前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

国際ジャーナリスト・近藤健氏が<2016年アメリカ大統領選挙>について語る≪60分ビデオ)

      2016/05/26

 

近藤健氏は元毎日新聞ワシントン支局長・外信部長・元国際基督教大学教授で、4月27日に<2016年アメリカ大統領選挙>について語った。

レジメ<2016年アメリカ大統領選挙>   2016.4.27

近藤健

アメリカにとって、世界にとって、望ましい結果は?―候補者が誰であれ、民主党が勝つこと。なぜならば‥‥上院議員選挙に注目

2。ヒラリー対トランプの争いとなった場合。ヒラリー楽勝?と言い切れるか。

不安要素 ①クリントン疲れ“Clinton fatigue”② それと関連して、現在のヒラリー不人気。好意度の低下。最近の調査で55%が好意を持たないとしている ③サンダース支持票の行方 動員(mobilization)の問題 とくに無党派層。

3。「異常な選挙」?トランプ現象、サンダース現象 これまで、このような人は、第三党から立候補した。

例:1992年のペロー(ビジネスマン)

1968年のウオレス(アラバマ州知事) アメリカ独立党

ポピュリズム 反エスタブリッシュメント 今回が初めてではない。

ジョージ・ウオレス知事の言説。

「ワシントンのエリートずらした官僚と政治家というエスタブリシュメントに対抗して、普通の人average manに代わって戦うのだ」「頭のとんがった教授どもpoint・headed professors「神のごとく振舞う連邦判事federal judges playingGod」

Average man Common manのためにとは、ポピュリストの定型句

今回は、民主、共和両党から立候補し、高い得票率

デマゴーグの出現  不安と怖れの政治

過去において、大量移民の恐怖、赤の恐怖を煽り立てて支持を集めた例。1850

年代のノーノッシング党、マッカーシーシズムと共産主義。ウオレスは黒人公民権運動に抵抗-『人種隔離を永遠に」がスローガン。今回、経済格差、失業、生活不安に乗じたトランプのポピュリズム(サンダース支持者と類似、目指す方向の違い)

4。反ワシントン、反エスタブリッシュメントの常態化。

1976年のカーター以来、続いている。レーガンも、クリントンもワシントンの空気に汚れていない人物と主張した。みんな州知事、つまりワシントン政治にまみれていないというわけ。

それが有権者にアッピールしたのは、なぜか。一要因として、ヴェトナム戦争とウオーターゲイト事件後に高まった政府不信、制度不信。

5.変化の予兆?

世代交代:格差問題一一

一喫緊の課題:政府の役割:保護主義への傾斜・・・トランプとサンダースの功簾:国民のムードを鮮明化し、争点を明確化。 民主党を左に引っ張るサンダース。共和党を亀裂させ党再編をうながしたトランプ

サンダース→ 格差問題を争点に リベラルの復活の契機?

政府の役割をめぐる争い:共和党の小さな政府、制限政府は有効か。大きな政府とはわないまでも、格差是正には政府の役割重要(サンダース人気) 増税は不可避保護主義への傾斜 グローバル化、自由貿易は失業を生んだ。TPP反対 トランプもサンダースも (欧州の右翼政党)

6.結論的に この選挙の本質はなにか

「アメリカ社会の再生にともなう混乱と葛藤」

ここから新しい展望が生まれるかはわからない。問題解決への政策調整が 求められていることは確か。

トランプ、サンダース現象とは、21世紀に入ってのアメリカ社会の変化にどう対応するかの葛藤、と見ることができる。

その変化とは

    • 文化的リベラリズムの勝利と保守派、右翼の反発 ②人口動態の変化 白人少数化へ ③経済的変化1%対99% とくにプッシュ政権 ④不法移民増大 ⑤国際環境の変化 グローバリゼーションの影響 ⑥対外政策の調整一軍事介入疲れとアメリカの地位 ⑦メディア環境の変化 インターネット ソシアル・メディア ツイッター政治

国際ジャーナリスト・近藤健氏のディープニュースー

『変わるアメリカ社会と大統領選挙はどうなるのか』(ビデオ120分)

http://www.maesaka-toshiyuki.com/history/2448.html

<近藤 健の米国深層レポート②>●『アメリカは金権政治plutocracyかー米国の選挙は“50億ドルビジネス”』―

http://www.maesaka-toshiyuki.com/history/2534.html

 - 人物研究, 現代史研究, IT・マスコミ論

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
日本メルトダウン脱出法(853) 『福島「県民健康調査」検討委の星座長が会見(全文1)甲状腺検査など』●『北朝鮮の暴発と体制崩壊の可能性が高まった』●『アジアプレス・石丸次郎大阪代表による北朝鮮の現状(全文1)取材方法など』●『アジアプレス・石丸次郎大阪代表による北朝鮮の現状』

 日本メルトダウン脱出法(853) 福島「県民健康調査」検討委の星座長が会見(全 …

no image
速報「日本のメルトダウン」(485)●中国のメディア規制と人権弾圧ー『中国で記者25万人に日本非難研修』ほか

  速報「日本のメルトダウン」(485) <そして、またまた …

no image
大阪地検特捜部の証拠改ざん事件を読み解く ⑥死刑・冤罪・誤判事件ー30年変わらぬ刑事裁判の体質④

大阪地検特捜部の証拠改ざん事件を読み解く⑥   裁判官・検事・弁護士・ …

no image
世界/日本リーダーパワー史(909)-米朝首脳会談(6/12日)は「開催されるのか」×「延期になるのか」★『北朝鮮、米朝首脳会談の中止を警告、一方的な核放棄要求に反発』×『 米副大統領、北朝鮮に警告「トランプ氏をなめるな」』

米朝首脳会談(6/12日)は「開催されるのか」「延期になるのか」   …

no image
日本一の「徳川時代日本史」授業④福沢諭吉の語る「中津藩で体験した封建日本の差別構造」(旧藩情)を読む④

 日本一の「徳川時代の日本史」授業④   「門閥制度は親の仇 …

『リーダーシップの日本近現代史』(322)★「米国初代大統領・ワシントンとイタリア建国の父・ガリバルディと並ぶ世界史の英雄・西郷隆盛の国難リーダーシップに学ぶ。ー『奴隷解放』のマリア・ルス号事件を指導。「廃藩置県」(最大の行政改革)「士農工商・身分制の廃止」『廃刀令」などの主な大改革は西郷総理(実質上)の2年間に達成された』

2019/07/27  日本リーダーパワー史(858)/記事 …

no image
★『世界を襲う地球温暖化による異常気象』-『“ヒートドーム”に閉じ込められた北半球、史上最高気温続出』★『世界人口は2055年には100億人を突破。燃え上がる地球で人類は絶滅種族に向かう』

『青い地球は誰のもの、 青い地球は子どものもの、 青い地球はみんなのもの、 人類 …

no image
日本メルトダウン(939)『ブラジル女子柔道 ラファエラ・シルバの金メダルは日本の勝利でもある』●『戦後、焼野原の日本はこうして財政を立て直した 途方もない金額の負債を清算した2つの方法』●『ディープラーニングの進化は 効率的でストレスのない社会を実現する』●『 蓮舫氏は「第2の土井たか子」になるのか 社会党と同じ自滅の道を歩む民進党』

 日本メルトダウン(939)   ブラジル女子柔道 ラファエラ・シルバの金メダル …

no image
『リーダーシップの日本近現代史』(202)ー『COP25と<脱石炭の行動を起こせない>」大災害国日本の沈没①』★『2018年の気象災害被害が最悪国だった日本』★『100年に一度の想定外の災害が毎年のように襲ってくる「巨大災害多発時代」に突入した日本』★『それなのにCOP25で2度目の化石賞でダメ出しされた日本は51位 石炭大国の中国は30位』★『安倍政権下で環境問題後進国へ転落、世界との差は2周遅れで信用失墜へ!』

    ●「今やらねば、いつできる.何よりダメな日本の衰退』  COP25で2度 …

no image
速報(92)『日本のメルトダウン』『原発事故処理「最終的には数十年単位」 首相が見通し,10年後に燃料取り出し>

速報(92)『日本のメルトダウン』   『原発事故処理「最終的には数十 …