前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

『リーダーシップの日本近現代史』(308)★関 牧翁の言葉「よく生きることは、よく死ぬこと」★『一休さんの遣偈は勇ましい』★『明治の三舟とよばれた勝海舟、高橋泥舟、山岡鉄舟の坐禅』

   

関 牧翁のことば「よく生きることは、よく死ぬこと」

関牧翁(せき ぼくおう、1903 (明治36)4月ー1991年(平成3)2月、臨済宗天龍寺派管長。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%96%A2%E7%89%A7%E7%BF%81

➀遺偈(ゆいげ)でレベルがわかるー

<)遺偈(ゆいげ)とは禅僧が死の直前に,最期の心境を吐露した絶筆の偈頌。後世になると遺偈を残すことが慣例化し,つねに用意を怠らなかったという。>

- 昔の禅僧の中には坐禅を組んだまま、往生した人が多い。

②明治の三舟とよばれた勝海舟、高橋泥舟、山岡鉄舟の坐禅

その意味では明治の三舟とよばれた勝海舟、高橋泥舟、山岡鉄舟、みんな坐禅をしたでしょう。

坐禅をした者は、どうしても坐禅をしながら死ななくちゃだめだということが頭にあったもんだからね、高橋泥舟もいよいよ死に際になって坐脱せんとしきりに苦しんでいた。それを家人がみかねて、勝海舟に相談したら、海舟が飛んできて

「貴様のおやじはどうして死んだか」と大喝した。おやじってのはお釈迦さまのことです。お釈迦さまは腹が痛いって横になって死んだんです。泥舟は海舟の一喝を聞いてニッコリ笑い横臥して安然と没した。

 

③ 禅僧は遣偈(ゆいげを残す。

そういう習慣があります。たいがい健康なときにつくっておくんです。病気になったときとかにね。どの程度、悟っているとか。どの程度までこの人はいったか大体、わかりますね。それと平素の語録集が残っているでしょう。

④一休さんの遣偈は勇ましい

-一休さんの遣偈というのはなかなか勇ましいですが、どうです。

須弥南畔(しゅみなんばん) 誰会我禅(たれかわがぜんをえす) 虚堂来也(きどうきたるも=虚堂は中国の僧) 不直半銭(はんせんにあたいせず)で「天下だれ一人として自分の禅を理解するものはない。たとえ仏祖といえどもわからん、という意味ですね。

大燈国師なんかもすごいですよ。仏も魔も切ってしまうというようなくらいの偈をよんでる。日本の禅僧でね、力がもっともあったと思うのは大燈国師だと思う。残された語録だとか、いろんなものを見てもね、大燈国師が一、番偉かったんじゃないかと思いす。

➄よく生きることは死の勉強です。

(死を前に悠揚と逝く人とそうでない人との差はなんでしょう)。

一概にはいえないが、心がけと平生の練習でしょうね。平生というものを、本当に一目一日をよく生ききっていったら、多分、そうなるんじゃないかと思うんですね。だから、よく生きるということは死ぬ練習のようなものです。

⑥人間というものは生まれたから死ぬ。「一日よく生きる」と徹底する。

まず、人間というものは生まれたから死ぬ。それで、日常、与えられたささいなこと、そのささいなことをおろそかにしなかったならば、いざというとき覚悟の必要はない、

ば覚悟の必要がないということを先師は徹底された。ですから「一日よく生きる」という徹底ね。一日よく生きるということを徹底していけば安楽の死につながる。

⑦道元禅師のいう「生也全機現」「死也全機現」。

生きるときは生きるっきりだというんです。死ぬときは死ぬっきりということです。禅宗ではこれを「地切り、場切り」ともいう。そのときになりきってしまう。飯を食うとき、くそをすることを思ってたら、いいご飯をいただけない。になりきってしまう、自分を生涯鍛えていく、一日を徹底働いていくということです。

⑧徒然草の後悔の定義

「今日やるべきことを明日に延ばし、明日やってもよいことを今日やって、心にあれこれと食い違いが生じることを後悔という」。

自分に与えられた小さいことをおろそかにしなかったならばね、改めて覚悟する必要もないし、そういう生活を徹底させる一ことがよく生きることであり、よく死ぬることである。

 

参考「現代の覚者たち-関牧翁、森信三ら7人の生き方」(致知出版社 1988年刊150-158P )

 - 人物研究, 健康長寿, 現代史研究, 湘南海山ぶらぶら日記

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

『世界一人気の世界文化遺産「マチュピチュ」旅行記』(2015 /10/10-18>「朝霧の中から神秘に包まれた『マチュピチュ』がこつ然と現れてきた」水野国男(カメラマン)⓶

2015/11/02★<世界一人気の世界文化遺産『マチュピチュ』旅行記 ( …

日本リーダーパワー史(648) 日本国難史にみる『戦略思考の欠落』(41)国難『三国干渉』(1895年(明治28)に碩学はどう対応したか、三宅雪嶺、福沢諭吉、林ただすの論説、インテリジェンスから学ぶ』(2)『ただ堪忍すべし』福沢諭吉(明治28年6月1日 時事新報〕

  日本リーダーパワー史(648) 日本国難史にみる『戦略思考の欠落』(41)  …

no image
速報(220)『大飯原発3・4号ストレステスト意見聴取会』『廃炉まで最長60年』★『高橋博子講演【内部被曝】

速報(220)『日本のメルトダウン』     今、われわれが …

no image
『リーダーシップの日本近現代興亡史』(216)/「アメリカ初代大統領・ワシントン、イタリア建国の父・ガリバルディと並ぶ世界史の三大英雄・西郷どん(隆盛)の偉業を知らないのは日本人だけ』★『現在われわれ日本人が豊かに平和に暮らしていけるのは150年前に西郷どんが封建日本(士農工商の身分制度)を明治革命で倒して近代日本民主社会(四民平等社会)を作ったおかげだよ』★『征韓論を唱えたのが西郷どんで、朝鮮、アジア差別主義者だなどと木を見て森をみずの論議をしている歴史音痴の連中が多すぎる』

西郷どん(隆盛)奴隷解放に取組む」★『世界初の奴隷解放』のマリア・ルス号事件とは …

no image
『F国際ビジネスマンのワールド・カメラ・ウオッチ(113)鎌倉舞台の映画 『海街diary』をみて堪能致した」(6/18 )

『F国際ビジネスマンのワールド・カメラ・ウオッチ(113)』 「普段、よく散歩を …

no image
『5年前の記事を再録して、時代のスピード変化と分析ミスをチェックする』-『2018年「日本の死」を避ける道はあるのかー 日本興亡150年史』(2)

★◎『2018年「日本の死」を避ける道はあるのかー 『リーダー不在の―日本興亡1 …

no image
日本メルダウン脱出法(653)「政治とメディアの生み出す「老人翼賛体制」—膨張する「行政国家」と無力化する国会」●「日本劣化は避けられるか?—「人口減少社会」の誤解と真のリスク」ほか6本

 日本メルダウン脱出法(653) ◎◎◎「政治とメディアの生み出す「老人翼賛体制 …

no image
知的巨人の百歳学(146)ー記事再録 <日本超高齢社会>の歴史とは⑤…<徳川歴代将軍の年齢、実力調べ・・・・・>

  2010/01/27   百歳学入門 …

no image
日本メルトダウン脱出法(708)「大量絶滅、全生物種が危機的状況に 研究」「【ウナギ味のナマズは世界を目指す】「年商500億円!今アフリカで超人気の日本企業」

     日本メルトダウン脱出法(708)   大量絶滅、全生物種が危機的状況に …

no image
世界/日本同時メルトダウンへ(908)『コラム:英国離脱で何が起こるか、5つの疑問=吉田健一郎氏』●『「英国EU離脱」はどちらの結果でも株価上昇離脱は最悪シナリオだが不透明感は払拭へ』●『コラム:アベノミクスに国内「収縮論」の壁、打破困難なら長期停滞も』

 世界/日本同時メルトダウンへ(908) コラム:英国離脱で何が起こるか、5つの …