百歳学入門(92)「国難突破力NO1―勝海舟(75)の健康・長寿・修行・鍛錬10ヵ条」から学ぶ
2015/01/01
「国難突破力NO1―勝海舟(75)の健康・長寿・
修行・鍛錬10ヵ条」
①人間、長寿の法などというものはない。
②余裕、綽綽(しゃくしゃく)として、物事に執着せず、拘泥せず、円転・豁達(かったつ)の妙境に入りさえすれば、運動も食物もあったものではないのさ。
③人間は、身体が壮健でなくてはいけない。
④精神の勇ましさ、根気の強さは、天下の仕事をする上になくてはならないものだ。
⑤身体が弱ければ、この精神と根気とを有することが出来ない。
⑥五十になると、もうじきに隠居だ何だとか言って、世の中を逃げる考へなど起すな。
⑦島国の日本人は、その日暮らしで、五年、十年の先きはまるで考えていない。
⑧昔の武士は、弓馬槍剣などの武芸を修業して鍛えたので、年は取っても身体が衰へず、精神も根気も盛んだった。
⑨昔の武士は、身体を鍛えたが学問はその割にはしなかった。今の人のように、小理屈(こりくつ)を言うものは居なかった。一旦、国家に緩急の場合は決然と行動した。
⑩学問に凝り固まっている今の人は、声ばかりは無暗に大きくて、胆玉(きもったま)の小さい。まさかの場合に役に立つものは殆んど稀だ。
前坂俊之(ジャーナリスト)
「海舟先生氷川清話」(吉本襄 撰著 大文館書店 1933)より
勝海舟
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8B%9D%E6%B5%B7%E8%88%9F
人間長寿の法
人間、長寿の法というものはない。俗物には、飲食を摂して、適度の運動を務めなさいと言へば、それでよいが、しかし大人物にはさうはいかない。
見なさい、おれなどは何程寒くっても、こんな薄っぺらな着物を着て、こんなせんべいのような蒲団の上に座って居るばかりで、別段運動といふことをするわけででないが、それでも気血はちゃんと規則正しく循環して、若い者も及ばないほど達者ではないか。
さあこれがいわゆる思慮の転換法といふもので、すなはち養生の第一義である。つまり綽綽(しゃくしゃく)たる余裕を存して、物事に執着せず拘泥せず、円転豁達(かったつ)の妙境に入りさへすれば、運動も食物もあったものではないのさ。
勇猛の精神と根気を持続せよ
なにしろ人間は、身体が壮健でなくてはいけない。精神の勇ましいのと、根気の強いのとは、天下の仕事をする上にどうしてなくてはならないものだ。
そして身体が弱ければ、この精神とこの根気とを有することが出来ない。
つまりこの二つのものは大丈夫の身体でなければ宿らないのだ。
ところが日本人は、五十になると、もうじきに隠居だ何だとか言って、世の中を逃げ去る考へを起すが、どうもあれでは仕方がないではないか。
しかし島国の人間は、どこも同じことで、とにかくその日のことよりほかは、目が付かなくつて、五年十年の先きはまるで黒暗(くらやみ)同様だ。
それも畢寛、局量が狭くって、思量に余裕がないからのことだよ。もしこの余裕といふものさへあったなら、たとへ五十になっても、六十になっても、まだなかなか血気の若武者であるから、この面白い世の中を逃げるなどというやうな、途方もない考へなどは決して出ないものだ。
それであるから、昔の武士は、身体を鍛へることには、よほど骨を折ったものだよ。弓馬槍剣、さては柔術などといって、いろいろ
の武芸を修業して鍛へたものだから、そこでおれのやうに年は取っ
ても身体が衰へず、精神も根気もなかなか、今の人たちの及ぶところでないのだ。
もっとも昔の武士は、こんなに身体を鍛へることには、ずいぶん骨を折ったが、しかし学問はその割にはしなかったよ。それだから、今の人のように、小理屈(を言ふものは居なかったけれども、その代り、一旦、国家に緩急(かんきゅう)がある時は、命を君の御馬前に捧げることなどは平生ちゃんと承知して居たよ。
いはゆる、君辱(はずかしめ)らるれば、臣死すといふ教へが、深く頭の中に染み込んで居たから、いざといふ場合になると、雪のやうなる双肌を押しぬいで、腹一文字に掻き切ることを何とも思わなかったのだ。
しかるに、学問に凝り塊まってい居る今の人は、声ばかりは無暗に大きくて、胆玉(きもったま)の小さきことは実に、豆のごとしで、空威張りには威張るけれども、まさかの場合に役に立つものは殆んど稀だ。みんな縮み込んでしまう先生ばかりだよ。
関連記事
-
-
生涯現役の達人・渋沢栄一(91歳)の晩年・長寿力に学ぶー「死ぬまで活動をやめないという覚悟をもて』
生涯現役の達人・渋沢栄一(91歳)の晩年・長寿力に学ぶ …
-
-
『和製ジェームス・ディーンと言われた「赤木圭一郎」の激突死(1961/02/21)』★『不死鳥の“トニー”は嘘だった』★『鎌倉英勝寺に眠る』
赤木圭一郎が1961年(昭和36)2月14日昼休み、ゴーカートを運 …
-
-
「ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀・三浦大会」(2022年11月11日―)歓迎動画』★『Kamakura Window surfin(2022/10/10/pm5)ー強風荒波下の鎌倉湾で真紅サンセットに向けてカラフルなWサーファーが跳び、乱舞する、<サーファーズパラダイス!>
KAMAKURAWindowSurfin2022年10月10日午後5時②ー強風荒 …
-
-
『オンライン講座/野口恒の先駆的なインターネット江戸学講義(19)』★ 『日本再生への独創的視点・江戸のネットワ-ク社会に学ぶ 日本のノマド学』★『ノマド(移動の民)は日本の歴史や社会の主流ではなかったが、彼らのパワ-とエネルギ-は日本の社会に変化と活力を与えてきた』
2012/06/07 記事再録 日本再生へ …
-
-
『リーダーシップの日本近現代史』(4 )記事再録/日本国難史にみる『戦略思考の欠落』④ 『明治維新後、世界に初船出した日本丸はどこを目ざすべきか』― 明治のトップリーダーの『インテリジェンス』 長期国家戦略「富国強兵」政策はビスマルクの忠告から決まった。
2015/11/24日本リーダ …
-
-
『 オンライン動画<2012年5月7日・連休!鎌倉カヤック・ハッピー日記>『沈黙の鎌倉海で―「釣れなければよし、生物を殺生するなよ、地球環境破壊の外道たちの未来を考える』★『2021年連休、地球温暖化で鎌倉海の生物は絶滅中だよ,ホントの動画❣・・・』
2012/05/07 <鎌倉カ …
-
-
「オンライン決定的瞬間講座・日本興亡史」⑬」★『国会議員63年間のギネス政治家・尾崎行雄(96歳)の「昭和国難・長寿逆連突破力』★「日本盛衰の原理はー売り家と唐様で書く三代目」で不敬罪で82歳で起訴される』
第5章―国会議員63年間のギネス政治家・尾崎行雄(96歳) ますま …
-
-
『外国人観光客への鎌倉古寺ガイドー最もおすすめは「妙法寺」、800年前の鎌倉時代の面影残る奇跡の苔の寺「クール・ジャパン・テンプル」だよ
2014/10/25 /youtube動画再録,編集 前坂 俊之(ジャーナリスト …
-
-
『Z世代のための百歳学入門』★『日本の歴史上の最長寿118歳(?)の永田徳本とは何者かー長寿の秘訣は『豪邁不羈(ごうまいふき)の奇行』★『診療の時は首に薬袋をかけて牛の背中にのり、金持ちよりも貧しい人々を対象に「甲斐の徳本、1服18文」と呼び鳴らして薬を売り歩いた』★『甲斐葡萄(ぶどう、甲州ワイン)の栽培繁殖、優良種の接枝、養育法など本草学を研究した』
2012/03/04 百歳学入門(33)記事再録再編集 医聖』-永田 …
-
-
日本メルダウン脱出法(636)「長生きのための方法論3つ」「中国の話題3つ」など8本
日本メルダウン脱出法(636) 再始動した中国のアンフェアな対日宣伝中東イスラム …
