前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

『大谷翔平<3打走投>流の「YAKYUDOU」(野球道)とは何か』★『ベースボールと野球道の違い』★『大谷のルーツは宮本武蔵の二天一流兵法(「五輪書」を書いた霊巌洞の動画あり)』★『「打撃の神様」の巨人・川上哲治の「ボールが止まって見える」(心技体一致)』

   

激動の2024年を振り返って、私を一番「ハッピーな気持ちと元気にしてくれた」のは大谷翔平選手の大活躍だった。大谷が「自分の曼陀羅」(人生設計)にそってドジャースを1年目に世界一に導き、MVP(3回)、各賞を独占、スポーツ選手初の「スタートアップ・ユニコーン」(収入総額1500億円)を超え、その人間的魅力、モラル、文化的影響力でも世界的なスーパースターとなったのは何ともうれしい。MLBに入った時、誰が今日の大谷の前人未到の活躍を予想しただろうか。

私に一早く彼の世界的な魅力を知らせてくれたのは友人の国際ビジネスマンA氏だった。米ニューヨークタイムズ電子版(2018年4月4日号)は「スーパースターのプホールズ、トラウトは大谷のサポーター、引き立て役に成り下がっている。投手として一流、打者になっても超一流、こんな事がメジャーリーグで起こりうるとは誰が予想したであろうか?」と報じていた。

A氏はこの記事の送ってくれて「日本の政界、経済界は超内向きで世界比較に関心が無く凋落一途、 スポーツは外向き国際標準が当然で、人材の育ち方の極端なこの格差に唖然とするのは小生だけでしょうか?
中東イスラエルの若者は、99%が大学を卒業したら直ぐには就職せず、1年間掛けて他流試合と武者修行、地球貧乏旅行に必ず出かけます。世界各国の美点を吸収し、自分自身と国創りに生かしています。
大谷が自己の可能性を信じて、高卒 即メジャーと言う大望を表明し、今それを実証しつつある事ことは、日本の青年に活躍の舞台は日本の外、世界にこそあることを喧伝しています。久しぶりにインスパイアされる事件です」とコメントしていた。
これ以来、私はNHKBSで大谷の全試合を録画して、大谷の活躍、人気をウオッチ。「ベーブルース二世」から「ルースを超えたショウヘイ」、さらにドジャースをワールドシリーズ優勝に導いた三段飛びのウルトラCを見てその超人力の秘密がわかってきた。

17歳の「マンダラノート」(人生設計図)がスタートライン!

大谷は少年野球監督の父から「すきなことを仕事にすればこんな楽しい人生はない」と教えられ、17歳の時に「マンダラノート」(人生設計図)作った。人生が夢を作るのではなく、夢こそが人生を作る。大谷はこのマンダラチャートをスケジュール日課にしながら鍛錬を約20年間、続けてきた。

① 科学的な練習、トレーニングを数値化しながらチェックする。
② 食事、カロリー、栄養バランス、睡眠時間(8-12時間)の調整、管理
打撃位置とホームベースの距離をバットを置いて計測、バットと心技体を一致させる。
④ 野球技術を毎日磨き、チームメイトとのコミュケーション、知恵を交換した。
⑤ 自己の記録よりもチームが勝つことを重視し、その先陣を切る。
⑥ 点を取るためには何でも行う。全力疾走,全力プレーでチームを鼓舞した。
⑦ 記念日には必ず打って、結果を残した。ここ一番の決定的チャンスには集中力を極限まで高めて、勝利をものにした。
―その勝負脳(不動心、無心、心技体一致、土壇場力)が「結果力」につながった。

●ベースボールと野球道の違い

MLB(資本主義的なエンタメ、スポーツ産業)と日本の野球は大きく違う。日本にはスポーツという概念はなかった。柔術が加納治五郎により柔道になり、1964年の東京五輪で正式種目になり、世界に普及して「JUDO」となった。1934年MLBのベースボールが日本に入りプロ野球が誕生した。

大谷の2投流のルーツを探れば、宮本武蔵(江戸時代初期の剣術家)に行き当たる。武蔵は二刀(大小)を用いる二天一流兵法の開祖であり、伝説では64勝無敗といわれる剣豪、剣聖である。二天一流兵法の秘伝「五輪書」を書き残したが、鍛錬を重視。『鍛とは千日(3年間)の稽古、錬とは1万日(30年間以上)の毎日欠かさずの練習』で、武蔵はこの「錬」を実践しなければ達人の域には達しない、と書いている。
もう1人の達人は「打撃の神様」との異名をとった巨人・川上哲治。川上はMVP3回、首位打者5回、本塁打王2回、打点王3回。 通算成績1979試合、2351安打、1319打点、220盗塁、打率.313の生涯記録を残した。
川上は禅に学びその修行で、1950年『投手の球をポイントで読めて打つコツを体得した。「ボールが止まって見える」との心技体の野球道の名言を残した。

監督となり「アル・キャンパニス」(ドジャース戦法)を導入し、王貞治、長嶋茂雄らを率いて巨人の黄金時代を築き、「球禅一味」で9連覇を達成した。優勝することはやさしい、連覇を続けることは至難である。MLB でも9連覇したチームはない。
10月31日、ドジャースはワールドシリーズを制覇した。この優勝祝賀会で大谷はフリードマン・ドジャース編成本部長へ『あと9回優勝しましょう』と話したという。大谷は歓喜の中でもなお、前を向き続ける姿勢を示したのだ。
来年はケガから復活し、2投流の勇姿が見えることを期待している。

12月23日、大谷翔平投手はAP通信の「今年の男性アスリート」に選出された。2021、2023年に続き2年連続3度目の受賞で、バスケットボールの英雄マイケル・ジョーダン(米国)に並んだ。最多はゴルフのタイガー・ウッズや、バスケットボールのレブロン・ジェームズ(いずれも米国)らの4度。
大谷選手は同社のインタビューに手術を受けた左肩は「まだ完全に動くわけではないが、かなり良くなった。少し張りはあるが、確実に良くなってきている」と述べている。

 

 - 人物研究, 健康長寿, 現代史研究

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(64)』「ワールドカップ初戦、ネイマールは 一発退場させるべきであった」

     『F国際ビジネスマン …

「トランプ関税国難来る!ー石破首相は伊藤博文の国難突破力を学べ②』『日露戦争開戦『御前会議」の夜、伊藤博文は 腹心の金子堅太郎(農商相)を呼び、すぐ渡米させた」★「当時、米国はロシアを第一友好国としており、金子は渡米に反対した』★『ル大統領と親友の金子は和平講和条約の仲介役を同大統領に引き受けさせる広報外交を展開した』

2021/09/01 『オンライン講座/日本興亡史の研究 ⑮ 』 以下は前坂俊之 …

no image
<日本最強の外交官・金子堅太郎③>『ルーズベルト米大統領、全米を説得したーその驚異の外交力の秘密』

<日本最強の外交官・金子堅太郎③> ―「坂の上の雲の真実」ー 『ルーズベルト米大 …

no image
速報(315)◎『不確実性の雲:暗中模索する世界経済』●『心配すべきはChindown」だー中国経済の減速で損、得する国』

速報(315)『日本のメルトダウン』   ◎『不確実性の雲:暗中模索す …

no image
世界の最先端テクノロジー・一覧①『リアルなVRの時代がついに到来』●『時価総額45億ドルのMagic Leapが拓くミックス・リアリティの世界 スマホは不要になるのか? 』●『次のキーテクノロジーは音声、次の覇者はAmazon』●『空飛ぶバイク、ついに発明される(動画)』●『YouTuberが小学生の「将来の夢」に登場 コース開設の専門学校も』

 世界の最先端テクノロジー・一覧①   リアルなVRの時代がついに到来 http …

no image
『世界サッカー戦国史』⑦『ベルギー戦・西野ジャパンは2-3で惜敗するも大健闘!』★『グローバル化する世界で多民族国家がほとんどの中で唯一の「ガラパゴス・ジャパン」(ほぼ単一民民族国家日本)の永遠の課題がこの試合でよく見えた』

W杯サッカー、西野ジャパンの惜敗するも大健闘!   予選敗退確実とみら …

no image
速報(114)『日本のメルトダウン』まとめ<世界はムチャクチャじゃ>『原発放射能』『先進国の借金財政』『中国情報隠ぺい』

速報(114)『日本のメルトダウン』 ★NAVERまとめ9本!<世界はムチャクチ …

no image
『リーダーシップの日本近現代史』(37)記事再録/『東西冷戦の産物として生れた現行憲法②』★『わずか1週間でGHQ(連合軍総司令部)が作った戦後憲法草案②』★『なぜ、マッカーサーは憲法制定をそんなに急いだのか』★『スターリンは北海道を真っ二つにして、ソ連に北半分を分割統治させるように米国に強く迫った。』★『 スターリンはドイツ分割で手に入れた巨大な戦利品、巨額の利益を、「2匹目のドジョウを狙って」米側に揺さぶりをかけた。』

2013年1月6日/日本リーダーパワー史(355)           …

日本リーダーパワー史(565)『超高齢社会日本』のシンボル・107歳平櫛田中翁に学べ<ギネス世界長寿芸術家の気魄・禅語・長寿名言10ヵ条>

日本リーダーパワー史(565) 『超高齢社会日本』のシンボル・107歳平櫛田中翁 …

no image
『リーダーシップの日本近現代史』(250)/『2020年元旦/保釈中の日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告の前代未聞のレバノンへの国外脱出劇 』★『現代版モンテクリスト伯の<ガラパゴスジャパン>への復讐計画が始まるのか①』

           前坂 俊之(ジャーナリスト) 2020年の元旦の …