前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

★人気リクエスト記事再録『百歳学入門(201)』<知的巨人たちの往生術から学ぶ③>『一怒一老 一笑一若 少肉多菜 少塩多酢 少糖多果 少食多岨(たそ) 少衣多浴 少車多歩 少煩多眠 少念多笑 少言多行 少欲多施』<渋沢秀雄(90歳)>

      2018/02/12

『知的巨人たちの往生術から学ぶ』③

朝日の[天声人語]の名コラムニストの荒垣秀雄さんは長寿の秘けつは″「義理を欠くこと」といっているね。私もつくずくそう思うようになった。

トシを取るとどうしても葬式が多くなる。とくに、冬場の寒いときに葬式に義理で出かけていって、風邪をうつされて、亡くなる人がたくさんいる。死人にひきよせられるんだね。

参列しない代わり弔電で、かんべんしてもらう。葬式は義理を欠かないと、こちらもおだぶつですよ。葬式の時刻に心からごめい福を祈り、故人の思い出にふければよいのす。とね」

「それに、荒垣さんが「健康長寿10訓」なるすばらしい贈り物を残してくれているんで、紹介しますね。

『一怒一老、一笑一若』『少肉多菜 少塩多酢 少糖多果 少食多岨(たそ) 少衣多浴 少車多歩 少煩多眠 少念多笑 少言多行 少欲多施』

これは渋沢栄一の息子の民俗学者・渋沢秀雄さん(九十歳で死去)から聞いた言葉らしいが、老人の知恵そのものですね」

『人間の生死は単に時間の長短、100歳まで長生きしたいじゃの、60、70歳では早死にしたじゃの、そんなことは問題ではないのです。100年も1年も人類、宇宙の歴史の何億光年からみるとほんの一瞬、一瞬にもならない極わずかな時間です。人生で一体何をやったのか、何を残したのか、それこそ問わねば成りません。

「愚公移山」

中国の寓話に老人の知恵を示す「愚公移山」という話があります。「北山の愚公」と呼ばれた九十歳の老人の話で、家の前の山が邪魔なので他に移そうと、回りから大ばか者とあざけりを受けながら、1人で箕でせっせ土を運んで、ついにやり遂げたというのです。

山西省にあったという周囲七百里、高さ百里の大きな山で、北側に住んでいた愚公は、この山が邪魔で邪魔で仕方がない。愚公はついに家族に「みんな一緒に力をあわせて何とか山を平らにしょう。そうすれば便利になる」と相談を持ちかけ、賛成を得た。
ところが妻だけは「あなたの力では小さな丘だって無理」と反対。隣の県の賢い人たちも「老い先短いのに、全くの大馬鹿者よ」とあざけり笑った。

愚公は「お前たちはずいぶんわからず屋だな。子供たちよりもだめだ。わしが死んでも子供がいる。子供が孫を生む。孫がまた子供を生む。その子供にまた子供ができる。

こうして子々孫々うけついで行けば、山は今以上に高くはならないので、平らにできないはずはないではないか。」と。

天帝はこの愚公の行動に心を動かし、ついに山の位置を変更したという。これ以後、この付近には小さな丘さえなくなった」という話です。

これは江戸初期の儒者、窒鳩巣が『駿台雑話』の中で紹介し「およそ天下の事、愚公の心ならば遅くとも成就すべし。世のいはゆる愚は却って智なり、世の智は却って愚なり」と言っています。

平櫛田中の心意気と相通じるものがあるよね。老人は愚かにみえても、智者であることが多いのです。

「世界一の最長寿の122歳のフランス人

女性カルマンさんの健康長寿法」

ところで、ギネスブックが確認し記録がしっかり残っている世界最長寿は泉重千代(120歳)を抜いたフランス人女性のカルマンさんですね。彼女は1875年2月21日に南フランスのアルル生まれで、1997年8月4日に122歳の人類史上最長の生涯を閉じています。

ゴッホがちょうどアルルに滞在して絵を描いていた時、13歳だった彼女は伯父さんの画材ショップで働いていて、ゴッホにあっており、「服装がだらしなく、「汚くて、不快な人」と記憶しているんですね。

大変活発で賢い女性で、晩年までスポーツをやり体をしっかり動かしていたといいます。85歳でフェンシングを始め、100歳の時に、まだ自転車に乗っていた。

115歳で自転車で転倒したために、両足の大腿骨を骨折し、車椅子の生活となった。最晩年は、視力、聴力が衰えたものの、頭脳ははっきりしていて、121歳の誕生日には回顧談を収録したCDを出していますた。120歳の誕生日に将来のことを聞かれ、「私は最近、神に見捨てられてしまったのよ」

「私って、普通の御婦人でしょ」「勇気があるから、どんなことも恐れないわ」

「うまく行ったときはうれしかった。これまでに、しっかり正しいことのために行動したことに後悔はない。私は本当に幸運だった」など大変、ウイットに富んだコメントを残しています。〔以はは白澤卓二「老化時計」中公新書2002年7月〕

カルマンさんは110歳を過ぎて骨粗老症、白内障、聴力障害などの避けがたい老人病にはなっていたものの、肝心の脳はまったく衰えずしっかりしており、ボケの兆候はみられなかった。人間は120歳までは元気に活動できるように設計されているのです。

では最後に、<長寿の食卓十ヵ条とは>

①伝統の食事を大切にする。

②ご飯は糖尿病予防になる。

③魚は高血圧・ボケ防止に役立つ。

④大豆はガンや骨粗しょう症を防ぐ。

⑤野菜・果物は減塩効果がある。

⑥牛乳・ヨーグルトで骨や血管を丈夫に。

⑦海藻は脳卒中や心筋梗塞を防ぐ。

⑧内臓料理は血圧・コレステロール値を下げる。

⑨香辛料やだし汁を使って減塩食を。

⑩家族と一緒に楽しい食事を。

 - 人物研究, 健康長寿, 現代史研究

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
日本の「戦略思想不在の歴史⑼」『高杉晋作のインテリジェンスと突破力②』●『上海租界地には「犬と中国人は入るべからず」の看板。ここは植民地である』★『内乱を抑えるために、外国の経済的、軍事的援助を受けることは国を滅ぼす』★『大砲を搭載した蒸気軍艦を藩に無断で7万両で購入幕府軍を倒すことに成功した、倒幕の第一歩!』

  1862年(文久2)5月6日に上海についた高杉一行はほぼ2ヵ月間、上海の植民 …

no image
日本風狂人伝(29) 奇人弁護士のナンバーワンは誰だ・・山崎今朝弥ですね

日本風狂人伝(29) 奇人弁護士のナンバーワンは誰だ・・山崎今朝弥 前坂 俊之( …

no image
速報(242) 近藤駿介委員長の最悪のシナリオ「福島第1原子力発電所の不測事態シナリオの素描」全文』公開

速報(242)『日本のメルトダウン』   ★『内閣府原子力委員会の近藤 …

no image
日本メルトダウン脱出法(832)「日本は「構造改革」から逃げてはいけない」●「欧州諸国の関心は、日本より中国へ」●「起業家がデンマーク人の働き方に学ぶ4つのこと」●「コラム:マイナス金利でも円安進行は期待薄=山田修輔氏

 日本メルトダウン脱出法(832)   日本は「構造改革」から逃げては …

no image
『F国際ビジネスマンのワールド・ウオッチ(76)』英国BBCが『笹井氏死去を「世界の分子生物学会の一大損失、研究開発は遅滞しこの空白は埋められない」と報道

   『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウ …

『百歳学入門』(229)-『 ルノアールの愛弟子の洋画家・梅原龍三郎(97)の遺書』★『「葬式無用、弔問、供物いずれも固辞すること。生者は死者のために煩わされるべからず』

  2018/05/27 記事再録 『百歳学入門』(229) …

no image
『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(165)』『武田、30歳から社長候補育成 世界同一基準で 』●『この国は、もう子どもを育てる気がないのか 日本は「想像力が欠落した国」になっていた』●『コラム:第3次世界大戦、すでに始まっている可能性』●『コラム:ロシア機の異常接近、プーチン氏がやめさせるべき理由』

『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(165)』   武 …

『 2025年は日露戦争120年、日ソ戦争80年とウクライナ戦争の比較研究①』★『日露戦争でサハリン攻撃を主張した長岡外史・児玉源太郎のインテリジェンス』★『「ないない参謀本部」のリーダーシップの実態>』

2010/09/06/2015/01/02日本リーダーパワー史(91)記事再編集 …

no image
明治150年歴史の再検証『世界史を変えた北清事変②』-『ドイツ、ロシア、フランス、イギリスらの中国侵略に民衆が立ち上がった義和団事件が勃発』★『連合軍の要請で出兵した日本軍が大活躍、北清事変勝利の原動力となった②』

 明治150年歴史の再検証『世界史を変えた北清事変②』   以下は鹿島 …

no image
『リーダーシップの日本近現代史』(95)記事再録/『戦うジャーナリスト列伝・菊竹六鼓(淳)』★『日本ジャーナリズムの光、リベラリストであり、ヒューマニストであった稀有の記者』★『明治末期から一貫した公娼廃止論、試験全廃論など、今から見ても非常に進歩的、先駆的な言論の数々』

    2018/06/27 の記事再録 書評『記 …