『Z世代のための米大統領選連続講座⑮』9月10日、米大統領選の候補者討論会で、ハリス対トランプ氏の初対決』★『「イヌ、ネコ食べる」のトンデモ発言でトランプ氏失格の自業自得!』
2024/09/16
『Z世代のための米大統領選連続講座⑮』
前坂俊之(ジャーナリスト)
9月10日、開催された米大統領選の候補者討論会で、民主党候補のハリス副大統領と共和党候補のトランプ前大統領が初めて対決した。
演壇でハリス氏はトランプ前大統領にすぐ歩み寄り、「カマラ・ハリスです。いい議論をしましょう」と自己紹介し、右手を差し出した。トランプ氏は一瞬驚いた表情で少し体を反らした後、握手を交わした。ハリス氏の機先を制した先手必勝作戦であろう。
討論会では経済政策についてハリス氏は「中産階級の所得増に取り組む。4年間での300万戸の新規住宅建設や、初めての住宅購入者へは最大2万5000ドルを支給する」と『機会の経済』を訴え「トランプ氏は富裕層を優遇する政策だ」と批判した。
一方、トランプ氏は「ハリス氏にはプランはなく、バイデン氏の政策のコピーで、米経済はこれまで見たこともないほどのインフレに見舞われておりアメリカ史上最悪だ」と非難の応酬となった。
両者の態度を見ると、ハリス氏は時々,苦笑と笑みを浮かべながら余裕をもって事実批判や、ジョークを織り交ぜてスピーチを展開した。トランプ氏はハリス氏に全く視線を向けず、苦虫をかみ殺した怒りの表情で、いつもの事実無根、虚偽の発言を20回も繰り返した。 米紙ニューヨーク・タイムズの集計によると、ハリス氏は討論会で話した38分弱のうち17分強をトランプ氏への批判に費やし、トランプ氏がハリス氏を攻撃した13分を上回った。
討論会の前に、検事として数多くの犯罪者と対決したと述べてきたハリス氏は「犯罪容疑者のトランプ氏」に対して、攻撃型に立ったわけで、トランプ氏は守備、防御に追われた格好だ。
とくに、移民難民の流入を防ぐためのメキシコ国境線の壁の建設についてトランプ氏はこの問題の担当者のハリス副大統領の責任を厳しく追及した。この時、オハイオ州のスプリングフィールド市では「ドミニカ系の移民が多く住み、イヌやネコといった住民のペットを食べている」とのトンデモ発言をおこなった。司会者は直ちに「同市に問い合わせるとそうした事実はない」と否定したがトランプ氏は住民から聞いたと答えた。
ハリス候補は「トランプ氏はまた極端なことを言っている。だから今回の選挙では共和党200人が民主党の支持に回ってきた」と苦笑しながら反論した。ハイチ外務省はこのような情報が出回っていることに対し、「アメリカの何人もの政治家がハイチ移民に対し差別的な発言をしている」と不快感を示した。
CNN(9.14 /13:40)によると、このフェイクニュースの出どころは「トランプ氏の自家用機から降りてきた側近中のローラ・ルーマー氏(31歳)ではないか、といわれている。同氏はSNSで120万人のフォロワーを持つインフルエンサーで、過去に9.11同時多発テロ事件はアメリカ政府の陰謀によるものだと唱えたり、「反移民」「反イスラム」的な投稿を繰り返している人物」という。
トランプ氏は13日の記者会見で「ローラ・ルーマーは私の支持者だが、彼女を管理しているわけではない。彼女が何を言ったのかは知らない」と答えた。
このケースのように 今回の討論会でも、トランプ氏によるウソが乱発された。根拠のない移民の犯罪情報を事実であるかのように語ったり、犯罪率が悪化していると統計に反する主張をしたりした。米メディアによると、105 分の討論のなかで30以上の虚偽を述べたという。
討論会のテーマは米経済問題、移民、妊娠中絶問題、国際秩序問題、戦争問題など多岐にわたるが、わずか90分の議論では米国民に理解は得られない、今回も民主、共和党の対立、分裂、分断が一層目立った討論会となった。
10日の米大統領選討論会後、ハリス副大統領とランプ前大統領の陣営はそれぞれ声明で勝利宣言を行った。ハリス陣営はトランプ氏が「支離滅裂で数え切れないほどの噓を繰り出した。トランプ氏がもたらした「暗黒と分断」を断ち切る大統領となるのがハリス大統領であること国民に知らしめた」と勝利宣言。一方、トランプ陣営は「高いインフレ、犯罪者やテロリストの流入を許す穴だらけの国境、犯罪への弱腰、それらがハリス氏の象徴だ」とトランプ氏の勝利宣言をした。
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