池田龍夫のマスコミ時評(103)『名護市長選ー辺野古移設実施への難題(1/22)』『渡辺・読売会長が「情報保全諮問会議」座長(1/17)』
池田龍夫のマスコミ時評(103)
◎『名護市長選の冷厳な結果――辺野古移設実施への難題(1/22)』
◎『渡辺・読売会長が「情報保全諮問会議」の座長とは(1/17)』
池田龍夫(ジャーナリスト)
◎『名護市長選の冷厳な結果――辺野古移設実施への難題(1/22)
米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市・辺野古移設問題が争点となった名護市長選は1月19日投開票を実施。辺野古移設阻止を主張した現職の稲嶺進氏が、移設推進を掲げた前県議の末松文信氏に大勝し、再選を果たした。
日米両政府は名護市の民主主義と自己決定権を尊重し、県外・国外移設への道を再検討すべきではないか。
米国では〝代替案〟模索の動き
琉球新報1月20日付社説は、「名護市民の選択は、昨年末に普天間県外移設の公約を廃棄し、政府の辺野古埋め立て申請を承認した仲井真弘多知事に対する市民の痛烈な不信任である。
知事は選挙結果を真摯に受け止め、前言を撤回すべきだ。沖縄を分断する安倍政権の植民地的政策に追従するのではなく、民意を背景に県内移設断念こそ強く迫ってもらいたい。
かつては辺野古移設を支持していた複数の米国の外交・安保専門家が見解を変え、『プランB(代替案)』の検討を提案している。ノーベル賞受賞者を含む欧米知識人も辺野古移設に反対している。
世界の良識が県民を支持している。安倍晋三首相とオバマ大統領は、諸外国に向かって『自由と民主主義、基本的人権の尊重、法の支配という普遍的価値を共有する』と言う前に、沖縄にも民主主義を適用してもらいたい」と名護市民の選択を尊重し、日米両政府に再検討を求めている。
計画強行は名護市民への人権問題
再選された稲嶺市長は20日午前、市内で記者会見し「これだけの反対意見を無視して計画を強行すれば地方自治の侵害であり、名護市民の人権にも関わる問題だ。移設計画がスムーズに進むとは思わない」と述べ、選挙結果にかかわらず辺野古移設を推進する方針の政府を批判した(時事通信20日報道)。
さらに同氏は「『米政府は日本政府ほど(現行計画に)固執していない。別の方法を考えないといけない』ということになるのではないか」と指摘。米側主導で計画が見直されることに期待感を示した。
沖縄防衛局が「業者入札」の公告
これに対し防衛省沖縄防衛局は21日、辺野古埋め立て工事の設計やジュゴンなどの保全措置に関する事業計画3件の業者を募る入札公告を行った。3月24日に受注業者を決めて同月中に契約、2015年までに埋め立て工事に取り掛かりたいとしている。
「稲嶺当選」にショックを受けたのは日本政府で、米政府は移設停滞を懸念しながらも、現段階では論評を控えている。毎日新聞20日付夕刊は、「停滞は日本の国内問題との意識から、日本国内の環境整備の促進に米国は期待をかけているようだ」と分析していたが、日米両国の意識のズレを感じる。
政府が工事を急ぐ余り、ゴリ押しすれば市民感情・県民感情を刺激。予期せぬ混乱に陥り、不足の事態を招くことが怖い。米政府も「ひと筋縄ではいかない」沖縄基地問題への対応に、困り果てているように思える。
★渡辺・読売会長が「情報保全諮問会議」の座長とは…(1/17)
特定秘密保護法は昨年暮、安倍晋三政権の強行可決によって〝戦前回帰の恐れ〟がさらに広がっている。ところが政府は、世論を〝尊重〟するどころか、1月14日「情報保全諮問会議」を立ち上げた。
年内に施行される秘密保護法に基づき、特定秘密の指定・解除、公務員らの適正評価に関する運用基準などを調査・検討する諮問会議で、有識者7人が決まった。17日に初会合を開くというから、その強引さは相変わらずだ。さらに、座長に読売新聞グループ本社代表取締役会長・主筆の渡辺恒雄氏(87)が選出されたことに驚いた。
「主権者は国民。悪法を許すな」…ジャーナリスト結束
逆に14日には、マスコミ9条の会と日本ジャーナリスト会議(JCJ)が日本記者クラブで記者会見。戦前の言論弾圧に抗した、むのたけじ氏(元朝日新聞)は「戦前の日本は絶対君主制だった。(現在の)主権者は国民。安倍首相の言ってることは戦前と同じことで、決して許すわけにはいかない。地道な活動で廃止につなげ、日本を蘇らせよう」と市民の連帯を訴えた。
ジャーナリストの原寿雄氏は「靖国神社参拝と秘密保護法の二つをみても安倍首相が国家主義者であることを確認できる。国民運動を発展させるために私もやれることをやりたい」と述べ、作家の澤地久枝さん、落合恵子さんらも決意を述べた。
昨年12月「秘密保護法強行可決は、議会制民主主義を踏みにじる憲政史上初の暴挙」との声明を出した日本ジャーナリストとマスコミ9条の会が中心となって、市民や団体の賛同を得る連帯行動で、「国民共同会議」を目指すという。
東京新聞15日付朝刊は1面2番手5段見出しを掲げて報道。さらに「こちら報道部」(24~25面)で10段見開き紙面を展開「安部政権暴走許さない」と熱っぽく訴えた。他紙にくらべ、強烈な問題意識を示したものと評価したい。
文末に、呼びかけ人62人全員を紹介しており、市民運動を志向しているに違いない。すでに全国ネットの一部が取り上げており、4月からの消費税3%アップと絡んで、安倍政権の前途は決して安泰ではない。
前段で取り上げた「情報保全諮問会議」の問題点について、毎日新聞15日付朝刊は「読売新聞は秘密保護法の必要性認める論調を展開。同法に反対してきた日弁連情報問題対策委員長、清水勉氏はメンバー入りしたが、他の委員は政府・与党寄りの構成になったことは否めない」と指摘。朝日新聞同日付朝刊も同様な見解を示し、メンバー選考に疑問を呈した。
諮問会議を〝隠れ蓑〟に
読売新聞はたびたび秘密保護法の必要性を認める論調を展開しており、座長・渡辺主筆に「公正な論議」はとても期待できない。
安倍首相は何か問題のあるテーマ打開のため、審議会や諮問会議を〝隠れ蓑〟にして合法を装う姿勢が見え見えだ。国民は常に首相の言動をウオッチし続けねばならない。
(いけだ・たつお)1953年毎日新聞入社、中部本社編集局長・紙面審査委員長など。
関連記事
-
-
『 オンラインW杯カタール大会講座 ①』★『<ドーハの悲劇>から<ドーハの奇跡>へ、ドイツに2-1の逆転勝利』★『第2戦は1-0でコスタリカに敗北し、再び天国から地獄へ』★『スペイン戦が運命の一戦になる!』
『 オンラインW杯カタール大会講座① 』(11月23日→27日) …
-
-
『オンライン講座/今、日本に必要なのは有能な外交官、タフネゴシエーター』★『日本最強の外交官・金子堅太郎のインテジェンス⑦』★『日本軍はなぜ強いのかー武士道に根源あり』★『正義の主張も腕力の裏付けなくしては貫徹できない』◎『日本海海戦勝利に狂喜した大統領は「万才!」と 漢字でかいた祝賀文を金子に送る』
2017/06/28日本リーダーパワー史(835)(人 …
-
-
『オンライン講座/東京五輪開催での日本人の性格研究』★『 緊急事態宣言下の五輪―開催も地獄、中止も地獄』★『あと40日余の東京五輪はますます視界不良に包まれている』★『 日本人には何が欠けているのか?論理の技術、科学的思考法だ。西欧の近代合理主義と中国文化圏(古代中華思想)を分ける方法論の違いは、中国・日本の教育制度は.ただ記憶力だけを重視している』
前坂 俊之(ジャーナリスト) 6月9日、東京五輪開催、経済対策、新型コロナ問題な …
-
-
『リーダーシップの日本近現代興亡史』(227)/『日米戦争の敗北を予言した反軍大佐/水野広徳(下)』-『その後半生は軍事評論家、ジャーナリストとして「日米戦わば、日本は必ず敗れる」と日米非戦論を主張、軍縮を、軍部大臣開放論を唱えるた』★『太平洋戦争中は執筆禁止、疎開、1945年10月に71歳で死亡』★『世にこびず人におもねらず、我は、わが正しと思ふ道を歩まん』
2018/08/20 /日米戦争の敗北を予言した反軍大佐、ジャーナリ …
-
-
『リーダーシップの日本近現代史』(208)ー『2019年の流行語大賞となったW杯ラクビ―大成功の戦略「ワンチーム」「ジャパンウエー」』★『その勝利の秘密はエディー・ジョーンズ前HCのコ―チ学にあり、これはリーダーシップの免許皆伝の書といえる』(上)
2019年の流行語大賞となったW杯ラクビ―大成功の戦略「ワンチーム」とその秘 …
-
-
[60,70歳のためのための加齢創造学講座』★『ロケットの父・糸川英夫(86)の『加齢創造学』ー人間の能力は6,70歳がピークだよ
2012/04/11 百歳学入門(37)―『百歳長寿名言』再録 &n …
-
-
『F国際ビジネスマンのワールド・カメラ・ウオッチ(157)』 『イスラエルに魅せられて再訪(2016/1)」レポート(5)『死海(Dead Sea)、30 年ぶりの浮遊体験』ー平均1年、1mのペースで湖面が低下している。
『F国際ビジネスマンのワールド・カメラ・ウオッチ(157)』 『イスラエルに魅 …
-
-
池田龍夫のマスコミ時評⑪ 「日米同盟」再構築の道 両国首脳の政治理念、具現化を
池田龍夫のマスコミ時評⑪ 「日米同盟」再構築の道 両国首脳の政治理念、具現化 …
-
-
『F国際ビジネスマンのワールド・カメラ・ ウオッチ(232)』★『イスラエル探訪、エレサレムの旧市街の迷路を歩く』★『発掘されたエルサレム 各統治年代によって重層化した地盤』★『究極の聖地周辺は今も大規模な発掘が進行中』★『呼び込みの激しいバザール』
『F国際ビジネスマンのワールド・カメラ・ ウオッチ(232)』 ハイファからテル …
-
-
日本リーダーパワー史(396)中国が侵略と言い張る台湾出兵外交を絶賛した「ニューヨーク・タイムズ」 (明治7年12月6日)
日本リーダーパワー史(396) …
