する」との日本の弱点を鋭くついてくる戦略に対して、相変わらず過去20年間の経済失政の主役だった自民党の経済再生計画」の失敗も棚に上げて、バカの1つ覚えの「経済再生」「デフレ脱却」を『対中国貿易』抜きにして、やっていけるのかーその具体案こそ提示すべききなのに。あいかわらずの能天気である。
とくに、石原幹事長、安倍元首相の『反中国論者』が首相として再登場した場合、最悪となった日中関係の立て直しは容易ではあるまいことは自明であろう。
石原都知事の発言でさらに問題なのは、『経済的な利益(これが日本経済再生の国益ではないのか)を失っても『あの国の属国になることのほうが、私はよっぽどいやだね』と公人の立場を忘れてし私的な妄言を繰り返し、周辺国との摩擦を激化させて国益を損なっている政治家は即座にクビにすべきであろう。
国益追求の政治家失格の発言である。都知事を直ちに辞めて、1私人の小説家に戻って、どんどん中国たたきの本でもお書きなさい。
一国の総理大臣たるものはこのような暴走する2重外交の当事者をきびしく批判して、日本国の外交方針、メッセージを正しく外国に知らせるリーダーシップを毅然と発揮すべきであろう。戦前、軍人の政治介入は禁止されながら、軍部政権をゆるしてしまったが、政治家の言動、綱紀粛正にたいしては厳格に取り組むべきであろう。
満州事変に対しては新聞メディアは失敗を冒した。一斉に『関東軍の謀略を知らなかったという』口実(実は現地審陽の日本の新聞は知っていた)に大々的に関東軍は作り出した既成事実を追認報道したが、今回の尖閣問題の場合も、中国での大規模なデモと日本政府、国民の困惑、混乱を伝えるのみである。
100年前の対中国21か条要求、その反発からの『五四運動』勃発から、排日,排貨ボイコット、軍事的な衝突エスカレート、それが満州事変から満州国建国となり、国際連盟脱退につながり、世界の孤児となって、孤立化、日独伊防共協定、日中戦争までの両国の幾重にのぼるボタンの掛け違い、歴史認識ギャップ、パーセプションギャップとなり、日中友好を望みながら、日米友好を望みな『戦争を引き起こした責任者、軍人を断固処罰する』勇気を持った政治家、トップリーダーが1人もおらず、優柔不断な近衛文麿(いまの2世3世議員とおなじ)は、新聞のバックナンバーをめくれば詳細に出ている。『歴史の中に問題解決のヒントはある』こそメディアの不勉強である。
 

★☆政治家必読―『新しい政治家に望むこと』 

歴代宰相で、国家戦略、世界観、中国外交で最も正鵠を得た石橋湛山の
<政治家にのぞむ>(昭和42年2月11日号東洋経済新「時言」)
 
私が、いまの政治家諸君をみていちばん痛感するのは、「自分」が欠けているという点である。「自分」とはみずからの信念だ。自分の信ずるところに従って行動するというだいじな点を忘れ、まるで他人の道具になりさ、かってしまっている人が多い。政治の堕落といわれるものの大部分はそれに起因すると思う。
 政治家にはいろいろなタイプの人がいるが、最もつまらないタイプは、自分の考えを持たない政治家だ。金を集めることがじょうずで、また大ぜいの子分をかかえているというだけで、有力な政治家となっている人が多いが、これはほんとうの政治家とはいえない。
 政治家が自己の信念を持たなくなった理由はいろいろあろうが、要するに、選挙に勝っためとか、よい地位を得るとか、あまりに目先のことはかりに気をとられすぎるからではないだろうか。派閥のためにのみ働き、自分の親分のいうことには盲従するというように、いまの人たちはあまりに弱すぎる。
 たとえば、選挙民に対する態度にしてもそうである。選挙区のめんどうをみたり、陳情を受けつぐために走りまわる。政治家としてのエネルギーの大半を、このようなところに注いでいる人が多過ぎる。
 国会議員の任務は、都府県市町村会議員などと違い、国政に取り組むことにある。私とても、現役のとき、陳情にやってきた選挙区の人たちを、政府の関係当事者に紹介してやったことほある。せいぜいそのくらいの程度で、陳情を受けついで走り′まわったことはなかった。
 現役時代、私の後援会の人たちが、ほかの代議士は、国会の休会中はむろんのこと、開会中でも選挙区に帰り、地元のささいな陳情を受けつけたり、演説してまわったり、会食会を開いて、サービス精神を発揮している、先生も、たまには選挙区をまわってくれないと、この次が心配だという。
 たびたび催促してくるので、後援会の幹部を東京に呼んで、「国の政治のことを考えれば、諸君の要求に応じているヒマがない」と説明したところ、全くそのとおりで、われわれはよくわかるが、一般選挙民にわかってもらうのは容易なことではないとなげいていた。
  なるほど、選挙に当選するために選挙民を買収したり、あるいはその資金を作るために利権あさりをするという悪質政治家に比べれば、地元のために働く政治家はまだ許されるともいえよう。しかし国会議員の責務はそんなところにはないはずである。
こうした政治家が多くなったのは、むろん、そのような政治家を要求する選挙民にも責任がある。また、言論機関も反省する必要がある。総選挙ともなると、新聞は候補者に質問状をよこしたり、座談会を開くが、その場合、選挙区の利害に関するものが圧倒的である。たとえば、国会へ出たら、国家・国民のために何をやろうと考えるか、と質問すべきところを、県民のために何をするのかというぐあいである。私は、答えるのに困った経験をもっている。
 私はかねてから、ぜひ自分の手でやってみたいという一つの念願をいだいていた。ソ連、中共との国交正常化がそれだ。そのために海外へでかける場合、国会議員の資格をもっているほうがつごうがよい。この前の総選挙にあえて立候補したのも、まったくこのためであった。
 政治家にだいじなことは、まず自分に忠実であること、自分をいつわらないことである。また、いやしくも、政治家になったからには、自分の利益とか、選挙区の世話よりも、まず、国家・国民の利益を念頭において考え、行動してほしい。国民も、言論機関も、このような政治家を育て上げることに、もっと強い関心をよせてほしい。

自民党総裁選立候補者討論会 第一部 2012.9.15

 - 現代史研究 , , , , , , , , , , , , ,

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
★「日本の歴史をかえた『同盟』の研究」ー「日英同盟の影響」⑪1902(明治35)年3月8日『『露紙ノーヴォエ・ヴレ一ミャ』★『英国は南アフリカでのボーア戦争に敗れて、露仏独から中国での利権を守るために日本と同盟を結んだ』● 『日英同盟(英日条約)に対抗して仏露同盟が生まれた』

★「日本の歴史をかえた『同盟』の研究」- 「日英同盟の影響」⑪  1902(明治 …

no image
見切り発車の「出入国管理法改正案」(12/8)ー政府は移民政策ではないと否定し、単純労働を含めた外国人労働者を5年間で34万人受け入れる方針』★『「ドイツは労働力を呼び寄せたが、来たのは人間だった」という教訓から学べ』

見切り発車の「出入国管理法改正案」 明治以来の人口政策の失敗の歴史を再び起こすの …

no image
●『著書「新大陸主義21世紀のエネルギーパワーゲーム」の『ケント・カルダー ジョンズ・ホプキンス所長の記者会見動画(90分)』

   速報(436)『日本のメルトダウン』 &nb …

no image
『リーダーシップの日本近現代史』(209)-『W杯ラクビ―の勝利と「モンスター」井上尚弥の世界一の共通性』★『「できない理由」を探すよりも「何ができるのか」を考える』★『日本社会と同じようなチームを作っても世界では負ける、他のチームの物まねをしてる限り、チームは強くならない』(下)

  W杯ラクビ―の勝利(準決勝進出)と「モンスター」井上尚弥の共通性 …

no image
『オンライン現代史講座/1930年代の2・26事件の研究』★『太平洋戦争(1941年)へのターニングポイントになった2・26事件<1936年(昭和11>当時のマスコミの言論萎縮と「世直し明神・阿部定事件』★『 二・二六事件でトドメを刺された新聞』★『愛する男の命を絶っまでに愛を燃焼し尽くした純愛の女として同情を集め、一躍〝サダイズム″なる新語まで生まれた』

 太平洋戦争へのターニングポイントになった2・26事件<1936年(昭 …

no image
『ガラパゴス国家・日本終戦史➃ 」再録ー(リーダーシップの欠如で2度あることは3度ある。日本人の 精神的な構造欠陥!」

    1年間連載開始―『ガラパゴス国家・日本終戦史の 歴史類似性の研 …

no image
正木ひろし弁護士の超闘伝⑧全告白・八海事件の真相ー真犯人良心のうずきから「偽証を告白」

   ◎「世界が尊敬した日本人―「司法殺人(権力悪)との戦い …

no image
歴史張本人の<日中歴史認識>講義⑨袁世凱の顧問・坂西利八郎が「100年前の支那(中国)財政の混乱」を語る⑨

     日中両国民の必読の歴史の張本人が語る 「 …

no image
日本メディア(出版、新聞、映画など)への検閲実態史②『満州事変と検閲の実態を調べる。前坂俊之著「太平洋戦争と新聞」(講談社学術文庫、2007年)より。

  満州事変と検閲の実態を調べる。以下は前坂俊之著「太平洋戦争と新聞」 …

no image
日本リーダーパワー史(457)「2014年の安倍政権の課題」第3次日中韓戦争の可能性は小さくない、多元的戦略外交に転換する

    日本リーダーパワー史(457) …