日本リーダーパワー史 ⑧山本権兵衛の異文化コミュニケーション能力、異文化認識力は・・
今から100年前の日本人のパリ行状記を赤裸々に紹介して、出版当時、大変評判になった本です。
1920年代にもパリにはたくさんの日本人が住んでいましたが、伴野さんはそのパリで対仏輸出入組合理事長をして、日本人の世話役を長くしていた人物です。
![](http://www.maesaka-toshiyuki.com/wp-content/uploads/2015/01/45549414354a5efab3dab61.08065875215266135.jpg)
当時、日本人のパリ行状記、異文化認識、異文化コミュニケーション、食事のマナー、男女交際、もろもろのフランス認識、西洋認識が具体的に紹介されていています。
当時の日本の軍人の最高峰・山本権兵衛のた立小便、無言で食事をして、コミュニケーション全くしない、フランス女性を女でなく小便つぼと思えなどーとんでもない女性感をもっていたことが、いろいろ語られていて興味深い内容なので、紹介します。
「バーバリアン(文明化されていない)の日本人」は、今もどれだけ変わったのでしょうか。
「伴野、西洋の女を女と思うな、小便つぼだと思え」私はこのことばを、西洋の女は人情がうすいというふうに解釈した。だがこれには少しばかり西洋の女を知りはじめた私には異論があった。要するに加藤中佐は、商売女しか知らぬのだ。
一時、彼女はバッタリ音信を絶った。不思議に思いつつ時を過すこと三四カ月、突然手紙で再会を求めてきたので会ってみたら、彼女は低い声で「じつは貴方の種を宿したのだ、しかし貴方のお気に召さぬことと思い、かつは私の社会に対する体面から人工流産させたが、以後容態すぐれず臥床にあり、今日やっとの思いでお目にかかれた」とのことに、彼は驚いてその諸経費を、辞退する手に無理やり握らせたのである。
大将はこの話題をひっさげて参内し、あいさつがすむや、ただちに日本海々戦がはじまった。大将は海戦の模様を井上大使の通訳で「立板に水を流すが如く英語で話し」さっさと引あげてきたのである。カイゼルはいろいろ質間がしたかったのに、あっというまに大将に退去され、「アッアッ」と言ってたと高笑いするのである。もっともこれは質問されては困るから、逃げ去ったのだろうと云った提督もある。
国民のほとんど全部はこれから述べる事実を知らず、太平洋戦争も終りまで事実を知らず、勝った、勝ったの一点張りで、今度のような開びゃく以来の大敗北を喫した。
国民を欺瞞することは最大の損失であると思う。英国がシシガポール沖にその誇る不沈艦プリンス・オブ・ウェルズを失ったとき、チャーチルはただちに翌朝これを発表する勇気があって最後の勝利を獲得した。日本は最期まで事実を隠蔽して大敗を喫した。
したがって速力はでず燃料に窮し、寄港地では許容量以上の石炭を満載した。のちに瓜生艦隊先任参謀も、捕えた艦上到るところ石炭の山、これでよく戦えたもんだと述懐している。
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