トランプ大統領の「学問・研究の弾圧で、若手科学者、研究者の75%が米国離れを検討」★『研究者が国外に流出すれば米経済への大きな打撃となる」★『トランプ政権の愚策がもたらす「産業大国の緩やかな死」』(下)

ブルームバーグ(2025年4月30日 )によると、米国で頭脳流出が進む恐れが出てきている。英科学誌ネイチャーが米研究者1600人以上を対象に実施した調査では、研究活動への締め付けを強めるトランプ米政権を理由に「米国を離れることを検討している」と回答した割合は75%に上った。若手の研究者や博士研究員(ポスドク)では約79%が国外への移動を検討していると回答した。移住先の候補はカナダや欧州など、共同研究者や家族がいる国が中心となった。「科学を支援する国ならどこでもいい」という回答もあった。トランプ政権は「政府内の無駄と詐欺行為撲滅」の名目で大規模な人員削減と研究活動費の凍結を進めている。
トランプ政権による科学者、研究者の人員整理が相次いでいる。(CNN4月28日)によると、 トランプ米政権が、気候変動に関する権威ある評価に携わる科学者や執筆者(約400人)を解任したことが分かった。これらの科学者らは気候変動が米国にどのような影響を及ぼすかを見極める次回の評価に取り組んでいたが、全員解任された。評価の執筆者らに28日に送られた電子メールで明らかになった内容は、CNNも確認した。
この措置で政権は、議会が義務づけた報告を丸々取りやめ、別の報告を作成することが認められるようになる。これにより格段に疑わしい内容の報告が、広く受け入れられた気候科学に基づく報告に取って代わる可能性がある。
また、政権が発足した1月20日〜3月後半までで米国立衛生研究所(NIH)の予算が約30億ドル(およそ4500億円)減と前年同期比で6割削減された。政権はNIHと米疾病対策センター(CDC)に新型コロナウイルスに関するあらゆる研究活動費を凍結すると通告し、エイズウイルス(HIV)の研究活動費も凍結していた。
米航空宇宙局(NASA)では実業家イーロン・マスク氏が率いる米政府効率化省(DOGE)が計4億2000万ドル分の請負契約を解除した。気象データを集計、分析する米海洋大気局(NOAA)でも大幅な人員削減が進んでいる。
米商務省によると、研究開発(R&D)は21年に米国内総生産(GDP)の2.3%を占めた。米国のR&Dは主に民間部門が中心となっているものの、データ共有など官民の協力が欠かせないため、研究者が国外に流出すれば米経済への大きな打撃となる。
●トランプ政権の強硬な移民政策が頭脳流出を加速。
米ハーバード大は教職員の新規採用を中止。ペンシルベニア大も大学院生の受け入れ枠を縮小。ジョンズ・ホプキンス大学は3月13日、大学が運営する非営利団体などを通じた公衆衛生分野での対外援助活動を大幅に縮小し、関連職員2000人を削減した。
米国立科学財団(NSF)が24年3月に発表した報告書によると、21年時点で博士号を持つ米科学者やエンジニアのうち43%が外国生まれだった。こうした留学生や外国生まれの研究者が減ったり、米国離れとなれば、研究分野における米国の優位性が崩れかねない。
こうした情勢の中で、ノーベル賞受賞者を含む米国を中心とした科学者およそ2000人が「科学界への攻撃」をやめるようトランプ大統領に求める書簡を公開した。書簡では「政府による80年以上にわたる賢明な投資が、世界がうらやむ今の米国の研究体制を構築した。トランプ政権は研究への資金を大幅に削減し、数千人の科学者を解雇して、この体制を揺るがしている」としている。
●「若手研究者の間で進む”アメリカ離れ”、トランプ政権の愚策がもたらす「産業大国の緩やかな死」となる」
野口悠紀雄氏(一橋大学名誉教授、経済評論家)は警告、「フランス最大の大学であるエクス・マルセイユ大学は「トランプ政権の反科学政策によって自分たちの研究が検閲される危険性があると考えるアメリカの科学者たちは、フランスで研究を続けてほしい。日本の大学も、これと同じようなメッセージを出すべきではないか」と呼びかけている。
今朝の朝飯 地産地消・天然生活の一汁三菜(みそ汁、材木座海岸のヒジキ、近所の庭のフキの煮つけ、干しあみエビのふりかけ飯1杯です。↓

関連記事
-
-
世界リーダーパワー史(943)トランプ対習近平の『仁義なき戦い」★『米中貿易戦争から、いよいよ全面対決の「米中冷戦時代」へ突入か
世界リーダーパワー史(943) 米中貿易戦争から、いよいよ全面対決の「中冷戦時代 …
-
-
速報(355)『日本のメルトダウン』●『格差と世界経済:真の進歩主義』●『日本のナショナリズム:ポピュリストに要注意』
速報(355)『日本のメルトダウン』 ●『格差と世界経済:真の進歩主義』 ●『日 …
-
-
世界史の中の『日露戦争』⑬ ー 英国『タイムズ』の『極東の戦争(日露戦争)の教訓』明治37年2月18日付
世界史の中の『日露戦争』⑬ 英国『タイムズ』 …
-
-
片野勧の衝撃レポート(74)★原発と国家―【封印された核の真実】⓾ (1974~78)ー原発ナショナリズムの台頭■カーター米大統領の核拡散防止政策
片野勧の衝撃レポート(74) ★原発と国家―【封印された核の真実】⓾ (1974 …
-
-
長寿学入門(221)『96歳、平和でなければ走れない。人々に感謝し、走り歩くことが万病の薬となる』★『走る高齢者たちーオールドランナーズヒストリー』(福田玲三著、梨の木舎2020年6月刊)を読んで』★『『佐藤一斎(86歳)『少(しよう)にして学べば、則(すなわ)ち 壮にして為(な)すこと有り。 壮(そう)にして学べば、則ち老いて衰えず。 老(お)いて学べば、則ち死して朽ちず』★『作家・宇野千代(98歳)『生きて行く私』長寿10訓ー何歳になってもヨーイドン。ヨーイドン教の教祖なのよ』
『人々に感謝し、歩くことは万病の薬となる』 『走る高齢者たちーオールドランナーズ …
-
-
『オンライン講座/独学/独創力/創造力の研究④』★「日本人の知の限界値」 「博覧強記」「奇想天外」「抱腹絶倒」「大英博物館をわが書庫にして研究三昧した世界一の読書家と自慢した」<南方熊楠先生書斎訪問記はめちゃ面白い
2015/04/29 の記事再録 酒井潔著の個人雑誌「談奇」(1930年(昭和5 …
-
-
日本メルトダウン脱出法(859)「日本をもっと優秀な国にするために最初にすべきこと 卓越性、多様性、流動性をつけたければ「逆」の排除を」)●「若者のフェイスブック離れが進む“SNS疲れ”の深層」●「中国のアジア戦略が失速、日本への態度も軟化? 強硬な戦略がもたらした「不都合な結果」とは(古森義久)」●「日本株式会社:よみがえった国家介入主義M&Aブームの陰に経産省あり(英FT紙)
日本メルトダウン脱出法(859) 日本をもっと優秀な国にするために最初にすべきこ …
-
-
『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(144)』エマニュエル•トッド著「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告 (文春新書) 新書 を読んで
『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(144)』 エマニュエル•ト …
-
-
世界一人気の世界文化遺産『マチュピチュ』旅行記(2015 /10/10-18>「神秘に包まれた『マチュピチュ』の全記録、一挙公開!」水野国男(カメラマン)③
2015/11/09< 世界一人気の世界文化遺産『マチュピ …
-
-
『全米を熱狂させたファースト・サムライのトミー(立石斧次郎)』――
1 <日本経済新聞文化面2004年8月2日朝刊掲載> 前坂 俊之<静岡県立大学国 …
