日本リーダーパワー史(316)「全政治家、リーダーの必読の(国家戦略論)を読む」ー百年先を見通した石橋湛山の警世の大評論
「3/11から1年半「原発を一切捨てる覚悟があるか」④
第一次世界大戦後(1914―1918年))の日本は欧米各国が戦争中のスキに中国に「対華21ヵ条要求」を突き付けて満州利権を独占、青島も占領し「五・四運動」、中国の民族独立運動に火をつけ、欧米から猛反発を受けた。
本帝国の滅亡」につながるとして「小日本主義」『覇道から王道政治への転換』「軍縮論」を大胆に唱えのである。その意味では、日本の未来を予見した石橋のジャーナリストとしての大慧眼が示されている。
しかしながら世界には現前の事実として、大いなる領土を国の内外に所有し、而して他国民のここに入ることを許さぬ国がある。されば日本もまた彼らと同様に領土を拡げねばならぬではないかという論の起るのである。
前々号にも説いた如く、たと、えば我が国が朝鮮、台湾に自治を許し、あるいは独立を許したりとせよ。英国は果してインドや、エジプトを、今日のままに維持し行けようか、米国はフィリピンを今日のままにしておけようか。
牡丹餅(ぼたもち)さえ沢山に出来れば、重箱は、隣家から、喜んで貸してくれよう。而してその資本を豊富にするの道は、ただ平和主義により、国民の全力を学問技術の研究と産業の進歩とに注ぐにある。兵営の代りに学校を建て、軍艦の代りに工場を設くるにある。陸海軍経費約八億円、仮にその半分を年々平和的事業に投ずるとせよ。
朝鮮、台湾、樺太、満州という如き、僅かばかりの土地を棄つることにより広大なる支那の全土を我が友とし、進んで東洋の全体、否、世界の弱小国全体を我が道徳的支持者とすることは、いかばかりの利益であるか計り知れない。もしその時においてなお、米国が横暴であり、あるいは英国が騎懐であって、東洋の諸民族ないしは世界の弱小国民を虐ぐるが如きことあらば、我が国は宜しくその虐げられる者の盟主となって、英米を庸懲すべし。
もし我が国にして、今後戦争をする機会があるとすれば、その戦争はまさにかくの如きものでなければならぬ。しかも我が国にしてこの覚悟で、一切の小欲を棄てて進むならば、恐らくはこの戦争に至らずして、騒慢なる国は亡ぶるであろう。今回の太平洋会議は、実に我が国が、この大政策を試みるべき、第一の舞台である。
関連記事
-
-
「Z世代のための約120年前に生成AI(人工頭脳)などはるかに超えた『世界の知の極限値』『博覧強記』『奇想天外』『抱腹絶倒』の南方熊楠先生の書斎訪問記(酒井潔著)はめちゃ面白いよ①』南方熊楠の方法論を学ぼう』
2015/04/30/ 「最高に面白い人物史①記事再録 …
-
-
『リーダーシップの日本近現代史』(145)再録★『日本世界史(グローバル異文化外交コミュ二ケーション』ー生麦事件、薩英戦争は英国議会でどう論議された③英「タイムズ」
2013/06/24   …
-
-
『オンライン講座/今、日本に必要なのは有能な外交官、タフネゴシエーターである』★『日本最強の外交官・金子堅太郎のインテリジェンス②] ★『ルーズベルト米大統領をいかに説得したか] ★『大統領をホワイトハウスに尋ねると、「なぜ、もっと早く来なかったのか」と大歓迎された』★『アメリカの国民性はフェアな競争を求めて、弱者に声援を送るアンダードッグ気質(弱者への同情心)があり、それに訴えた』
2011-12-19 『ルーズベルト米大統領をいかに説得したか」記事再録 前坂 …
-
-
『Z世代のための安保防衛(戦争)論の歴史研究講座』★『世界・日本リーダーパワー史(537)三宅雪嶺(第一回文化勲章受章)の「日英の英雄比較論」―「東郷平八郎とネルソンと山本五十六」
2015/01/15日本リーダーパワー史(537)記事再録 三宅雪嶺 …
-
-
『60歳以上の人のための元気学入門講座』平櫛田中(107歳)、鈴木大拙(96歳)の教え」★「六十、七十 はなたれ小僧、はなたれ娘、人間盛りは百から、百から」 平櫛田中』★『人間は過去と他人は変えられないが、自分と未来は変えられる。老人は過去から、未来に生きるスイッチに切り換えなさい」(鈴木大拙)』
<写真は24年6月1日午前9時に、逗子なぎさ橋珈琲店テラスより撮影 …
-
-
日米の歴史コミュニケーションギャップ・相互理解の難しさ①<ー1860年の日米通商条約から150年目―>
日米の歴史コミュニケーションギャップ・相互理解の難しさ① <ー1860年の日米通 …
-
-
日本メルトダウン脱出法(842)『実質賃金低迷でマイナス成長 明白になったアベノミクスの破綻』●『育児も介護も家族が背負う、日本の福祉はもう限界』●『制服組自衛官が権限大幅移譲要求』●『 総務省の「2013年住調」が示した空き家820万戸、空き家率13.5%」は本当か? 』●『中国国家主席が国営メディア視察、国際影響力の強化を呼び掛け』
日本メルトダウン脱出法(842) 実質賃金低迷でマイナス成長 …
-
-
『世界の新型コロナワクチン接種競争勃発』ー「日本が新型コロナからの日常生活が戻るのは22年4月で先進国では一番最後となる」(英医療調査会社予測)
「日本が新型コロナから日常生活が戻るのは22年4月で先進国では一番 …
-
-
★10・世界一人気の世界文化遺産『マチュピチュ』旅行記(2015 /10/10-18>「神秘に包まれた『マチュピチュ』の全記録、一挙公開!」陸野国男(カメラマン)③
◎< 世界一人気の世界文化遺産『マチュピチュ』旅行記 (2015 /10/10- …
-
-
『池田知隆の原発事故ウオッチ⑥』ー『最悪のシナリオから考えるー被曝管理の甘さを露呈。』
『池田知隆の原発事故ウオッチ⑥』 『最悪のシナリオから考えるー被曝 …