前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

速報(225)●(必見動画)『低線量長期内部被曝を防ぐため子供、被曝弱者を移住させよー『内部被曝研』が緊急提言』

   

速報(225)『日本のメルトダウン』

政府は『内部被曝』の危険性を直視せよ
 
『低線量長期内部被曝を防ぐために、放射能汚染地域から子ども
を集団疎開させ、妊産婦、病人など被曝弱者の移住させよー
『内部被曝研』が政府に緊急提言』
 
                                                                              前坂俊之(ジャーナリスト)

福島第一原発事故による放射線内部被曝の問題に取り組む「市民と科学者の内部被曝問題研究会」(内部被曝研)が結成され27日、日本記者クラブで記者会見した。
同会の呼びかけ人の

岩田渉(市民放射能測定所理事)
▽肥田舜太郎(広島原爆被爆医師)
▽沢田昭二(名古屋大学名誉教授・素粒子物理学)
▽松井英介(岐阜環境医学研究所・放射線医学)▽矢ケ崎克馬(琉球大学名誉教授・物性物理学)
▽大石又七(元第五福竜丸乗組員)=いずれも結成のよびかけ人=の6氏

が会見して、日本政府と東電は「内部被曝の健康への重大な影響や危険性を無視して、被曝住民を棄民化している」と対応を強く批判して、今後、科学者と市民が一体となって、内部被曝の健康への影響を調査して行くと表明した。政府がとるべき安全対策として

①住民の安全を保障できる体制確立
②子どもと被曝弱者を守る 
③安全な食品確保と汚染の無い食糧大増産 
④除染、がれきなどの汚染物処理
⑤精度の高い検診・医療体制の確立
5点を提言した。『放射能汚染が高い地域から子どもを集団疎開させ、妊産婦、病人など被曝弱者の移住』などの政策をとるよう政府に求めた。

ACSIR Association for Citizens and Scientists Concerned about Internal Radiation Exposure

 
2012年1月27日
 
内部被曝の拡大と健康被害を防ぐ為に政府がとるべき安全対策の提言
 
     市民と科学者の内部被曝問題研究会
 
 東日本大震災にさいして起こった東京電力福島第一原子力発電所の深刻な事故(東電事故)は深刻な被害をもたらしています。広範な地域が汚染され、多くの人々が被曝して、いのちと暮らしを脅かされています。これに対して私たち「市民と科学者の内部被曝問題研究会」は、日本政府に対して、「人間は核=原子力とともに生きていける」との考えを根本的に改め、汚染地域には住み得ず、農林水産業はできない、との前提で、国家100年の計を策定することを求臥緊急にいくつかの提言を行いたいと思います。
 
 原発事故による放射線被曝の主要なものは、呼吸や飲食を通しての内部被曝です。政府や政府に助言する専門家は、被曝影響の評価を主として測定しやすいガンマ線に頼っています。しかし、内龍被爆臥ベータ線やアルファ線がガンマ線よりもはるかに大きな影響を与えます。政府と東電は、ベータ線を放出するストロンチウム90や、アルファ線を放出するプルトニウム239などの測定をほとんど行っていません。内部被曝の特性とその健康影響を意図的に無視し続けているのです。
 
 その背景には、アメリカの核戦略や原発推進政策があります。これらの政策の影響下で組織された国際放射線防護委員会(ICRP)、国際原子力機関(IAEA)、国連科学委員会(UNSCEAR)などの機関は、広島・長崎原爆の放射性降下物による被曝影響を無視した放射線影響研究所の研究に依存しています。
日本政府は福島原発事故の被曝に関しても、「100mSv以下では病気を引き起こす有意な証拠はない」とするなど、事実を覆い隠し、被曝限度に高い線量値を設定して、市民のいのちを守ろうとはしていません。また、世界保健機構(Ⅶ0)はIAEAと放射線被曝問題を除外する協定を結んでいます。
 
 東電事故以来、政府はICRPの勧告を受けて、被曝限度値を通常の年間1mSvのところを突如20mSvにつり上げました0事故があったからといって、人間の放射線に対する抵抗力が20倍になるというようなことは金輪際ありません。本来は事故を引き起こした東電と原発推進を図ってきた政府の責任で、住民の被曝回避にあたらねばならなりません。
逆に、この措置は住民の保護を放棄し、住民を長期にわたり被曝さるにまかせて、事故を起こした者の責任と負担を軽くするためのものです。住民のいのちを犠牲にする棄民政策です。日本国憲法第二十五条には、主権者として保障されるべき権利として、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と明記され、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と記述されているのです。             
 
事故後10ケ月を経過し、事故の被害は全住民に広がろうとし、今なお拡大の一途をたどっています。放射能汚染は福島に留まらず、日本全域に広がっています。陸だけでなく海の放射能汚染も深刻です。放射能汚染は、長期間続き、被曝の被害はますます深刻になることが予測されます。中でも深刻なのは、放射性物質を含んだ食物が、全国に流通していることです。原則的な考え方、根本的な方法で、食物をとおしての被曝回避を図らねば、全住民が深刻な被曝を受け続けることとなります。子どもの「安全な環境で成長し教育を受ける権利」は侵され続けます。
 
 野田佳彦主相は「原子炉が冷温停止状態に達し発電所の事故そのものは収束に至ったと判断」し、「事故収束に向けた道筋のステップ2が完了した」と宣言しました(2011・12・16)。しかし、圧力容器の下部にはメルトスルーで生じた穴が空いており、核燃料の状態も把握されていません。四号機の倒壊も懸念されています。汚染水を垂れ流しながら「安定冷却できている」とするにはあまりにも不安定な状態です。いつまた核分裂などの暴走が起こるかわかりません。今、幕引きができるような状態では全く無いのです。
 
私たちは次のような提言を行い、政府が速やかに実施することを求めます。
 
1.住民の安全を保障できる体制確立 原発を安全神話で進めてきた「原子力村」による委員組織ではなく、公正な立場から客観的に判断できる委員会を構成し、原子炉の破壊状況と原因を究明するとともに、住民の安全を最優先する立場から情報の迅速な全面公開を行うことを求める。
 
2.子どもと被曝弱者を守る 少なくとも、法定の年間1mSv以上の、放射能汚染が高い地域に在住する子どもを、即刻集団疎開させる。乳幼児、妊産婦、病人等の被曝弱者を即刻安全地域に移すこと。全ての保育園、幼稚園、学校の給食食材の安全を確保するために、産地を選び、きめ細かく精度の高い放射能測定を行う。
 
 
3.安全な食品確保と汚染の無い食糧大増産 住民に放射能汚染の無い食糧を提供すること。「健康を維持できる限度値」(現在の限度値の100分の1程度)を設定して限度値以上の汚染食品は市場に出さない。東電、政府の責任で生産者にも消費者にも生活保障と健康保障を行う。これからずっと続く食糧汚染を避けるために、休耕地を利用するなどして、非汚染地域で食糧大増産を行う。高汚染地の生産者には移住して生産の担い手になる権利を保障する。
水産物の汚染も非常に危険な状態に入っている。全ての漁港・市場に放射線計測器を設置し、汚染されたものが流通しない体制をつくる。漁業者には補償を行う。
 
4.除染、がれきなどの汚染物処理 ずさんな除染は非常に危険であり、効果も期待できない。一般住民に、除染作業による被曝をさせてはならない。放射能拡散を防ぐため、汚染がれきなどは、放射性物質を放出した東電の責任において収集し、原発敷地内に戻す。
 
 
5.精度の高い検診・医療体制の確立 内部被曝を軽視するICRP等により、現状の医学・医療現場は放射線の影響を過少評価している。からだのあらゆる部位にあらゆる疾病の出現が懸念される。
これらを丁寧に治療できる医療体制を即刻実現する。保障対象の疾病を制限することなしに、放射能被害者の無料の検診・医療制度を確立する。
                         
 

 - 現代史研究 , , , , , , , , , , , , ,

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
『オンライン/米中日アジア現代ing講座』★『米国の香港国保法への対中制裁<経済金融為替封鎖・5Gファーウェイ締め出し>は戦争に発展するのか』★『2018/12/25 記事転載」歴史は繰り返すのか!『現在の世界情勢は1937年8月の「米欧情勢は複雑怪奇なり」(1939年=昭和14年)と類似』★『この1週間後にドイツ・ソ連のポーランドの侵攻により第2次世界大戦が勃発した★『日本は<バスに乗り遅れるな>とばかり日独伊三国同盟を締結、1941年12月、太平洋戦争に突入する』

    2018/12/25 &nbsp …

no image
『リーダーシップの日本近現代史』(180)記事再録/★「生保の父」第一生命創業者・矢野恒太(84歳)ー「年を忘れることは年をとらない一番の法である」★『「事業から退いたあとは「国民統計」の作成に熱中して老衰を忘れ去っている」』

 2015/09/14  知的巨人たちの百歳学(1 …

『Z世代のための日中外交史講座』★『日中異文化摩擦―中国皇帝の謁見に「三跪九叩頭の礼」を求めて各国と対立』★『日中外交を最初に切り開いた副島種臣外務卿(外相)の外交インテリジェンス①』『米「ニューヨーク・タイムズ」は「日中の異文化対応」を比較し、中国の排他性に対して維新後の日本の革新性を高く評価』

2019/03/17/記事再録/日本リーダーパワー史(423)ー『現在進行中の米 …

no image
速報(241)『日本のメルトダウン』★『中国、習体制への移行に難題も』●『なぜ中国人は日系企業に就職したがらないのか』

             速報(241)『日本のメルトダウン』   ★ …

no image
記事再録/「死に至る日本病」(ガラパゴス・ジャパンシステム)-2014W杯サッカーの完敗と日本の政治、経済、スポーツ、社会全般に蔓延――次から次に出てくる日本の惨状!?『⑤ストラジティー(戦略、戦術)なし。NATO(ノット・アクション、トーク・オンリー)何も決められない決断しない日本)』

  2014/07/04 /日本メルトダウンの脱出法(552) &nb …

no image
日本メルトダウン脱出法(781)「老後に夢も希望もない! 現役世代に忍び寄る「下流中年」の足音」●「米研究機関が警告、中国の情報工作に惑わされるな 虚偽の情報を発信し、メディアも操作」

日本メルトダウン脱出法(781) 老後に夢も希望もない! 現役世代に忍び寄る「下 …

no image
日本メルトダウン(926)『資本主義の成熟がもたらす「物欲なき世界」』●『仲裁裁判所の裁定に反撃する中国の「情報戦」の中身 本格的灯台の設置で人工島の軍事基地化に拍車』●『沖ノ鳥島問題で露呈した日本と中国の共通点』●『「自動運転バブル」はこのまま崩壊の道を歩むのか?』●『 土俵はできた~今こそ真正面から客観的な憲法論議を 中国、韓国、護憲派の懸念はお門違い(筆坂秀世)など8本』

   日本メルトダウン(926) 資本主義の成熟がもたらす「物欲なき世界」 ht …

no image
『オンライン講座/歴代弁護士の奇人ナンバーワンは誰でしょうか?』ー米国伯爵を授けられたと自称した山崎今朝弥(やまさき・けさや)はハチヤメチャ

    2016/07/27 記事再録  …

no image
◎「日本・スリランカ友好の恩人」ジャヤワルデネ前スリランカ大統領ー感謝の記念碑は鎌倉大仏の境内にある(動画)

     ★★<日本独立のサンフランシスコ講和条約 …

no image
『リーダーシップの日本近現代史』(50)記事再録/『日本戦争外交史の研究』/『世界史の中の日露戦争』㉒『開戦3ゕ月前の「米ニューヨーク・タイムズ」の報道』★『国家間の抗争を最終的に決着させる唯一の道は戦争。日本が自国の権利と見なすものをロシアが絶えず侵している以上,戦争は不可避でさほど遠くもない』

   2017/08/19『日本戦争外交史の研究』/『世界史 …