『オンライン講座・延々と続く日韓外交衝突の研究』★『2012年8月、野田首相の親書の発信とその受け取りをめぐって拒絶、つき返す、外交的非礼に反発応酬の後進国同士のようなニワトリケンカ外交が続いた」★『160年前の明治新政府の最初の李氏朝鮮(韓国・北朝鮮)との外交交渉でも日本親善大使の拒絶、親書拒否に対して、日本は反発、敵意をエスカレートしたのと同じケース」を今も繰り返している』
日本リーダーパワー史(304)の再録
『日韓外交衝突の歴史を検証する』
「明治」とは、維新政府が国内改革と同時に対外外交にも積極的に取り組んだ時代である。
まず対馬藩を通じて隣国の朝鮮政府に、いち早く修交の使節を送った。しかし、朝鮮・李王朝は長年の中華思想の影響で中国を宗主国と仰ぐ一方、華夷序列から遠く離れたベトナム、東南アジア、日本などを夷秋(文明化しない野蛮人)禽獣(獣に等しい存在)と蔑む冊封体制(事大朝貢体制) の意識を持っ
ていた。 朝鮮国王・高宗(李太王) の実父で実権を握っていた大院君はこうした文化的優越主義(中華思想)にこり固まり、日本を東夷と低く見て、撰夷鎖国政策をとっていた。そして鎖国を解いた明治新政府に対して、中華秩序への挑戦であると敵視し、「怖るに足らず」と見くびっていた。
明治元年(1868) 11月、明治新政府は王政復古の内容を通告して朝鮮に修好を求めた。だが、文書のなかに「皇」「奉勅」などの文字が入っていたことに朝鮮側は驚き、会見を謝絶し、国書を突き返した。「皇」は中国皇帝にしか使われない漢字で、そのため天皇が朝鮮国王の上に立つことを意味することになり、日本が朝鮮支配の野心を持っているものと誤解した。
明治3年10月、外務卿の代理が交渉に行ったが、朝鮮政府は引見を拒否した。さらに、5年3月にも代表を送って返事を催促したが、これまた回答を先延ばしした。両国とも自文化優先主義思考から、相手側が無礼な態度をとったと怒りを募らせた。
とくに日本側はイギリス、ロシアなど西欧列強が砲艦外交で中国、朝鮮に門戸開放を迫っているなかで、朝鮮が列強に支配されれば日本も危ないと強い危機感を抱いていた。そのために朝鮮の独立を促してきたが、拒否し続ける態度についに怒りを爆発させた。
おとなしい太政大臣(首相に相当)三条実美までもが征韓論を主張して、明治6年7月に閣議に諮った。木戸孝允、大久保利通らは岩倉使節団として外遊中だったが、西郷隆盛を全権大使として談判のために朝鮮に派遣することが
閣議で決まった。 西郷は廃藩置県で特権を失った全国の士族たちを朝鮮に送り込み一花咲かせて解散にもってゆく腹で、征韓論は失業士族の救済手段の一環であった。
1970年刊)の『第一節 明治新政府と日鮮関係』(3-16P)
それには朝鮮の内情に基づくところが大きかった
関連記事
-
-
『オンライン講義/日本での最高の天才(創造力の最大値)は誰でしょか、クイズ』★『柳田国男いわく『日本の知の極限値』は南方熊楠ーエコロジーの世界の先駆者』★『「鎖につながれた知の巨人」南方熊楠の全貌がやっと明らかに。 地球環境危機の今こそエコロジー学の先駆者・南方熊楠に学ぼう』
2009/10/01   …
-
-
『リーダーシップの日本近現代史』(308)★関 牧翁の言葉「よく生きることは、よく死ぬこと」★『一休さんの遣偈は勇ましい』★『明治の三舟とよばれた勝海舟、高橋泥舟、山岡鉄舟の坐禅』
関 牧翁のことば「よく生きることは、よく死ぬこと」 関牧翁(せき ぼくおう、19 …
-
-
「Z世代のための『人生/晩節』に輝いた偉人伝』★『日本一『見事な引き際の『住友財閥中興の祖・伊庭貞剛の晩晴学②』★『〝晩成〟はやすく〝晩晴″は難し』★『真に老いに透徹した達人でなければ達し得ぬ人生最高の境地こそ〝晩晴〟である』
有害な …
-
-
百歳学入門(160)★『100歳以上の高齢者、過去最多の6万5692人、国内最高齢は116歳の女性』★『「老人に押し潰される」日本の医療に迫る危機4人に1人が75歳以上の時代はそう遠くない』★『2030年、遂に「ピンピンコロリ」が普遍化!? AIが迫る介護業界の抜本的なモデルチェンジ』★『「万引き老人」悲しく切なすぎる貧困の実態――食うに困っていてもいなくても』★『「世界未病の日」をつくるべきだと思う。そしてその声を日本が上げていかなきゃ – 第10回片山さつき氏』
百歳学入門<160> 100歳以上の高齢者、過去最多の6万569 …
-
-
★「日本の歴史をかえた『同盟』の研究」- 「日英同盟の清国への影響」⑦1902(明治35)年2月24日 『申報』『日英同盟の意図は対ロシア戦争ーこの機会に乗じて富強に尽力すべし』★『日本はロシアを仇とし『臥薪嘗胆』しロシアを破ることを誓っているが、自国の戦力、財源は 豊かではないので、イギリスを盾にした。』
★「日本の歴史をかえた『同盟』の研究」- 「日英同盟は清国にどうはね返るか …
-
-
日本メルトダウン脱出法(874)『「伊勢志摩」が世界経済浮沈の鍵を握っている ー 先進国は財政出動に同調してくれるのか』●『東京五輪の「盛り下がりムード」は食い止められるのか?』●『過去最大の外債爆買いでも進まぬ円安、為替ヘッジが黒田日銀の妨げ』『大手企業志向が深く根付いている日本に「起業エコシステム」は根付くのか』
日本メルトダウン脱出法(874) 「伊勢志摩」が世界経済浮沈の鍵を …
-
-
『Z世代のための昭和100年、戦後80 年の戦争史講座』★日本で最初の対外戦争「元寇の役」はなぜ起きたか③』★『一国平和主義に閉じこもっていた鎌倉日本に対して世界大帝国『元』から朝貢(属国化)に来なければ武力攻撃して、日本を滅ぼすと恫喝してきた!、国難迫る!』
2019/10/01『リーダーシップの日本近現代史』(68)記事再編集 日本の「 …
-
-
『ガラパゴス国家・日本敗戦史』⑧『挙国の体当たり―戦時下の新聞人の独白』(森正蔵著)と毎日新聞竹ヤリ事件①
1年間連載中『ガラパゴス国家・日本敗戦史』⑧ &nbs …
-
-
世界/日本リーダーパワー史(963)ー『欲望資本主義を超克し、21世紀の公益経済学を先取りしたメッセの巨人』~大原孫三郎の生涯②ー
社会貢献の偉大な父・大原孫三郎の生涯―100年前に企業の社会的責任 …
