前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

『リーダーシップの日本近現代史』(177)記事再録/★「国難日本史の歴史復習問題」ー 「日清、日露戦争に勝利」した明治人のインテリジェンス⑦」★『山座円次郎の外交力』●『山座が「伊藤公を叩き殺さにゃいかん」と吠え 伊藤はカンカンに怒った』★『即時開戦論に山本権兵衛海相は「貴様のいう通りだが、戦争には二十億の金が要る、金はどうしてつくるか」と逆襲』

   

 

  記事転載

★『山座円次郎の外交力』山座が「伊藤公を叩き殺さにゃいかん」と吠え伊藤はカンカンに怒った。

小村寿太郎外相は当時、山座と本多を最も信任し、対露問題については次官の珍田捨巳や通商局長石井菊次郎を相手とせず、対露交渉に関する閣議の模様をいちいち山座政務局長に話して聞かせていた。

ある時、山座が小村から聞いた閣議の模様を上泉に語って、「山本権兵衛海相は弱腰だ、権兵衛はだめだぞ」といった。

 

「よしそれでは大臣を鼓舞しよう」と上泉は山本海相に談判する役目を引きうけ、訪問して、即時開戦論を力説すると、山本は、「貴様のいう通りだが、戦争には二十億の金が要る、金はどうしてつくるか」と逆襲した。

 

「そんなことは私達の知ったことではありません。戦費のことは貴方たちが工面するのが当然で、とにかく一日も早く戦争をやって下さい」

「モウいいわかった、帰れ」と叱られた。

それからは幾度訪問しても戦費の問題で追いかえされる始末だった。

「伊藤公を叩き殺さにゃいかん」と吠えた。

一方、即時開戦論の山座も気が気じゃなく、旧藩主黒田家に何事かで招かれた際、伊藤の軟弱を憤慨し、酔ったまぎれに「伊藤公を叩き殺さにゃいかん」と吠えた。ところが、そこに居合わせたのが玄洋社はじめ福岡の豪傑連だからたまらない、伊藤を血祭りにしろのとの叫びは急に盛り上がった。

神戸市では伊藤の銅像を海に投げ込むという騒ぎがあった。それがどういう経路を通じてか伊藤公の耳に入ったのでたまらない。伊藤はカンカンに怒り、さっそく小村外相を呼びつけて

「君の部下の山座は怪しからぬ男だ、吾輩を叩き殺さにやいかんといったそうだ」と激怒した。小村もこれには閉口して山座にただしてみると、

「事実そんなことをいったに相違ない」という答え、小村は、

「それでは一度伊藤公のところへ行って謝まって来い」と命じた。山座は仕方なく相密院議長官舎へ伊藤を訪問した。伊藤は山座を応接間に通して、山座が例の問題で陳謝するのを予期しつつ平素のごとくワインを独りで傾け始めた。

しかし伊藤は自分だけ飲んでいっこう山座にすすめる風もないのでちょっと手持ち無沙汰していた山座が、やがて率直な本性を発揮して、

「私もお相伴しましょう」と自分から手を出し遠慮なく飲んだ。やがて陶然と酔ったころ、今まで黙って飲んでいた山座は彼一流のぶっきらぼうな調子で

「実は先日、ちょうどこんな気持であなたを叩き殺せといいました……」と失言問題を持ち出して謝罪して帰って来た。

外務省の役人でありながら、酔った勢いで「伊藤を叩き殺せ」との暴言を吐いた気持ちの底には、是が非でもロシア暴走を膺懲しなければという不退転の決意があった。そのために、玄洋社などの民間志士にも外交の秘密をもらし陸海軍の青年将校とも湖月会によって気脈を通じて外交をリードしていった。

山座は、外交官志望の東大に入ったばかりの郷土の後輩・広田弘毅(のちの首相)にいつもこう話していた、という。

「山座氏が先づ私たちに教へたことは支那とロシアの研究であった。我の外交の中心は、どうしても支那とロシアである、外交官たらんものは先づロシアと支那の事情を研究すべきである』と

 - 人物研究, 戦争報道, 現代史研究

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

「6年前の鎌倉カヤック釣りバカ動画日記」再録-『地球環境異変はますます深刻化」★『豊穣の鎌倉海も海生物が激減、魚クンたちは逃げ出してしまったよ』●『米離脱後のパリ会議の行方はどうなる』

   2017/12/27  「湘南海山ぶらぶら日 …

no image
昭和外交史② 日本で最も長い日 1945 年8 月15日の攻防②

1 昭和外交史② 日本で最も長い日 1945 年8 月15日の攻防② ―<大日本 …

no image
『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(136)』「コラム:独VW不正問題、米司法の公平さ試す「試金石」に」●「VW不正問題を生み出したドイツ企業の覇権主義」

 『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(136)』   …

『Z世代のための百歳学入門』★『日本最長寿の名僧・天海大僧正(108歳)の養生訓』★『長命は、粗食、正直、日湯(毎日風呂に入ること)、陀羅尼(お経)、時折、ご下風(屁)あそばさるべし』

  天海の養生訓『気は長く 勤めは堅く 色うすく 食細うして 心広かれ …

no image
速報(406)『日本のメルトダウン』『メタンハイドレート、日本海側でも本格調査へ』●『やはり恐るべし!中国諜報活動の実態

    速報(406)『日本のメルトダウン』 &n …

kamakura Surfin 講座(2022年9月28日午後1時)ー「ブルーシーの材木座、由比ガ浜のロングビーチで約100人以上のサーファーが一斉に波乗りする雄大、爽快、スカッとするスペクタクルを堪能したよ。

kamakura Surfin (2022年9月28日午後1時)材木座、由比ガ浜 …

no image
日本稀人奇人列伝(37) 作家・中里介山、江戸川乱歩、横溝正史のなくて7クセ,変人ばかり

日本稀人奇人列伝(37) 作家・中里介山、江戸川乱歩、横溝正史のなくて7クセ & …

no image
日本メルトダウン脱出法(766)「中国バブル崩壊「世界大恐慌」の可能性(大前研一)」●「TPPを取り巻く不穏な政治(浜田宏一)」●「残り任期3年、安倍政権に打つ手なし(大前研一)」

  日本メルトダウン脱出法(766) 東証一部上場へ、郵政3社の未来絵図ー大前研 …

★10「日本の知の限界値」「博覧強記」「奇想天外」「抱腹絶倒」―南方熊楠先生の書斎訪問記はめちゃ面白いよ①

「日本の知の限界値」「博覧強記」「奇想天外」「抱腹絶倒」―南方熊楠先生の書斎訪問 …

no image
『リーダーシップの日本近現代史』(134)/記事再録★『山県有朋から廃藩置県の相談された西郷隆盛は 一言で了承し、即実行したその日本史上最強のリーダーシップ②』( 下中弥三郎『大西郷正伝第2巻』(平凡社、昭和15年))★『行財政改革を毎回唱えながら、中央省庁再編、道州制、都道府県市町村再合併、財政削減はなぜ進まないか、リーダーシップ不在が続く』

  2012/03/26 /日本リーダーパワー史(248) …