『中国紙『申報』からみた『日中韓150年戦争史』⑫ 英『タイムズ』、仏「ル・タン」の日中対立の見方と視点
2015/01/01
『中国紙『申報』からみた『日中韓150年戦争史』
日中韓のパーセプションギャップの研究』⑫
日中150年戦争のルーツは中国が冊封体制によって属国としていた
『琉球王朝』(日中両方に朝貢していた)を明治維新
後に一方的に「琉球処分」して、日本が沖縄県に編入したことが
後に一方的に「琉球処分」して、日本が沖縄県に編入したことが
対立の発火点なのである。
中国が世界の中心であるという「中華思想」「冊封体制」韓国のこれに服属し
た『事大主義』対「西欧近代主義に転換した明治日本」との対立の構図である。
この三国関係の外円には西欧列強の英国、フランス、ロシア,アメリカ、ドイツ
が加わって中国、日本、朝鮮をターゲットに19世紀の帝国主義的領土、
経済利権の分捕り合戦、戦争が繰り広げられたわけである。
現在の日中韓の対立、紛争の発火点もここにある。
1884(明治17)年9月3日英国紙『タイムズ』
「中国に対する日本の要求」
フランスと中国の戦争が中国の対外関係にもたらした最初の事態は,本社北京通信員が昨日報じたように.琉球諸島における日本の主権が中国首都において正式に認識され承認されるべきだとする日本公使の要求だった。
さらに同公使は,中国が他の諸外国との条約で認めているのと同等の権利を
日本も要求するべく指示されていることを付け加えた。これらの要求にいっそう重要性をもたせるために,同公使はその交渉が北京以外で行われることを拒否している。
これらの要求は外見上より深い意味を持っているかもしれないが.中国の隣人たちが中国の危機に乗じて,両国の間に生じ得る紛争の有利な解決を迫ることは当然予想できた。
1879年日本が強引に琉球諸島を占領し国王を廃位させるという大胆な方法をとって.当時日中間でしばし続いていた琉球紛争に終止符を打とうとしたことは,忘れられまい。
その占領に伴って中国国権に対する侮辱(侵害とは言わないまでも)をさらに悪化させ強調するような状況があった。そしてその後のいくつかの事態では,
多かれ少なかれ武力衝突が起きるのではないかと患われたほどだった。
しかし主権争いがないまま5年間が過ぎた。その間,寧波へ貢物を献上する旧来の使節は打ち切られ,東京から派遣された役人が那覇の町から同諸島を統治してきた。しかし中国は時が経過したからといって.たとえ名目的なものであれ,約12世紀前から続いた宗主権を失うことを認める気にはなっていないという別の指摘もなされてきた。
あるいはこうしたうわさのせいで,日本政府はこの際、北京政府に歴史をふまえた琉球統治権の主張を放棄させようと決心したのかもしれない。
しかし今回の要求は,結局ごく当り前なことに過ぎないのかもしれない。とはいえ.もし日本が次の実質的な結果でよしとしていたなら.つまり中国が5年以上にわたってすべての権限を放棄してきたこと,また中国海軍は今後それよりはるかに長い間海上で冒険的行動をとれるような状態にはなりそうもないということに満足していたならば.日本はより強い自制心を示したことになったろう。
しかしながら,今回要求はなされたのだ。北京で現在力をふるう一派が伝統に忠実ならば.たとえ現実を覆す力がないとしても.彼らは帝国の威信を汚すことになりかねない要求に従うことを拒むだろう。
中国側が琉球統治権を主張する最大の論拠は,琉球人が中国の文字を採用しているところにある。一方.楊(火編の字)帝が605年に築いた古い由係が,中国の明清の2王朝のもとで琉球が中国の統治権を進んで認めたことによって強化されたという要素もある。
16世紀の日本との大戦の際.琉球は中国の側につき日本の英雄羽柴(秀吉)の軍勢と海上で戦い十分な働きをした。
残念なことに,時の中国政府は自らの利益のためにこれら海の向こうの隷属民にほとんど注意を払わず,中国の無関心が好戦的な薩摩侯に同諸島の所有権を主張する機会を与えてしまった。
さらに最近になると,海軍力にまさる日本は理論的には中国の主張に劣る自らの主張を実行し.確固たるものとすることができるようになった。
ところでこの島々を所有することは.中国にとってなんらうまみがない。少しも価値のない群島の理論上の支配権を維持するよりはるかに重要な問題に中国がどれほど多く取り組まねばならないかを考えると.同国が面目より分別を優先させ.現政府閣僚に退けようのない現実を認めまいとしてむだな抗議などさせないことを,同国自身のために望みたい。
1884(明治17)年9月9日フランス紙「ル・タン」
《ル・タン》
インドシナ通信―日本、中国、朝鮮について
日本はこれまでなんとか装甲檻や勇敢な水兵で対抗してきた中国艦隊から攻撃される心配がなくなったわけで.今後は朝鮮で失った影響力を取り戻そうとするだろうし,それだけが念頭にある問題だろう。
それにしてもこの朝鮮はなんという国だろう。極東で最も貧しく,惨めな国,全くの幻滅だ。開国されて以来.皮と小量の金粉くらいしか輸出していない。おそらくいつの目か,すべて知り尽くされている状態からはほど遠い鉱山の開発によって豊かな国になることだろう。現在のところは,唯一ここで取引できる国としての特権を持っていた日本もその成果に満足してはいない。
琉球諸島の問題はすっかり,みごとに片付いている。日本はこの小さな島の王に取るに足らない手当を給付することで自国に引き入れたのだ。中国の皇帝が再び支配者に取って代わることは決してないだろう。
われわれは日本との同盟を培うべきだが.それが何かの役に立っという幻想を抱いてはならない。また.基隆(台湾)にフランスの勢力が及んでいることは,日本の政治家にとっては不愉快でしかないだろう。
なぜなら,日本は問題の諸島の一都を成す台湾に長い間固執してきたからだ。1874年には,島の南部の海賊を制圧するため3000人の軍隊を派遣したが,これを間近で見せつけられた中国がそのとき日本に熟慮を迫る決断を示さなければ,まず日本はそこにとどまり続けたことだろう。
1884(明治17)年10月27日 『ル・タン』
日本通信―日本の思潮、中国、台湾、朝鮮、ロシア、
フランスとの関係
東京では.日本の他の都市と同じように,中国で起こっていることに専ら関心が向けられている。このところ立て続けに起こっている事件について日本人が抱いている感情はさまざまだ。
そこに自国に対する危機を感じとっている政治家もいる。すなわち.近隣の国に.もっと厳密に言えば朝鮮に.フランスやロシアなどのはかのヨーロッパ勢力が進出してくることが危険なのだ。また,中国海軍が壊滅し.その主要な工廠が廃虚となることに喜々としてはいても.台湾にまでその勢力が伸びることには危機を感じている政治家もいる。
日本人はかねてからこの麗しの島を中国から奪い取ることを夢見てきたが.これまでのところそのような征服を中国に対して試みることはあまりにも難しく.かえって西洋人がここを占拠するという苦い現実に出会っている。
われわれから見れば,中国が日本に対して嫉妬を覚えているということに日本人はあまりに無頓着過ぎるように思われる。かくも小さな国が20年間であらゆる進歩の面で中国を追い抜いてしまい,豊かで巨大で人口も多い中国は停帯したままなのだ。
日本軍が中国の島である台湾に遠征し.中国領土である琉球諸島が東京から来た役人によって全く平和裏に占領されてしまったことを中国が忘れたとでも思っているのだろうか。
遅かれ早かれ中国は.この2つの主権侵害に断固たる報復を試みることになろうが,その様が熟するまで,とりあえずフランスが中国艦隊の一部を撃破すろことでその矛先をかわした結果になっているのだ。
ロシアについてはどうだろうか。日本は,トンキン湾で起こっていることがロシアの中国南部への侵攻を促進することになると考えているのだろうか。
われわれはそうは思わない。タタール海峡にあるウラジオストクのロシアの主要工廠は年のうち数か月は氷に閉ざされており,この海域に保有している相当な規模の艦隊の保全には不十分であるために.ロシアはかねてからあらゆる季節を通じて出入りできる不凍港を手に入れようとしてきた。彼らが目をつけていのは,おそらく朝鮮の済州島であり,ロシアの保護領を朝鮮における中国の保護領と交換することは避けられないものと思われる。
ただし,日本の政治家にも得心してもらいたいのだが.この領土置換がいやおうなく行われる日を早めたり.遅らせたりするのは,彼らでもわれわれでもなく.まして中国でもなかろう。
フランスと中国が宣戦する(清仏戦争)ことになれば,日本の申立が脅かされるかもしれないという杞憂を抱いて,東京から教隻の軍艦が主に西を中心として各方面へ出発した。これに関する声明が主要な海浜都市で発表される予定にさえなっていたが,公式な国交断絶には至っていないため,その発表は保留されたままになっている。
どうして日本の中立が犯されると考えるのか,われわれにはわからない。なぜなら.日本は地理的にイギリスと同じような環境にあって領土侵入を受けるような隣国を持たないわけだし,フランスにしても日本人を自軍のために徴用しようなどというつもりはないからだ。
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