前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

『鎌倉通ーとっておきの鎌倉古道へ800年前にタイムトラベルできる名越切通は年々古道の趣は消えていく』

   

 

『鎌倉通ーとっておきの鎌倉古道へ

800年前にタイムトラベルできる名越切通-

古道の趣は年々なくなっていくよ』

 

         前坂 俊之(ジャーナリスト)

 

名越切通しへはどういけばよいか。

一番、簡単な方法は鎌倉駅前の「緑が丘入口」行きのバスで名越えのトンネルに出て終点の「緑ヶ丘入口」で下車し、リサイクルショップ「くるくる」の前の階段から登ればよい。

 もう1つは、昔の切り通し道を辿るもので、長勝寺前でバスを降り、横須賀線の線路わき­を辿ってもよく、又街道を少しトンネル側に進み、小さな踏み切りを通って線路沿いに上­ってもよい。道は線路の横の土手を次第に上り、やがてトンネルの入口を眼下に見なその上に出る。

そこから、林の間を上ると、次第に古道らしいむした岩の露出した山合いへと入って行く。しばらくそうした人影のない林間の道が続くが、やがて、右手に杉林の谷戸が見え、その上のふちをぐるりとう回して通る。この谷戸がさきに記した火葬場のある所で、目の前にその煙突が立っている。

 谷戸の真上に当る左側の山ふちに「史跡名越えの切通し」解説板がある。その少し先に、「まんだら堂」(普段は非公開)正面入口がある。
まんだら堂へ上らずに峠道を行くと間もなく苔蒸した切り通しの跡がある。更に進むと、道が下りになりとたんに岩肌を縦に切り取ったはざまに入る。これが切り通し入口で史跡「名越切り通し」の四角い杭が立っている。いにしえの古道の趣きがほんの若干残っている。≪10年前にはもっと残っていたが)

 

また、近年の台風、大雨、強風によって山道の杉その他の倒木が目立ち、その分、荒廃した古道の感じがよくでていて「強ものどもの夢の跡」の雰囲気を一部かもしていたが、これは2012年までの話で(youtube TOSHYUKI1812で見てください)、2013413日に半年ぶりに行くと、伐採と整備が進んで、せっかくの古道、荒廃した自然の雰囲気は大幅にカットされていた。樹木は切りすぎるとダメだ。そのままがよい。世界文化遺産に申請されてからの、市当局の歴史・自然保護のセンスのなさには驚く。なるべくそのままの姿で、山が崩れ、荒廃したならば最小限度の修復にととめる環境保全の姿勢の欠如には困ったものだ。残念無念だが、年々、歴史環境保全は低下の一途である。

切通(きりどうし)とは一体なにか。

「鎌倉事典」(平成4年版、東京堂書店)によると、鎌倉は三方を山に囲まれた要害の地­であるため、鎌倉とその他を結ぶ道路を開くには、山場を越える道を切り開く必要があっ­た。これが山を切り開く、切通しといわれる。俗に鎌倉の七切通し・七口とよばれ、西か­ら極楽寺・大仏坂・化粧坂・亀ケ谷坂・巨福呂(小袋)坂・朝比奈・名越の各切通をいう­。鎌倉防禦の上で重要な意味をもち、また、切通しの外の地域は、ほぼ北条一族で占めて­いた。
極楽寺付近は赤橋氏、大仏坂・化粧坂の外地、常盤に北条政村の別邸があり、巨福呂坂の­外、山ノ内は北条得宗領、という類である。京都七口を模しての呼称であろう。
名越切通しは倉から三浦へ通じる重要な道であった。旧道は名越トンネル上にある。名越­坂ともいう。道筋は「古事記』にいう日本武尊が東夷征伐のさい、いまの横須賀走水の海­をわたって蝦夷に向かった、いわゆる古東海道であろうといわれる。峠は、いま鎌倉市と­逗子市との境になっているが、昔も鎌倉と三浦との境界であった。国の史跡に指定されて­いる。

ちなみに、名越(なごえ)は大町の東の一帯の総称で、鎌倉時代からの地名で『吾妻鏡』のところどころにこの名が現れる。北条時政以来北条氏の居館があった。問注所執事三善氏の屋敷もここにあったという。中世には寺院や武士の邸宅の多かった地域である。

 - 湘南海山ぶらぶら日記 , , , , , , , , , ,

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

『リモートワーク/京都世界文化遺産/外国人観光客へお勧め/豊臣秀吉ゆかり醍醐寺をぶらり散歩動画(2016/09/04 /30分)』★『桃山時代の面影を残す秀吉ゆかりの古刹』★『秀吉が設計した三宝院の庭園の天下の名石・藤戸石』★『秀頼の作った西大門から入り広大な伽藍に向かう』★『本堂の金堂(国宝)は秀吉の命で紀州湯浅から移築、本尊の薬師如来像がある』★『西大門の仁王像、運慶、快慶以前の現物残る傑作、なぜ国宝でないのか』

★⒑外国人観光客へお勧めベスト①『京都古寺・醍醐寺」のすべて➀桃山時代を残す秀吉 …

世界が尊敬した日本人◎「日本らしさを伝える<小津スタイル>-世界の映画ベストワン「東京物語」に輝いた小津安二郎監督「なんでもないことは<流行>に従う。重大なことは<道徳>に従う。芸術家は<自分>に従う」­(小津の信条)

  2023年12月12日は、日本映画の巨匠・小津安二郎監督の没後60 …

no image
日本渓谷美をめぐる旅>★『高千穂峡(宮崎県五ヶ瀬川) は自然美の傑作』●『五ヶ瀬川流域の自然と清流の絶景」

  <日本渓谷美をめぐる旅> ★『日本渓谷美百選ー高千穂峡( …

no image
鎌倉カヤック釣りバカ日記ー<1ヵ月おくれのイナダ、サバ爆釣、やったぜ、回遊魚の一斉御登場。サンキュー!>

<毎日が夏休み!ハッピー・リタイアメント>   鎌倉カヤック釣りバカ日 …

no image
★⑩鎌倉第1の名所『檑亭(らいてい)そばと会席料理の店』 国文化財(建造物)と名園を堪能する

鎌倉第1の名所『檑亭(らいてい)―そばと会席料理の店』 国文化財(建造物)と名園 …

鎌倉カヤック筋トレ釣り日記(10/22)約1ゕ月ぶりに材木座海岸を午前7時過ぎにスタート。『さかなクンと遊ぼうよーぶつぶつ,ボケボケ解説中継だよ』●『逗子マリーナ沖に巨大波、 大波近づくと転覆するよ』●『大きなクサフブに針は切られっぱなし、カワハギはゼロ』●『いきなり竿をひったくり、ソーダカツオにぶち切られる。 残念、あとはカモメと遊ぶ』●『最後に、リールを巻いているとソーダカツオが あいさつに来たよ、魚はやさしいね』●『ラスト・サブライズ」最後の最後 に33㎝の巨アジがきたよ、鎌倉海は豊穣の海だね』

鎌倉カヤック筋トレ釣り日記(10/22)ー 約1ゕ月ぶりに材木座海岸を午前7時過 …

no image
『鎌倉サーフィンチャンネル(10/13)』●『鎌倉を世界的な「サーフィン・パラダイス」にして外国人観光客を増やす方法』-

    『鎌倉サーフィンチャンネル(10/13)』 &nbs …

no image
★『クール・ジャパン(夏の風物詩・涼しい音色)を聞きに行く』―川崎大師に『風鈴』を聞きにぶらぶら散歩する(7/18)

  ★『クール・ジャパン(夏の風物詩・涼しい音色)を聞きに行く』 ―川 …

no image
『Bathing in KAMAKURA SEA』=<梅雨明けて夏本番、海よ!Zaimokuza Beachのシーズン開幕-サバが大漁じゃ>

『Bathing in KAMAKURA SEA』=<梅雨明けて夏本番、 海よ! …

『F国際ビジネスマンのカメラ・ウオッチ(92)』「2月某日、冬晴れ、季節外れの天下の名園「六義園」をぶらり散歩、癒される。

 『F国際ビジネスマンのカメラ・ウオッチ(92)』 TOKYOGuide for …