前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

『F国際ビジネスマンのウオッチ③』“―『“新技術の行進は如何にしてソニーを素通りして行ったか“』(ニューヨーク・タイムズ4月14日)

   

『F国際ビジネスマンのワールドニュース・ウオッチ

<
「ニューヨーク・タイムズ」は『日本の昭和戦後の経済大国への大躍進のエンジンとなった
ソニーの復活はきわめて難しい』ーとしている>
 
 ●『“ How the Tech Parade Passed Sony By “新技術の
行進は如何にしてソニーを素通りして行ったか“』
(ニューヨーク・タイムズ4月14日)

 
 
   2012/4/14  NYT by HIROKO TABUCHI
 
        ★『“ How the Tech Parade Passed Sony By “
 
F国際ビジネスマンはソニーとはライバル社のトップ経営者で、ほぼ半世紀にわたって『ソニーの成功と凋落の物語』を海外、日本で身近に見てきた。そのF氏のわが友ソニーへの哀切な挽歌ともいうべき翻訳とコメントが送られてきました。
 
Ⅰ ソニーの行く末に関するNYTの見通しは極めて厳しいものがある。従来イメージのソニーの復活はもう無理であると言わんばかりである。見る影も無い、ソニーブランドとはほど遠い企業になってしまうと。AV関連のエレクトロニクス製品の革新性、斬新性で世界をリードして来たのは日本のソニーである。
 
 1946年創業以来、60年以上経過しているが、企業としての成長軌道は大賀社長退任の1995年でピークアウトしていると思われる。その後はゲームブームを背景としたプレステの威力と既存商品のブランド力で食いつないできたと見て良い。
 
2 ソニーへの一納入業者としての訳者の40年の経験から言える事は、ヒットした主力商品は、内蔵するキーデバイスを自社開発し、それで商品力を上げて他社の追随を許さなかった事である。   一例を挙げると
ハンディカムにおけるCCD(電荷結合素子)の開発と量産化のスピード
                     ( 岩間社長時代 )
 CD, DVDプレーヤーにおける半導体レーザーの早期開発と量産化のスピード                   (               大賀社長時代 )
 それが、出井社長時代以後、この必勝のパターンが途絶えてしまった。斬新な商品コンセプトとキーデバイスの開発、この車の両輪が無ければ、時代をリードする往年のソニー復活は難しいのでは?
 
3 成功物語が大きく災いし、それが失敗の源になる、と良く言われているが、今のソニーもその例に洩れない。
記事中でNYTの筆者が再三指摘している様に、ソニーに活力が戻るには、全社員がこの歴史的な危機を認識、共有し、サイロから広く出て文字通り全社一丸となって危機に立ち向かえるかどうかにかかっている。
 
4 ソニーの企業経営上の栄枯盛衰は実に示唆に富んでいる。その因果関係を歴史、文化、組織の人質構造、人事等の社内制度、等多方面に亘り分析し次に生かさなければならない。
                            
 
———————————————————————————————————————————————————————————————————
   20124/14  NYT by HIROKO TABUCHI
●『 “ How the Tech Parade Passed Sony By “
新技術の行進は如何にしてソニーを素通りして行ったか“』
 
 
 
東京 ― 照明が暗くなり、聴衆が静まり、大型スクリーンが点滅した。
Kazuo Hirai氏が壇上に上がり、勝ち誇った笑顔をきらめかせた。それはショ−タイムであった。Hirai氏、ソニーの新しいCEOがカメラの前に現れた先週の火曜日、ソニー株式会社の内部では、このシーンは妙に陽気であった。彼はトラブルの渦中にあるこのエレクトロニクスの巨人を立て直し、収益を回復させると誓い、その戦略の輪郭を語った。
 
“ソニーを変革する時は今だ”と、正式には4月1日にCEOに就任していた平井氏はいう、カメラに向かってポーズを取りNo.1の仕草をしながら指を高く上げ、“ソニーは変わる事が出来ると私は信じている”と続けた。
 
ソニーの外部では、そして内部においても、誰も全くその通りだと思っている者はいない。
 
何故なら、且つては日本の技術の先駆者と称され、ウオークマン、トリニトロンTV等で世界をアッッと云わせ、コロンビア映画を大胆にも買収してハリウッドを震撼させたソニーが、今は生死を賭けた戦いの渦中にいるからである。 
実際、ソニーは生き残りを賭けた戦いの中にいる、日本の工業化された経済の失神する様な凋落を例示する展開の中にいる。昔は、日本株式会社は、ソニーは言うまでもなく、無敵の様に思われていた。今日、ソニーや多くの他の製造業はあらゆる面で圧力に晒されている、アジア新興国のライバル達や、これでもかと云う程強い日本の円、そしてソニーのケースではアイデアの驚くべき欠如等である。
 

 - 現代史研究 , , , ,

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(144)』エマニュエル•トッド著「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告 (文春新書) 新書 を読んで

『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(144)』 エマニュエル•ト …

Z世代のための日本戦争史講座』★『東京裁判で検事側証人に立った陸軍の反逆児・田中隆吉の証言①』★『1941年12月8日、真珠湾攻撃前後の陸軍内、東条内閣の動向を克明に証言している』 

  2015/05/17    …

no image
速報(369)『日本のメルトダウン』総選挙の公示>『山本太郎、石原伸晃氏の東京8区から出馬」『竹中平蔵(上)「リーダーに必要な3資質」

速報(369)『日本のメルトダウン』         <12月4日総選 …

★百歳めざせ/鎌倉カヤック釣りバカ動画日記>(234)『海の忍者カワハギ軍団との鎌倉沖決戦・死闘編の巻』★『釣りバカは死んでも治らない、100歳まで生きるよ』

   福島原発事故から半年後/2011年10/18日<鎌倉釣 …

no image
<日本最強の外交官・金子堅太郎①>『ルーズベルト米大統領をいかに説得したかー驚異のディベート・テクニック①』

<日本最強の外交官・金子堅太郎①> ―「坂の上の雲の真実」ー 『ルーズベルト米大 …

no image
世界/日本リーダーパワー史(967)-『トランプ大統領弾劾問題と米中テクノナショナリズムの対立(下)』★『米中通商協議の期限は3月1日』★『中国経済失速へ!「中所得国の罠」にはまったのか』★『中国の「テクノナショナリズム」「<中国製造2025>のスパイ大作戦』

世界/日本リーダーパワー史(967) 『トランプ大統領弾劾問題と米中テクノナショ …

no image
日中北朝鮮150年戦争史(10) 日清戦争の発端ー陸奥宗光の『蹇々録』で読む④日清戦争の原因の1つとなった『東学党の乱の実態と朝鮮事情』〔明治26年6月4日 時事新報』(朝鮮内政の悪政、無法、混乱と財政の紊乱は極まれり)ー現在の北朝鮮と全く同じ

   日中北朝鮮150年戦争史(10)    日清戦争の発端 …

『オンライン/百歳学入門講座』★『百歳長寿名言』★『たゆまざる 歩み恐ろし カタツムリ』(彫刻家・北村西望102)★『いつ何時(なんどき)でも怖れないで死を迎えられる』(徳富蘇峰94歳)』★『楽隠居は絶対にしてはならない』(渋沢栄一 91歳)』

  2012/03/08  百歳学入門(34)再録 『前坂  …

『リーダーシップの日本近現代史』(171)記事再録/<日本最強の外交官・金子堅太郎①>『日露戦争開戦と同時に伊藤博文の命令で米国に派遣され、ハーバード大の同窓生のルーズベルト大統領をいかに説得したかー 金子堅太郎の驚異のディベート・テクニック①』

<日本最強の外交官・金子堅太郎①>   ―「坂の上の雲の真実」ー &n …

no image
日本メルトダウン(944)『コラム:黒田緩和検証、20の疑問(上下)=河野龍太郎氏』●『“角栄ブーム”政界でも?』●『日経新聞の連載「日本国債」は、この夏最大のホラーである~シン・ゴジラはリアルで怖いが、こちらは誤解だらけで怖い』●『コラム:問題はらむ世代間格差拡大、早めの政策対応を』

 日本メルトダウン(944) コラム:黒田緩和検証、20の疑問(上)=河野龍太郎 …