日本リーダーパワー史(361)国難突破の日本史最強のリーダーシップー山本権兵衛『海軍建設経営CEO」の決断力①』
日清戦争も、日露戦争も、五十%とまでは山本の力で勝ったといっても、過言ではない。大海軍を語る前提は、いかに省略しても、数項目を彼の政治力と統制力と、豪胆と精智とがうんだ事実にふれないわけにはいかない」と高く評価している。
山本の人材抜擢の慧眼によって、日本は興ったといって過言ではない。
すなわち、明治26年11月の予備役編入のリストには、末尾に東郷平八郎の名がのっていた。これは「こんにゃく版」と通称された整理供補の名簿で、凡才や病身者は大佐どまりなのである。大佐で整理するには、とくに海軍大臣の承認を得る必要上、リストをつくって提出する習慣であった。そのとき、整理される十六人の末尾に東郷平八郎もいたわけだ。
局長が考えていると、山本が、あたかも任命するような口ぶりで、「横須賀につないである『浪速』へでも乗せておこう」といった。同艦は当時、予備艦としてつながれていた。東郷は、その艦長の辞令をもらって、首をつないだのであった。
それが千載一遇の日露戦争を前にして、連合艦隊司令長官に一躍大抜擢されたので海軍では驚かぬ者がなかった。
今度の戦争では、司令長官の替えを三、四人もつくっているということだから」という受け止められ方だった。
(木村毅『明治天皇』文芸春秋社、昭和42年)
戦争開始は一九〇四年二月でいよいよ戦いは避けられないと判断した時、山本海相は一九〇二年秋以来最も有能な海将であった常備艦隊司令長官・日高壮之丞中将を更迭して、舞鶴鎮守府司令長官だった東郷平八郎中将をその後に大抜擢した。
日高壮之丞は1902年
10月に司令長官になってから未だ一年、当然まだ一年の任期が残っている。艦隊長官としての技量は、部下が敬服していた。つまり立派な海将で、しかも兵学校では山本氏と同期だった。その人をなぜ動かしたのか。彼はそれを日本人には話さなかった、という。伊東祐亨大将(日清戦争の連合艦隊司令長酔)にも話し、すべて内諾を得てあるのだと話してきかせると、「みんなが、おいどんでええちゅうなら、やってもようどわす」と言って、やっと引き受けたという。(木村毅『明治天皇』文芸春秋社、昭和42年)
山本はこの人事については機微に触れる問題なので日本人には話さなかった、とも次の文章に紹介されている。
にフィッシャー元帥に会いました。その場で元帥が最初に発した質問は、あの大事な時になぜアドミラル日高を更迭したのか、
ということだった。
この「a little」は非常に意味深長。ちょっとというのは何か。日本海々戦を戦ったあの武勲赫々たる偉大な東郷大将が
「ちょっとばかり」いいとは一体何であろうか。
関連記事
-
-
『リーダーシップの日本近現代史』(61)記事再録/国難の研究― 日露戦争開戦までの外交交渉の経過と政府の対応①『児玉源太郎が2階級降下して参謀次長に就任、全軍を指揮、病気静養中の桂太郎総理の決意、参内し上奏、旨趣
―国難の研究― 日露戦争開戦の外交交渉の経過と政府の対応① &nb …
-
-
人気リクエスト記事再録『百歳学入門(195)』-『『超高齢社会日本』のシンボル・『クリエイティブ長寿思想家』の徳富蘇峰(94)に学ぶ➀』★『生涯現役500冊以上、世界一の読書家、著作家の長寿・執筆、散歩術』
2010/09/29の記事再録 『生涯現役500冊以上、世界一の読書家、著作家の …
-
-
『リーダーシップの日本世界近現代史』(301)★『日本には元々「情報戦略」という場合の「情報」(インテリジェンス)と『戦略(ストラジティ)』の概念はなかった』★『<明治の奇跡>が<昭和の亡国>に転落していく<戦略思想不在>の歴史を克服できなければ、明日の日本はない』
2017/12/01「戦略思想不在の歴史⑿」記事再録 「戦略思想から …
-
-
日本経営巨人伝④・麻生太吉–明治期の石炭王『九州財界の重鎮』の麻生太吉翁
日本経営巨人伝④・麻生太吉 明治期の石炭王『九州財界の重鎮』の麻生太吉』 <麻生 …
-
-
日本リーダーパワー史(441)★「勝利への秘策はあるか,2014年W杯 ブラジル大会をザッケローニ監督に聞く(12/16)」
日本リーダーパワー史(441) ◎「勝利への秘策はある …
-
-
『 Z世代にためのス-ローライフの研究』★『元祖ス-ローライフの達人・仙人画家の熊谷守一(97歳)のゆっくり、ゆっくり、ゆっくり』★『小学校の時、先生はいつも「偉くなれ、偉くなれ」というので、「みんなが、偉くなったら、偉い人ばかりで困るのではないか」と内心思った』
仙人、超俗の画家として生前も人気の高かった熊谷は没後,評価はますますうなぎのぼり …
-
-
世界リーダーパワー史(943)トランプ対習近平の『仁義なき戦い」★『米中貿易戦争から、いよいよ全面対決の「米中冷戦時代」へ突入か
世界リーダーパワー史(943) 米中貿易戦争から、いよいよ全面対決の「中冷戦時代 …
-
-
『リーダーシップの日本近現代史』(135)/記事再録★『山県有朋から廃藩置県の相談された西郷隆盛は 一言で了承し、即実行したその日本史上最強のリーダーシップ①』(徳富蘇峰『近世日本国民史』(明治の三傑))★『行政改革を毎回唱えながら、中央省庁再編、道州制、都道府県市町村再合併、財政削減などなかなか進まない、リーダーシップ不在の日本沈没政治』
2012-03-24 /日本リーダーパワー史(246)記事再録 …
-
-
世界リーダーパワー史(938)-『「トランプ氏解任提案か=司法副長官が昨年春」』★『『もう外食は無理? トランプ政権幹部、相次ぎ退店や罵倒の憂き目に』(AFP)』
世界リーダーパワー史(938) 「トランプ氏解任提案か=司法副長官が昨年春」<時 …
