『生涯現役の百歳学』★「昆虫記」を書いたファーブルの自然を教師として田舎で生活した長寿・研究・人生訓10ヵ条(清貧の思想)』
昆虫学者のファーブルは1823年―1915年のです。91歳です。
彼の晩年長寿の秘訣とは
① 昆虫観察への情熱と好奇心です。
『昆虫記』の執筆は55歳から始まり、91歳で亡くなるまで昆虫の観察と研究に熱中。この生涯にわたる強い好奇心と知的活動が、心身の健康を保つ大きな原動力になった。
自然に囲まれた生活―55歳の時に、南フランスのセリニャン・デュ・コンタにある広大な庭付きの家(アルマス)に移り住み、そこで昆虫や植物の観察に没頭しました。この自然と一体となった研究活動と、プロヴァンス地方の温暖な気候も、健康維持に寄与したとも思われる。
植物やキノコへの関心―彼は昆虫だけでなく、植物、特にキノコの研究にも深く傾倒している。彼の著書にはキノコに関する記述も多く、キノコの食べ方で昆虫を分類したほどです。これが直接的な食事法かは不明ですが、自然の食材に対する深い知識を持っていたことがうかがえる。
昆虫食の経験―彼は昆虫の生態を研究する中で、セミの幼虫などを食した記録が『昆虫記』に残っており、人に勧めるほどの味ではなかったとも書いている。
彼の長寿は、「何を食べたか」というよりも、情熱を傾けられる仕事と、自然の中での生活がもたらした精神的な充実感が大きかったと言えそうだ。
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ファーブルの人生訓
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①「たゆまぬ観察こそが真実の扉を開く」―
彼は実験室ではなく自然の中で、何十年も昆虫の行動をただひたすら観察し続けた。物事の真理や本質は、先入観や書物からではなく、自らの目と経験による粘り強い探求からのみ得られる。
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②すべての中に驚きを見つけよ」
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彼は身近な庭の昆虫たちの中に、壮大なドラマ、驚くべき本能、そして宇宙の真理にも通じる謎を見出した。人生において、日常の中の小さな出来事にも目を凝らし、好奇心を持ち続けることが重要。「貧困は、精神を蝕むものではない」
彼は生涯を通じて経済的には恵まれなかった。しかし、研究への情熱心を最後まで失うことはなかった。精神的な豊かさは、物質的な豊かさとは関係がなく、清貧の思想を生涯貫く多といえる。
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③「学問とは、人生を豊かにするためのものである」
難解な専門用語を避け、誰にでも理解できる詩的な言葉で科学を伝えようとた。知識は一部の専門家のものではなく、すべての人々が人生をより深く味わうためにあるべきだという、教育者としての強い信念が伺える。
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④「自然は最高の教師である」
ファーブルにとって、自然界は決して飽きることのない、尽きることのない知識の源泉だった。
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⑤「詩人の心と科学者の目を併せ持て」
彼は昆虫の事実を客観的に記録する**科学者の目と、す詩人の心(感性)の両方を体現。人生を深く生きるには、論理と感性のバランスが大切であること教えた。
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ファーブルの家族関係は、彼の生涯において非常に重要でしたが、同時に多くの別れと悲しみに満ちたものだった。彼は生涯で2度の結婚をし、合計で10人の子どもに恵まれましたが、晩年までにはそのうちの多くに先立たれるという最大の苦難を経験している。
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