池田龍夫のマスコミ時評(116)集団的自衛権など、松坂市長の勇気ある発言(8/20)
2015/01/01
池田龍夫のマスコミ時評(116)
集団的自衛権など、松坂市長の勇気ある発言(8/20)
池田龍夫(ジャーナリスト)
「解釈改憲許さぬ『国民意思』を」と訴えた山中光茂・三重県松坂市長の問題提起に感銘した。毎日新聞8月14日
付朝刊オピニオン面「発言」欄に掲載されたもので、集団的自衛権行使の危険性を率直に表明している。
山中市長は「首長である私は市民団体を結成し、憲法学者や有識者らとともに集団訴訟、国家賠償請求でこの決定
に立ち向かう運動を始めた。これは『右』でも『左』でもない。
松阪から市民運動として全国へと広げ、問題の重要性を国民に訴えていきたいと思う。(中略)日本は憲法9条に基づき、平和主義を抑止力としてきた。それが、日本の誇りでもあった。
それが変更されることは『国民意思』によってストップしなくてはならない。全国から1万通を超える賛同メッセージ
をいただいた。
地方議員の賛同の輪も広がってきた。まずは『法の支配』を守る司法の場において、最終的には国民が立憲主義と平和主義を守り抜く闘いにつなげていかなくてはならないと確信している」と、堂々と述べている姿勢に共感する国民は多いだろう。
また、山中氏は「私はかつて医師としてアフリカ諸国で活動した。そこでは『愚かな為政者』の判断で国家体制が変えられ、国民生活が破壊されることも決して珍しくない。
内戦後の民族紛争の継続や人種間の格差拡大など為政者の判断が負の連鎖を広げる現実を肌で感じてきた」と述べ、今回の「発言」に至った過程を説明していたが、解釈改憲の危険性を訴えざるを得なかったに違いない。
「日本会議」の組織拡大が気がかりだ
ここで傍と気づいたことだが、山中氏の姿勢と真っ向対立する「日本会議」と称する組織の存在である。今年6月東京都議会で女性都議に「早く結婚したほうがいいんじゃないか」とヤジを飛ばした鈴木章浩都議=自民党員派を離脱=は、日本会議の地方議員連メンバーという。
東京新聞7月31日付朝刊「こちら特報部」面が大々的に取り上げていた。それによると「日本会議」は1997年5月、保守系宗教団体などでつくる「日本を守る会」と保守系文化人や旧軍関係者などを中心とする「日本を守る国民会議」を統合して結成された。
地方議員の会員数が多く、会員数は全国で3万5000人に上るそうだ。日本会議発足と同時に立ち上げた「日本会議国会議員懇談会」には、今年5月現在で289人が加盟しており、安倍首相と麻生財務相は特別顧問。
安倍内閣の閣僚19人のうち13人が懇談会メンバーと推測される。同紙の取材に対し、日本会議ウオチャーの山口智美モンタナ州立大学准教授は「国会議員のみならず、地方議員や宗教関係者の動員力を駆使した運動は、教育基本法改正や首相の靖国神社参拝、選択的夫婦別姓導入の阻止など90年代後半からの右翼化の流れを確実にした」と警告を発している。
健全な政治運営を望みたい
集団的自衛権と特別秘密保護法をめぐって世情は騒然としている。
それに加え、ツイッターによるヘイトスピーチなど、〝二極分解〟の様相を深めてきた。安倍政権の国民への説明不足に起因している点が多いと思われる。主権在民の平和憲法の精神に基づき、〝独りよがり〟でない、健全な政治運営を望みたい。
関連記事
-
-
『オンライン講座・日本はなぜ敗れたか、ベンチャーがなぜでないのかの研究』★『 日本の統一教育(文部省)の欠陥、「個性無視、型にはまった人間を粗製乱造した画一的な教育制度が日本を滅ぼした」★『いまも政府、文部省の中央直轄のダイバーシティー(多様性)無視の失敗教育を繰り返し、2度目の日本沈没寸前!』
2015/04/26/終戦70年・日本敗戦史(67) …
-
-
[60,70歳のためのための加齢創造学講座』★『ロケットの父・糸川英夫(86)の『加齢創造学』ー人間の能力は6,70歳がピークだよ
2012/04/11 百歳学入門(37)―『百歳長寿名言』再録 &n …
-
-
世界、日本メルトダウン(1035)–『朝鮮半島チキンレースの行方はどうなる』★『連日、報道されている北朝鮮情勢緊迫について、北朝鮮、米国、関係各国の情報操作、プロパガンダ、ニセニュースが横行中』●『戦争の最初の犠牲者は真実である』●『空母の朝鮮半島派遣でトランプ政権が釈明 「今は朝鮮半島に向け航行中」』★『北朝鮮のミサイル実験失敗、米軍のサイバー攻撃の仕業か』
世界、日本メルトダウン(1035)– 『朝鮮半島チキンレースの行方 …
-
-
池田龍夫のマスコミ時評⑪ 「日米同盟」再構築の道 両国首脳の政治理念、具現化を
池田龍夫のマスコミ時評⑪ 「日米同盟」再構築の道 両国首脳の政治理念、具現化 …
-
-
★『 地球の未来/世界の明日はどうなる』 < アメリカ・メルトダウン(1058)>『弾劾か刑事訴追か、泥濘にはまったトランプ 息子までロシアと接触、次は周辺から逮捕者の可能性』★『トランプ長男、ロシア疑惑の動かぬ証拠を自らツイート』●『トランプ「支持率最低」政権の深刻すぎる前途 就任半年で政策動かず、ロシア疑惑が重し』★『「大惨事」もありえる米議会のヤバすぎる状況 大事な夏休みも短縮する勢い』●『 四面楚歌のトランプ、弾劾は時間の問題か 全米で次々提訴され、ロシアゲート捜査は核心に迫る』
★『 地球の未来/世界の明日はどうなる』 < アメリカ・メルトダウン(1058) …
-
-
★5「世界の最先端技術『見える化』チャンネル」-「イノベーション・ジャパン2017(8/31-9/1) (株)「人機一体」は世界初の高さ4mの巨大・ガンダム型の人 型重機ロボット」をデモ
世界の最先端技術『見える化』チャンネル 「イノベーション・ジャパン2017(8/ …
-
-
★『 地球の未来/世界の明日はどうなる』 < チャイナ・メルトダウン(1056)>『中国政府を批判し有罪となり、服役中にノーベル平和賞を受賞した人権活動家の劉暁波氏が7月13日、肝臓がんのため中国・瀋陽の病院で亡くなった。』★『日清戦争の原因の1つとなった「金玉均暗殺事件」はこの中国の人権弾圧、テロ国家の体質から生まれた、同じケースである』
『 地球の未来/世界の明日はどうなる』 < チャイナ・メルトダウン(1056) …
-
-
『リーダーシップの日本近現代史』(209)-『W杯ラクビ―の勝利と「モンスター」井上尚弥の世界一の共通性』★『「できない理由」を探すよりも「何ができるのか」を考える』★『日本社会と同じようなチームを作っても世界では負ける、他のチームの物まねをしてる限り、チームは強くならない』(下)
W杯ラクビ―の勝利(準決勝進出)と「モンスター」井上尚弥の共通性 …
-
-
日本リーダーパワー史(274)EUの生みの親・クーデンホーフ・カレルギーの日本記「美の国」―日本人は世界で最も勇敢な民族②
日本リーダーパワー史(274) 『ユーロ危機を考える日本の視点』② …
-
-
『5年前の記事を再録して、時代のスピード変化と分析ミスをチェックする』-『2018年「日本の死」を避ける道はあるのかー 日本興亡150年史』(2)
★◎『2018年「日本の死」を避ける道はあるのかー 『リーダー不在の―日本興亡1 …
