前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

『2009/1/21/オンライン回想講座・静岡県立大国際関係学部教授・前坂俊之最終講義』★『ガラパゴス日本の没落』★『<ジャーナリスト、研究生活40年を振り返る>『グローバリズムで沈没中のガラパゴス・日本=2030年、生き残るか』

   

前坂俊之最終講義・ガラパゴス日本の没落

国際コミュニケーション論・最終講義(15)2009/1/21 前坂俊之   

<ジャーナリスト、研究生活40年を振り返る>

『グローバリズムで沈没中のガラパゴス・日本=2030年、生き残れるのか』

<ガラパゴス化とは↓↓ > 

市場が外界から隔絶された環境下で独自の発展を遂げ、その結果として世界標準の流れからかけ離れていく状態をやゆした言葉。2008年、日本の携帯電話市場を形容するものとして登場した。

日本のケイタイはいち早く第3世代を出し、高機能、多機能化、技術化では、世界の携帯電話市場をリードしたが、世界市場ではノキアが圧倒して世界標準となっており、日本のケイタイは世界市場では競争力が全くない。

ガラパゴスは南米チリから1000km離れた赤道直下の孤島、生物は長い間、外敵が侵入してこない状態(鎖国)が続いたため、独自の進化を遂げ、固有種となった。

19世紀になってグローバリズムで人間と外来種が侵入し、種の存続、絶滅の危機が迫っている。

地政学的に太平洋の孤島にすむ日本人は、文化、風土、民族、精神的にも島国根性が抜けない。

徳川時代の250年の鎖国政策などが重なり閉鎖的な日本文化は独自の進化を遂げ、そのコミュニケーション態度、集団主義、

反個人主義、ダブルスタンダード、ひきこもり体質、外国人の排斥排除、政治、経済、社会、文化すべてのシステムに

ガラパゴス体質が抜きがたくある。これらを総称して「ガラパゴスジャパン」(GJ)現象と呼ぶ。

<ガラパゴス化は=グローバリズム(「フリー」「フェア」「グローバル」)とは対立概念。

<総ガラパゴス化>とは危機・絶滅のサインだが、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」体質

の日本人は気がついていない。

①    「ガラパゴスジャパン」(日本総崩れ)=政治、外交、経済、IT、インターネット、生活、福祉、年金、教育、ジェンダー、文化などなど多くの分野で国際順位は下位へ転落、衰退の一途

②    「政治ガラパゴス」=2代続いて自民党首相政権投げ出し、世襲議員は3割、(米国は1割)麻生首相は最後の将軍になるのか、戦後60年間、政権交代のない不思議な日本。

③    「経済ガラパゴス」=国民1人当たりのGDPは20年間で19位と先進国で最下位に、経済大国から「富国中流民」から「富国貧国下流民」へ転落、年収200万以下が1千万人以上。

④    国家倒産=日本の借金(債務残高)は916兆円(2007年度)、対GDP比の債務残高の国債比較では日本は179で最悪、米国(62)、英国(47)ドイツ(68)、イタリア(118)

⑤    人口減少社会、超高齢化社会(65歳以上の人口比23%、3000万人時代へ)、平均寿命は男女総合で世界一,男性は79で3位、女性は86,1で10年連続で世界一。

一人の女性が一生に生む子供の数を示す<合計特殊出生率は1,27。世界平均は2.55で日本は184位(195ヵ国中)、米国は2,05.子供、若者の少ない1人暮らしの老衰退国へ。

⑥    日本の食糧自給率は40%、エネルギー自給率は20%(原子力を含む)、石油などではわずか5パーセントと先進国では最低、最悪。カントリー・リスクを無視して、メディアは飽食、美食をあおり、コンビに文化とともに「フード・マイレージ」は世界最悪。

⑦    日本は擬似議会制民主国家(民主主義もどき)で西欧的な個人、市民主義がない、中央集権・封建的・官僚政治国家であり、その面で絶滅種族の特異な進化を遂げた絶海の孤島・ガラパゴスと同じ体質。「美しい日本」「日本型経営」の美徳を説くのは危険である。

⑧    日本の統治システムは封建主義的、国家主義、市場主義、官僚主義,(儒教型社会),資本主義,民主主義をミックスだが政治家主導ではなく、キャリア中央高級官僚がそれぞれの省の利権を最大限主張して政治を仕切る影の主役である古い形の官僚行政。選挙は形式的な儀式化。政治、官僚行政、司法、財界、マスコミが総癒着、護送送船団方式で、国家運営、権力の中枢が不在、説明責任の不在の非民主的な政治が続いている。

⑨    民主主義原則の政治、立法、行政、司法の3権分立が機能せず、立法統治能力のない政治、官僚万能主権国家、司法は憲法判断を避け、刑事裁判の有罪率は995%3権分立放置国家。その点で日本は前近代的な体質から脱皮できず、徳川幕府の幕藩体制が明治以降、軍閥、官閥政治、官僚政治として未だに続く。国家無責任体制=丸山真男の『超国家主義日本』と今も同じ政財官マスコミの鉄の四角形が続く。

⑩    <ガラパゴス・メディア>国民の知る権利に応え、権力を監視するジャーナリズム、メディアがない。ニュースレターやエンターテイメントテレビはあるが、真のジャーナリズムに値するものはない。記者クラブという談合装置で情報垂れ流し、政治、官僚、財界、マスコミの総癒着体制は続く。

⑪    <イグアナ化する日本人>儒教精神、東大を頂点にした学歴主義(学力より学歴、実力より肩書き)形式主義、情緒、感情主義。個人主義ではなく利己主義。個性の排除、拝金主義、非論理的な思考、本音と建前のダブルスタンダード、集団、画一主義、道徳的な勇気の欠如、島国根性、西欧コンプレックス、アジア蔑視、官僚支配、長いものには巻かれる、非科学主義、仕方がない、あきらめ、保守的、ブランド主義、寄らば大樹の陰、安定志向。歴史健忘症、中国敵視論、大局観、戦略的思考の欠如。アジア人の自覚の欠如。

⑫西欧的な「個人」と「社会」という概念が無い。匿名主義でいじめ、うつになり多数、強いもの、世間・空気に支配される大衆迎合主義、KYに支配される国、 内向き、なれ合いいじめ、異端排除。 論理より感情、情緒の優先。周囲の顔色を見て状況追随主義。自己主張をしない、 男尊女卑、根強い女性差別など身分制度が依然続く。自ら変革できない羊のようにおとなしい日本人は『チェンジ』「変革できるのか」             <まとめ>↓↓↓

⑫    GDP Gross Domestic Produc、国内総生産)、経済至上(拝金)主義からGNH(Gross National Happiness国民総幸福量)への市民幸福主義へ

⑬    「ガラパゴス日本」から「多民族多文化国家」へ脱皮できなければ、2030年には日本は死へ→国家破産、世界へ影響力のない衰退国家に・<Change!>

国際比較・日本のガラパゴス指数

日本人を幸せにしない日本というシステム=ガラパゴスジャパン    ――――↓ ↓ 

◎<外貨準備高は中国トップ、日本は2位>

1位   中国

2位   日本

3位   EU

4位   ロシア

5位   台湾

6位   韓国

7位   ブラジル

8位   シンガポール

11位  フランス

16位  英国

21位  米国

  • <ODAは大幅減で世界5位に>

日本は1990年代初め、世界最大のODA拠出国であった。しかし、この10年で、ODA予算は急激に減少し、先進国では世界5位に後退した

  • 国の負債、借金は世界最悪の1位>

GDP比177.3%(2005年)。2位ギリシャがGDP比124.2%、アメリカが61.8%、韓国24.9%。いかに日本ひどい財政か。崩壊寸前?毎年30兆円以上の借金が続く。GDP比6%ずつのアップ。

  • 所得の格差、不平等度(ジニ係数)…所得や資産の分配の不平等さの指標は日本11位>
    トップからメキシコ、トルコ、ポーランド、米国、ポルトガル、イタリア、ギリシャ、ニュージーランド、スペイン、英国、次が日本11位。ドイツは16位、フランス17位。スウェーデン25位、デンマーク26位。平等系の国は北欧。

 

○<自動車保有台数は2位>
1位アメリカ、2位日本。以下、ドイツ、イタリア、英国、フランス、ロシア、中国です。日本、車大国。道路予算減らせない訳だ。自動車利権国家?

 

 

 

人口減少社会・縮小する日本?

<平均寿命は男女総合で世界一>

男女総合では82,6でトップ、男性は79で3位、女性は86,1で10年連続で世界一。

  • <合計特殊出生率は184位で最下位>

一人の女性が一生に生む子供の数を示す。世界平均は2.55で日本は1,27で184位(195ヵ国中)米国は127位で2,05

 

  • <人口増加率は最下位207位>

全世界の平均増加率は1.17%で。一年間に人口が4%ずつ増加する国は、18年後には人口が2倍になる。日本はー0,02で世界(230)中207位で、最下位グループ。

 

  • 女性社会進出度は先進国最低、33位女性国会議員の割合は7.3%(1位のスウェーデンの45.3%)、女性国家公務員の課長職以上の割合も1.4%。(03年版「男女共同参画白書」)

 

  • <ジェンダー・エンパワーメント指数は38位>(女性の社会参画度)は日本38位((78ヵ国中)と開発途上国並み、『女性が能力を発揮する機会は十分でない」(『人間開発報告書2004年版』より)
  • <世界男女格差報告(Global Gender Gap Report 2006)では日本は79位>

115ヵ国で1位はスウェーデン、2位ノルウエー、米国22位、中国63位、韓国92位、

  • <若者に住みにくい、生きづらい日本>

日本、韓国、米国フランスの4カ国の中高生を比較すると、いずれも自分自身、家庭生活、学校生活、文化などの満足度は最低。日本青少年研究所2000年7月調べ)

自分自身「全く不満、満足でない」31.1%(最下位)

家庭生活「全く不満、満足でない」20.2%(最下位)

学校生活 「全く不満、満足でない」27.1%(最下位)

文化・余暇「全く不満、満足でない」19.(最下位)

友達関係 「全く不満、満足でない」 8.6%(第3位)

社会全般 「全く不満、満足でない」36.7%(最下位)

 

情報化指数は?

  • <インターネット普及率は16位>

1位はオランダ(88,8%)3位ニュージーランド、9位は韓国65%、11位英国、14位米国、日本は16位(58%)

  • ブロードバンド普及率日本は

 - 健康長寿

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
百歳学入門(101)「誰でも死ぬまで生涯現役だよ」カヤックフィッシング、 釣った魚をおいしく食べて、生き急ぎ、死に急げ、

  百歳学入門(101)   「誰でも死ぬまで生涯 …

no image
☆湘南海山ぶらブラ散歩』/『オーシャンブルーの鎌倉海でさかなクンとカモメと遊んで昼寝をすれば、すっかりいやされるよ』★『秋の鎌倉海で波と風と青空と太陽とさかなクンと一緒に遊びましょうね』

オーシャンブルーの鎌倉海でさかなクンとカモメと遊んで昼寝をすれば、すっかりいやさ …

『 Z世代のためのス-ローライフの元祖・熊谷守一(97歳)の研究講座②』★『文化勲章のもらい方ー文化勲章は大嫌いと断った「超俗の画家」の熊谷守一(97歳)と〝お金がもらえますからね″といって笑って答えた永井荷風〈当時72歳〉』

  2019/08/09 知的巨人の百歳学(156 …

no image
記事再録/知的巨人たちの百歳学(139)-百歳学入門(92)「国難突破力NO1―勝海舟(75)の健康・長寿・修行・鍛錬10ヵ条」から学ぶ』★『⑨昔の武士は、身体を鍛えたが学問はその割にはしなかった。今の人のように、小理屈(こりくつ)を言うものは居なかった。一旦、国家に緩急の場合は決然と行動した。 ⑩学問に凝り固まっている今の人は、声ばかりは無暗に大きくて、胆玉(きもったま)の小さい。まさかの場合に役に立つものは殆んど稀だ。』

    2014/06/21 / 百歳学 …

『オンライン現代史講座/2・26事件とは何だったのか』②ー『日本最大のクーデター2・26事件(1936年/昭和11年)は東北大凶作(昭和6ー9年と連続、100万人が飢餓に苦しむ)が引き金となった』(谷川健一(民俗学者)

 昭和11年に起きた日本最大のクーデター2・26事件の原因には東北大凶 …

『Z世代のための  百歳学入門』★『日本超高齢者社会の過去から現在の歴史③』★『徳川幕府歴代将の年齢、実力調べ』★『家康・秀忠・家光の三代将軍の指南役 の天海大僧正107歳?こそ徳川幕府の盤石な体制を築いた<黒衣の将軍>です』

  2010/01/27   百歳学入門(15)記事再録 < …

『オンライン/死生学講座』『日本最初の民主主義者・中江兆民(53歳)の死に方の美学』★『医者から悪性の食道ガンと宣告され「余命一年半・・」と告げられた兆民いわく』★『一年半、諸君は短促なりといわん。余は極めて悠久なりという。 もし短といわんと欲せば、十年も短なり、五十年も短なり。百年も短なり。 それ生時限りありて、死後限り無し」(『1年半有』)』

 2015/03/19/『中江兆民(53歳)の死生学』記事転載 (遺言)「戒名は …

no image
ジョーク日本史・禅語は落語以上におもしろい

       2009,05、10             前坂 俊之(愚魚) …

『オンライン動画・鎌倉稲村ケ崎サーフィン・10年間のベストセレクション集①」★『稲村ヶ崎モンスターウエーブ・2014年10月12日午前8時すぎ、ついにきたよ①』★『富士山、江の島をバックに「サーフィンパラダイス」は最高!』★『決定版!2012年10月19日の稲村ケ崎サーフィン/台風21号のモンスターウエーブはプロ級!』

鎌倉稲村ケ崎サーフィンGoGo!(2021/5/14am730)ー富士山、江の島 …

『Z世代のため百歳学入門』★『世界最長寿のギネス彫刻家は平櫛田中(107歳)です」★『世界最悪の日本超高齢・少子減少社会』の逆転突破力・彫刻家・平櫛田中翁の気魄に学ぶー『今やらねばいつできる、わしがやらねばだれがやる』★『50,60洟垂れ小僧、70,80人間盛り、100歳わしもこれからこれから!』

2019/03/02  「知的巨人の百歳学」(144)の記事 …